この記事を書いたキャリアカウンセラー

熊澤 匠

熊澤 匠

キャリアフラッグ株式会社 代表取締役 大手人材派遣会社に入社後、大手FCチェーン飲食店・都議会議員事務所で責任者を経験。新卒専門の人材紹介会社にて新部署の立ち上げから、営業企画・マーケティングを担当。年間100回の就職セミナーやガイダンスの講師を務め、「OB訪問 十五ヶ条」を出版。2010年にキャリアフラッグ株式会社を設立。多数の学校法人と直接契約をし、各大学独自のキャリア授業や就活講座を企画展開中。大学内の教員、非常勤職員を務めた経験から、就業力育成支援事業の全体運営や、SDFD(教職員研修)や保護者ガイダンス等の企画・登壇も行う。

2019年12月31日

社会人1年目で転職・起業をする場合のリスクと準備について教えてください |仕事の悩み相談【第23回】

現役キャリアカウンセラーが読者の皆様の「仕事」「職場」「キャリア」に関するお悩みにお答えする本企画。今回のご相談者は「転職か起業を考えている」という20代の女性会社員。回答するのは自身も起業経験がある熊澤匠カウンセラーです。

相談者

社会人1年目で転職・起業をする場合のリスクと準備について教えてください

まだ社会人1年目ですが、転職もしくは自身での起業という道を考えています。起業に関しては将来的な話ですが、真剣に考えています。

なぜなら、現在広告制作会社でプロダクションマネージャーという職種で働いていて、労働時間が不規則であることが一番大きな要因です。結婚、出産後にこの仕事を続けていくかと考えた時に、仕事内容含め理想とするワークライフバランスが取れないと思いました。

具体的にやりたいことは今の段階では決まっていません。ざっくりですがどこに行っても(海外でも)できるような仕事がしたいなとは思っています。

転職や起業をする場合にそれぞれどういうリスクがあるのか、どんな準備が必要なのかなどを聞きたいです。また、海外で生活するという道も自分の人生計画の中にあり、それも含めお話聞けたらと思います。

熊沢匠
熊澤 匠

現実での成果の積み上げの先にこそ、輝かしい未来がある

キャリアフラッグ(株)熊澤と申します。年末年始は自らの人生を常に振り返ります。講師のプロフィールを刷新したり、その根源にながれる過去を捉えなおしたりします。私は卒業後、正社員として入社をさせて頂いた会社を半年で退職しました。

起業は32歳の時で10年目です。正社員退職後、深夜のラーメン店やフリーランスで政治家秘書の仕事など、職を転々としました。現在は、若手社会人や大学生向けのキャリア支援を事業としていますので、当時の経験が役に立っていると自覚しますが、毎月稼ぐのに必死でした。後悔はありませんが大変でした……。私の経験が何かの役に立てば幸いです。

 さて、ご質問は「転職」と「起業」の準備とリスクですね。転職活動への準備は、何もありません。在職のまま、すぐ転職支援サービスに登録をすることができます。勧められる求人によって、ビジネス界からの自分に対する評価を理解できます。すぐ動き出せますよ。

さまざまな業界や職種が紹介され理想どおりの結果にはならないかもしれませんが、それが現実です。「職務経歴書を書いてください」と言われ、何らかの実績を出さねば、次への主張をすることもできないことにも気付くかもしれません。まずは小さなことでも、自分の現状把握から開始しましょう。

 その中で、一般的に社会人経験の浅い転職希望者は、「ビジョン・目標設定能力の欠如」という評価を受けることになります。入社後、1~2年での退職者は、「自分でここまで頑張ろう!」と設定したことを投げだす方である。つまり、設定する力が無いか、決めたことを達成する力が無いか、どちらかであると評価を受けます。

転職先で、その評価を覆して信用を得るまで、正社員という立場は得られないかもしれませんし、その期間の職能は評価をされませんので、新卒と同等の能力評価になります。転職サービスのエージェントは「長く組織に貢献できる人材である」ということで、求職者を企業に紹介するのが通常です。転職後、短期間で退職をされると、エージェント側にもペナルティが課されます。その可能性があると認識されると、仕事の紹介も受けられないこともあります。

 続いて「起業」のリスクですが、お金を想像しやすいかと思いますが、若手社員のみが受けれられる研修の機会が失われるのもリスクですね。座学でのフレームワークやOJTでの指導を受ける機会は無くなります。起業後の実践で身に着くのは起業人としての能力が中心ですので、組織人としての力は手に入りません。

 いよいよ「起業の準備」です。一般論として、第一に準備しなくてはならいのは資金です。売上の振込日までの活動資金は絶対的に必要です。仮にご自身一人の行動力とアイデアで勝負し、原価がかからないサービスだとしても、パソコン・携帯電話・交通費などの活動経費は必要です。

最低限の資本金は計算しましょう。それから、法人として活動を始めるなら、登記費用がかかります。社員が0人でも、士業の方々の力を借りる費用はかかります。もし、会社として形にせず個人事業で活動するにしても、自宅住所を名刺に刷り、配り続けるのは難しいでしょう。レンタルオフィス等の固定費は考えておくべきです。

 そして、最も大切なことは、「売上を活動開始より先に立てること」です。事業展開や節税の皮算用より、大切なのは手元に残る現金です。売上の振込日を睨む現実感覚が大事です。

たとえば、元々所属していた会社であれば、納品や振込に関する信用があるので、少しでも取引を作ってもらえるかも……という現実感覚がアナタを守ります。むしろ、それすらできない方は起業には向かないかもしれません。

自分の最高のエネルギーを、「周囲からの信用に変えられる」と売上の種は見つかります。仲間・家族・親戚など、全てがアナタの応援団です。信用を売上に変える現実感覚が大切。結局は、現金とは信用の証なのです。

 最後になりますが、どんな職場でも、自分の最高のエネルギーを出して実績を創る習慣を手に入れることが転職や起業の準備だと思います。そこに対して、リスクを計算している自分がいるのが最大のリスクでしょう。

転職後も起業後も、失敗したらどうなるか? などと考えている余裕はなくなり、成果を出すことに必死になります。自分のいる現実での成果の積み上げの先にこそ、転職も起業も、海外生活へのチャンスもあるかと思います。

輝かしい未来は自らの現実の先にしかないと思います。現実から目を背けて、隣の芝生を羨ましがっても、その芝生は手に入りません。まずは今いる自分の土台をしっかりと固め、豊かにすることを大切にしてください。

私は「目の前のチャーハンやラーメンが上手く作れない自分が未来を掴めるわけがない」と開き直った時が、転職や起業のリスクを振り払えた時だと今はわかります。成果を出し続けて未来を掴んでください。応援しております。

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