この記事を書いたキャリアカウンセラー
kananote(カナノテ) 代表 新卒で大手人材派遣会社へ入社。人のキャリアに深く関わりたい思いから、人事へ転職。Webマーケティング企業と外資系食品会社の2社にて、人材育成・採用・評価制度・社内広報などに携わる。 2019年4月よりフリーランスとなり、個人向けキャリアコンサルタントと企業向け人事コンサルタントの両面で活動中。どちらも軸とするのは「その人/その会社に合った」コンサルティング。個性を活かしたキャリアや自分らしい働き方の実現に「手」をお貸ししたい、そんな思いでキャリア支援に向き合っています。

就職の選択肢を広げるためにやるべきことを知りたいです。|仕事の悩み相談【第34回】

現役キャリアカウンセラーが読者の皆様の「仕事」や「職場」「キャリア」に関するお悩みにお答えする本企画。今回のご相談者は、大学に入学したばかりで就職の志望について悩む19歳の女子大生です。回答するのは、個性を大事にしたキャリアコンサルを行う松浦かなカウンセラーです。

大学受験も第一志望には行けなかったため、就職に関しても志望通りに進むのか不安です。
今春から大学生になりました。美術史を学びたく歴史系の学科を選び、学芸員の資格を取ることを在学中の目標に決めました。
就職に関しては学芸員になりたい気持ちは今のところなく、絵を描いたり物を創るなどクリエイティブなこともやってみたいし、現在学んでいることを生かした仕事で良い条件や環境で働きたいとも思っています。
しかし、大学受験も第一志望には行けなかったため、就職に関しても志望通りに進むのか不安です。いつも行動しきれない自分ですが、就職に関しては今からやるべきことはやりきりたいと思っています。就職の選択肢を広げるための資格やトレーニングなど教えて頂けないでしょうか?

やりきったと感じられることで、納得のいく就職につながります。
こんにちは、松浦です。外出自粛が1ヶ月延長され、オンラインだけで仕事をする日々にも慣れつつあります。今まで当たり前のように人と会えていたことが、改めてありがたく貴重なものだったと感じますね。自身や家族の体調に気をつけつつ、適度にストレス解消して乗り切っていきましょう。
さて本日は、「就職の選択肢を広げるためにやるべきことを知りたい」というお悩みです。相談者さんは、この春から大学生になられたんですね。入学まもなくから就職のことを考えていらっしゃるのは、選択肢を広げる上でとても前向きだと思いました。大手就活サイトでも、大学2年生(23卒)・大学1年生(24卒)向けの就活イベントが増えてえており、年々就職活動の早期化傾向が見られます。将来に向けて、これからの大学生活を有意義に過ごせるといいですね。
やるべきことを考えるにあたり、まずは就職活動の全体の流れを見てみましょう。一般的には、1. 自己分析や業界研究を経て、2. 志望する企業を決めてエントリーシートを提出し、3. 面接などの選考を受けて、4. 晴れて内定獲得となります。ステップ2以降は大学3・4年生対象のものが多いですが、ステップ1の「自己分析や業界研究」は大学1年生の今から取り組むことができます。
特に業界研究は、今からやるべきこととしてオススメです。早めに情報収集をはじめることで、インターンシップや学生アルバイトのチャンスを逃さずキャッチでき、就活につながる経験をたくさん積むことにもつながります。
業界研究のポイントは、最初はあまり好き嫌いせず、公平に情報を集めることです。選択肢を広げるためには、すでに興味がある範囲から、まだ知らない業界や仕事の可能性に触れる必要があります。学芸員という選択肢も、就業条件や環境を調べてみると、知らなかった魅力が見つかるかもしれません。
ジョイキャリアで企業や業界研究についての記事はたくさんあるのでぜひ確認して見てください。
「調査・分析」に関する記事一覧
また、残念ながら、これさえ持っておけばどんな就職にも有利!という絶対的な資格はありません。あくまでも資格は、何らかの仕事の知識やスキルを補うもの。業界研究を進めていく中で、相談者さんが興味を持った業界や仕事に役立つ資格があれば取得を検討する、という順番で考えていただくといいと思います。
いずれにせよ、幅広く情報を集めて、インターンシップなどたくさん経験を積み、目指したい業界や仕事と出会うことが、ステップ2以降につながる第一歩になるかと思います。
そして「いつも行動しきれない」という点にも触れたいと思います。大学受験の経験から就職に不安を感じて、「就職に関してはやりきりたい」という気持ちをお持ちなんですね。
ただ、今から就活が本格化するまでの3〜4年間、その気持ちをずっと維持するのは大変なこと。やりきれるようになるには、目標を決めて計画を実行するトレーニングを提案します。
大学受験の時、いつまでに何ができたら「やりきった」ことになるのかを、事前に決めていましたか?意外と見落としがちですが、意気込んで何かに取り組む際、目標とする状態を決めていないことは多いものです。ですが、やみくもに頑張ってしまうと、出来たことに満足できず、出来なかったことばかりが目について、自信ややる気を失いかねません。
特に受験や就職活動といった長期戦では、スケジュールや優先順位が漠然としてしまいがち。また、大学生活は就活以外にも、学業やサークル活動など、他のことでも忙しい毎日かと思います。
だからこそ、具体的な目標を決めることで、「やりきった状態」を認識することが大切です。そして、目標から逆算して計画を立て、地道に実行していくこと。これは「計画力」という、仕事をする上で必要とされる社会人基礎力の一つでもあります。
まずは、大学の課題や趣味など身近なことから取り入れてみてください。そして、就活では業界研究や情報収集の目標を決めて計画を立ててみましょう。もし計画が行き詰まったら、また立て直して、少しずつでも目標に近づける。この繰り返しがトレーニングとなります。
やりきったと感じられることで、納得のいく就職につながります。さらに就職の先にある社会人に向けて「計画力」を伸ばしていきましょう。
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kananote(カナノテ) 代表 新卒で大手人材派遣会社へ入社。人のキャリアに深く関わりたい思いから、人事へ転職。Webマーケティング企業と外資系食品会社の2社にて、人材育成・採用・評価制度・社内広報などに携わる。 2019年4月よりフリーランスとなり、個人向けキャリアコンサルタントと企業向け人事コンサルタントの両面で活動中。どちらも軸とするのは「その人/その会社に合った」コンサルティング。個性を活かしたキャリアや自分らしい働き方の実現に「手」をお貸ししたい、そんな思いでキャリア支援に向き合っています。