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竹谷彩香

竹谷彩香

学生時代はボート部で全国準優勝の実績をもつTHE体育会系。大学卒業後は数社にて新卒・中途採用、内定者フォローに従事する。現在は2人の息子の子育てを満喫しつつ、自身の育児体験を元にライターとして活動中。ママ友やライター仲間たちとの果てしないおしゃべり&ランチが今の一番の楽しみ。

2020年1月12日

公務員という生き方。「安定」イメージだけで目指してない?

「安定」のイメージが強く、「親が子どもに就かせたい職業」でも常にトップを争う人気の、公務員。しかし、公務員の仕事は本当に安定しているのでしょうか? これからの「公務員」という生き方について、考えてみましょう。

この記事のポイント
  • ①国の機関などで運営に係わる国家公務員と、都道府県などの自治体で住民を支える地方公務員。違いを紹介。
  • ②公務員が「安定職」だったのはもう昔のこと。安定を求めて公務員を目指すなら、将来後悔するかも!
  • ③未来の公務員の仕事は「人と人とのコミュニケーション」にシフトする? 人に寄り添い、挑戦する公務員とは。

国家公務員、地方公務員とは?

日本国民の約3%が公務員!

公務員には大きく分けて「国家公務員」と「地方公務員」のふたつがあります。国家公務員は国の機関や省庁などで国の運営に係わる仕事となりおよそ58万人が従事、地方公務員は各自治体や公営機関などで住民を支える仕事でおよそ274万人が従事、公務員全体では約332万人が国民の生活を支えていることになります。

●国家公務員の仕事内容・魅力

国家公務員は国の財政運営や外交といった、スケールの大きな仕事に携わることになります。それぞれの分野のスペシャリストとして高い専門性を求められ、活躍を期待されます。早いうちから国家レベルの政策決定に関わるポストを経験することになったり、国際化の進展のため海外勤務となったりする場合もあります。

自分の関わった仕事が新聞やニュースに取り上げられることも多く、「国の行政の第一線で働いている」とやりがいを感じられることも多いでしょう。

●地方公務員の仕事内容・魅力

地方公務員は都道府県や市区町村の自治体に所属し、住民を支えます。その地域の生活や産業に密着した業務に携わることになります。直接、地域住民の声を拾い上げる機会も多々あり、イベントなどを通して触れ合う機会もあります。住民の反応を見ながら「地域をよりよくするために働いている」と実感できることもあり、充実感に繋がります。

警察や消防組織、公立の学校で勤務する際には特に「地域の安全を守っている」「子どもたちの未来を守っている」と実感できる機会も多いでしょう。

公務員の「安定」や「定時退社」は幻想である

現実とのギャップを的確に把握しよう!

公務員を選ぶ理由で一番多いのは、今も昔も「安定している」や「福利厚生の充実」というイメージが多いかと思います。

確かに、ひと昔前までは、公務員が「安定職」である理由として、「リストラや倒産がない」「給与が安定している」「残業がない」ということが挙げられていました。しかし、現代の公務員はどうでしょうか?

35億円の赤字を抱え、2007年に事実上破綻した北海道夕張市。260人いた市職員を100人まで減らし、残った職員についても給与を40%カットしました。給与の大幅なカットにより、自主退職する職員も多くいたそうです。夕張市だけの問題ではなく、こうした財政の問題は今後どこの自治体でも起こりえることです。

また、2015年には大阪で公務員のリストラが話題となりました。いわゆる懲戒免職ではなく、業績不振によるリストラです。「一度採用されたら一生安泰」といった神話も崩れ始めています。

「残業がない」と言われている実態についても、実際は定時で帰宅できる部署はごくわずかです。しかも残業代の上限は予算内で予め決められており、オーバーすることは許されません。そういった理由からサービス残業が常例化している、といった悪循環もあります。

「とにかく安定を!」「楽に仕事をしたい」といった理由だけで公務員を目指すと、現実とのギャップに必ず後悔することになります。

公務員の「安定神話」を崩すAIの存在

AI時代に求められる公務員とは?

もはや私たちの生活に欠かせないものとなってきたAI。家電も自動運転のものが増え、クルマの自動運転が可能な時代もすぐそこまでやってきています。そして、生活面だけではなく、仕事としてもAIが活躍の場を広げています。

今後さらにAIの導入が広がりを見せていく中で「将来なくなる」とされている職業の中に、公務員の仕事も含まれます。比較的ルーティンな窓口業務、書類作成・確認業務などはAI化によって「なくなる」と考えられます。そうなると、公務員の役割はどうなるのか?

