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栢原陽子

栢原陽子

WEBでのパーソナルブランディング、セールスライティングを得意とするライター/編集者。これまでに医師や起業家、大学講師などをプロデュース。 2020年、中小企業診断士合格を目指し勉強中。執筆テーマは女性の働き方、WEBブランディング、小さな起業。

2020年9月14日

アフターコロナで就職浪人は増える?決める前に不利な点、注意点を知ろう

あなたはいま、大学3年生または4年生ですか? 就職活動はうまくいきそうですか? 2020年はコロナウイルスの影響により、就職活動が期待どおりに進まなかったり、志望する企業の採用活動が中止になったりと予期せぬ事態が起きた方も多いと思います。

就職氷河期の再来ともいわれるなかで内定がもらえなかった結果、就職浪人や就職留年を考えている方もいるのでは? この記事では就職浪人・就職留年のメリットとデメリットについてご紹介しながら、就職浪人・就職留年するなら持っていてほしい「覚悟」の部分にフォーカスしていきます。

コロナ禍で就職氷河期は再来する?

コロナの影響により就職氷河期は来るのでしょうか?

2020年4月入社の新入社員の方や、この先、新型コロナウィルス感染症の影響を受ける新卒生は「コロナ世代」と呼ばれ、就職活動や入社に関する懸念点がほかの世代よりも多く挙がっています。2020年4月入社の方でさえ、入社直前で内定が取り消されたり、入社はできたものの出社できず研修が進んでいなかったりしています。こうした事態を考えると、21年卒以降の新卒採用はさらに厳しくなっていくことが予想されます。

リクルートの調査では21年卒の採用予定人数は、2020年2月の時点で20年卒と比べて4.6%減少すると予想されていました。それがコロナの影響を受けた6月時点では、2月時点からさらに11%も下落する結果になっています。このため21年卒の新卒採用は買い手市場になっており、この影響は22年卒以降も続くと考えられます。

また22年卒を対象に2020年6月に実施された調査では、就職活動への印象を「厳しい」と答える学生が92.1%に及んでいます。新型コロナウイルス感染症の影響やオリンピックの開催延期をはじめ、就職活動のオンライン化が進んだことにより多くの地方学生がライバルに含まれるようになったことが要因として挙げられています。こうした状況から推測すると、これまでよりも就職浪人が増える可能性が大いにあります。

ですが、優秀な学生でも就職に苦戦するような就職氷河期が再来するのかといえば、一概にそうとは言い切れません。その理由は2つあります。

1.就職氷河期を経験した企業は、人材採用の重要性に気づいている

1990年代後半〜2000年代前半に新卒入社した就職氷河期世代は、現在40代前後の働き盛りを迎えています。この世代は今後企業を支えていく社員ともいえます。就職氷河期で新卒採用を絞っていた企業は、この世代の社員が少ないことに大きな痛手を感じています。

そのため数十年後のことを考えると、現時点で不景気や業績が悪化しているからといって、採用をやめるわけにはいかないことを知ってます。

2.新卒採用は中途採用よりも継承への期待が高い

企業にとって新入社員は、ただの労働力としての人材だけではありません。企業の社風や文化を引き継いでいくための人材として考えられていることも多く、歴史のある大企業はその傾向が強いです。

そのため、今後は以下のように採用活動を変えていく企業の増加が予想されます。

  • 採用をやめるのではなく、採用枠を絞り本当に優秀な人材だけを採用する
  • 厳選採用に切り替えて、採用基準を満たす人材がいたときのみ採用する

また通常多くの日本企業は「総合職」として人材を採用したあとに仕事を割り振るメンバーシップ型雇用を行っていますが、職種に合わせて人材を採用するジョブ型採用に変更するところもあるでしょう。

今年は、志望していた企業の採用活動が中止になったり、採用人数が絞られて内定がもらえなかったりしたために就職浪人・就職留年を考えている方もいると思います。まずはそれぞれどういったものなのか、見ておきましょう。

就職浪人・就職留年とは?

就職浪人や就職留年は何が違う? どっちがいい?

就職したいと切望しているにもかかわらず、今年内定をもらえなかった人が選べる方法は2つあります。

  • 就職浪人:大学を卒業した後も就職活動を続ける方法
  • 就職留年:意図的に大学を留年して卒業しない方法

それぞれどんなメリットとデメリットがあるのでしょうか。

就職浪人のメリット・デメリット

就職浪人のメリットは、就職活動だけに専念できる点です。大学生の時のように授業や卒業論文もないため、自由時間がとても多く自分の裁量で就職活動を進めることができます。

一方のデメリットは、新卒採用枠の特権を失ってしまうことです。これは何よりも大きな痛手です。新卒採用枠の権利がないため、インターンシップへの申込みですら難しいこともあります。

就職留年のメリット・デメリット

就職留年のメリットは、新卒採用枠の特権を利用できる点です。現役の学生と足並みを揃えて就職活動に挑めるどころか、すでに一度就職活動をしているため、ほかの学生よりも経験値の高い状態で新卒採用に挑むことができます。

デメリットは、やはりお金です。通常の学生生活よりもプラス1年多く学費を払う必要があるので、資金的援助がないと難しい選択肢です。また、「なぜ留年したのか」という問いに対して、面接官に納得してもらえる返答をする必要もあります。

就職浪人するなら持つべき覚悟

上記のように、就職浪人や就職留年はメリットもありますが、デメリットも大きいです。ではどういう覚悟を持った人なら、就職浪人や就職留年をすることでメリットが得られるのでしょうか?