予測としては、より「対人」にシフトすることが考えられます。AI時代に逆行するかたちで、もしかしたら足を使い地域をまわることが重要になるかもしれません。デジタルでなく、アナログの手法で地域住民の声を広く拾うことが求められるかもしれません。

AIに困難なこととして、「対人で向き合うことで相手側が得られる安心感」、「数値化できないような感覚を読み取り感じ取る力」などがあげられ、それらの能力を備える医者や美容師、カウンセラーは比較的「なくならない」職業にあげられます。公務員にも、数値化、簡略化、ルーティン化しにくい業務が求められるようになるかもしれません。

たとえば、住民の声を直接聞くなかで、表面的な課題だけではなく、そこにある潜在的なニーズを探る「コミュニケーション能力」やそれに対する期待以上の付加価値のあるサービスを提案していく「クリエイティブ能力」です。AIに任せられる「お決まり」 の仕事より、人間くさい仕事を高いレベルで遂行することが公務員の条件になるかもしれません。

「なぜ公務員を目指すのか」が大切

自分が達成したいことはどこにあるのか?

就活に欠かせない自己分析ですが、公務員を目指す場合にも自己分析は重要です。自己分析を通して自分の長所や短所を知り、価値観を把握することができます。その価値観と共に「なぜ公務員を目指すのか」「なぜ民間企業ではダメなのか」を考えてみましょう。

民間企業と公務員の一番の違いは、その仕事の目的にあります。民間企業では会社の利益を上げること、会社の発展が優先されます。したがって「会社の利益にどう貢献していけるか」ということがアピールポイントとなります。

一方、公務員は利益最優先ではなく、社会貢献の色合いが強く、対国民、対住民への奉仕業務ともいえます。だからこそ「利益のためではなく人のために働きたい」という、強い「」が大切なのです。

面接官は熱意を見ています。志望理由の中に「安定しているから」「競争やノルマが少なそうだから」といったことが見え隠れするようではNG。先ほどご紹介したとおり、公務員の仕事は安定しているとも、楽なともいえません。そのような現状でもやっぱり国民のために働きたい、地域のために働きたい、という熱意があるのなら、そこを強く伝えましょう。

学生時代の経験は大きなアドバンテージ

「自分が学生時代に取組んできたこんな経験を、社会貢献のために役立てたい」「地域への愛着があり、さらに良くしていくためにこんな課題を解決したい」など、自分の経験や興味を交えながらアピールできると、より具体的に志望理由も伝わり、人としての魅力も伝わるのではないかと思います。

【まとめ】「安定しているから公務員になりたい」の時代は終わった。何をしたいのか明確に

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人の思いに寄り添い、人にしかできない挑戦ができる公務員に

「安定した会社に就職して自分の将来は安泰などと思わないでほしい。挑戦しなければ、自分たちの将来はない」2017年4月の入社式でトヨタの豊田章男社長から新入社員に向けられた言葉です。

昨今、各業界の経営トップからは「挑戦」や「変革」を求める発言が目立ちます。「安定」「現状維持」は求めておらず、それは衰退を意味します。それは公務員も同様です。民間出身者が行政トップとなることは珍しくなく、30歳代の首長が誕生する時代です。行政においても「挑戦」や「変革」を求めるトップが増えていくでしょう。

就職先の条件に「安定」を選ぶこと自体は、もちろん悪いことではありません。大切なのは「安定」に甘んじるのではなく、何をしたいのかを明確にすること、現状を変革する意思を持って挑戦することです。

どんなにAIが普及してもAIには代替できない仕事があります。その一つは「人の想い」です。地域の人々と接する機会が多い公務員は、AIに代替できない業務もたくさん含まれているはずです。人の「想い」に寄り添い、「チャレンジを続ける公務員」、格好よくありませんか? そしてそんな公務員なら、「あり」だと思いませんか?

出典:【新聞ウォッチ】新社会人の入社式—トヨタ、三菱自など「挑戦」「変革」経営トップが訓示 | レスポンス(Response.jp)
出典:「財政破綻」は実際にどういうことなのか|働き方・学び方|NIKKEI STYLE
出典:ついに到来!出来の悪い公務員はクビになる時代 | 就活の未来

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