以下は主に就職浪人について記載していますが、就職留年の方も同様の覚悟が必要になると考えながら読んでいただけたらと思います。

1.就職浪人はそれだけで不利になる

就職浪人をすると、それだけで就職しにくくなってしまうのも事実

就職浪人をした場合、ほかの新卒採用生に比べて不利な立場に置かれます。なぜなら面接官は「就職できなかったことには何か原因があるだろう」という見方をするからです。

生まれ育った環境は異なりますが、多くの大学生にとって就職活動のタイミングは同じです。多くの学生は、大学3年生から就職活動を始め、自己分析から志望する企業を見つけて内定をもらうまでの一連の流れをクリアしています。それに対し、就職浪人は決まった流れに沿えなかったことになります。

どんな事情があったとしても、「ほかの学生ができていることができない学生」という見方をされてしまい、それだけで不利になってしまう覚悟は持っておくべきです。

また新卒採用は大前提、スキルよりも人柄ややる気、モチベーションといったポテンシャルが重視されます。この部分が浪人したことで大きく変化するとは考えにくく、よほどの理由がない限り、就職浪人がプラスに働くことは考えにくいです。

2.就職浪人しても希望する就職ができない可能性

就職浪人をしても、なかなか就職が決まらず悩むこともあります

2020年〜2021年にかけては、志望する企業が新卒採用を行わなかったといったやむをえない理由で就職浪人を考える方もいると思います。

志望する企業が翌年以降に採用を再開するかは不明であるため、就職浪人をすることは一種の賭けです。もし翌年まで待っても志望企業が採用を再開しなかった場合には、結局ほかの企業に就職するか否かを考えなければなりません。また、志望企業が採用活動を再開しても、落とされてしまう可能性もあります。

その場合、あなたはどうしますか? いつまで就職浪人を続けますか?

就職浪人になることは、社会人としてのスタートダッシュでほかの人とは違う道を選ぶということ。周りと同じ道を選べば安泰、とはいえないご時世ですが、社会人としての第一歩から違う道を選ぶのであれば、今後の就職活動がどう転んでも人生戦略を練っていける自信がないと、就職浪人として満足いく就職活動をすることは難しいと覚悟しておきましょう。

3.面接官の印象を上げる理由が明確に答えられるか

就職浪人してからの過ごし方や経験を人生においてどう糧にしていくか、説明できますか?

就職浪人をした場合、必ず面接官にその理由を問われます。 そのときに面接官が納得する理由を明確に答えられるかがポイントです。

面接では、学生時代に何をしていたかに加えて、「現在は何をしているか」など現在進行形の就職浪人時代のエピソードも聞かれます。プラス評価につながる過ごし方ができないなら就職浪人はやめた方が無難です。

「就職活動の失敗を今後の社会人生活にどういかしたいのか」といった事柄は、最低限まとめておきましょう。

まとめ: 就職浪人・就職留年の選択肢は、あり?なし?

それでもあなたは就職浪人や就職留年をしますか?

基本的に、就職浪人や就職留年はおすすめしません。もし志望度が低くても内定をもらえている企業があるなら、一度そこに就職してから考える方が得策です。

どこからも内定がもらえていない場合は、大学卒業までに内定をもらう方法を考えましょう。これまで受けてきた企業は、ライバルの多い人気企業や大企業ではなかったですか? もしくはひとつの業界に絞りすぎていませんか? いまアルバイトをしているなら、そこで新卒採用を行っていないか聞いてみるのも方法のひとつです。

最近では第二新卒の採用枠も増えているため、その枠を狙うのもいいかもしれません。 まったくビジネススキルが備わっていない学生よりも、一度就職をして社会人としてビジネスの基礎を習得している第二新卒の方が有利に働くこともあります。

ただ、就職浪人や就職留年するしかない状況の方もいるでしょう。そんな方にお伝えしたい朗報もあります。2010年に厚生労働省が「青少年雇用機会確保指針」を改正しました。これは学校卒業した後にすぐに就職できない若者が増えたため、卒業から3年以内は新卒としての扱いをしてもらえるという指針です。ただしこれを取り入れている企業は限られるので、自分が行きたい企業がどちらなのか必ずチェックしておきましょう 。

就職浪人または就職留年の選択は、「今年の就職活動がうまくいかなかったから」といった逃げの気持ちではなく、「絶対に志望する企業に入る、そのためにこれだけのことをする」という攻めの気持ちで向き合える人がとるべき選択肢であることを覚えておきましょう。

参考:第37回 ワークス大卒求人倍率調査(2021年卒)
参考:22卒が始動!コロナ&オリンピックの影響で就職氷河期再来と不安なスタート。就職浪人・オンライン就活が増えるか。<2022年卒ブンナビ学生調査(2020年6月)>

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WEBでのパーソナルブランディング、セールスライティングを得意とするライター/編集者。これまでに医師や起業家、大学講師などをプロデュース。 2020年、中小企業診断士合格を目指し勉強中。執筆テーマは女性の働き方、WEBブランディング、小さな起業。

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