労働基準監督官は、厚生労働省に所属する国家公務員であり、労働者が安心して働ける労働環境を実現するため、労働基準法などに定められた労働条件を確保する職業です。労働基準監督官になるには、労働基準監督官採用試験に合格する必要があります。
事業場や工場、オフィスに立ち入り検査を行い、法令違反があれば事業主などに是正指導を行います。重大・悪質なケースであれば特別司法警察職員として任意捜査を行い、検察庁に送検することもあります。また、職場の健康診断の実施状況や有害物質の取り扱い状況を確認したり、労働災害に遭ってしまった労働者に対して保険給付を行ったりすることも仕事内容に含まれます。
賃金不払いや長時間残業、過重労働による過労死などを裏付ける記録は、もはや紙ではなくパソコンの時代です。デジタル・フォレンジック(犯罪の立証のための電子データ解析技術や手続き)など、さまざまな専門知識や人生経験を活かせる仕事です。
目次
労働基準監督官の仕事内容
- 企業などの事業場に対する臨検監督(現場の立ち入り調査)を行います。
- 司法警察員として労働基準関係法令違反について捜査を行います。
- 許可・認可事案について調査を行います。
- 労働者からの相談申告に応じます。
- 許認可関係や就業規則、36協定の受付・指導を行います。
- 企業などを集めて法制度について説明(集団指導)を行います。
労働基準監督官の業務スキル
- 各種労働関連法規の理解
- 労働関係法令違反事件の捜査
- 監督指導計画の作成
- 各種情報・相談・申告の精査分析
- 労働災害の調査
- 許認可の調査
- 関連情報の収集
労働基準監督官の専門知識
- 労働基準法
- 労働安全衛生法・規則
- 労働契約法
- 労働民法
- 労働者派遣法
- 男女雇用機会均等法
- 育児・介護休業法
- パートタイム労働法
- 雇用保険法
- 労災保険法
- 毒物及び劇物取締法
- 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)
- 消防法
- 高圧ガス保安法
- 労働組合法
- 労働関係調整法
- 労働事情(就業構造、労働需給、労働時間・賃金、労使関係、労働安全衛生)
- 憲法
- 行政法
- 民法
- 刑法
- 経済学
- 労働経済
- 社会保障
- 社会学
- 工学に関する基礎(数学、物理、化学)
- 工学事情
- 工学に関する専門基礎(機械系、電気系、土木系、建築系、衛生・環境系、応用化学系、応用数学系、応用物理系など)
労働基準監督官の実務能力
- 指導力
- 情況把握力
- 課題発見力
- ストレス耐性
- コミュニケーション力
- 洞察力、察知力
労働基準監督官の基礎能力TOP3
- ストレスコントロール力:ストレスの発生源に対応する力
- 課題発見力:現状を分析し目的や課題を明らかにする力
- 規律性:社会のルールや人との約束を守る力
労働基準監督官の働く場所
- 労働基準監督署
- 都道府県労働局
- 厚生労働省(労働基準局など)
労働基準監督官の作業方法とツール
- パソコン
- メール
- Microsoft Office
- 手帳やスケジュール管理ソフト
- デジタルカメラ
- ノート、データ保管ツール
- 筆記用具
労働基準監督官の活動内容
- 監督指導計画の策定
- 各種情報・相談・申告の精査分析
- 臨検監督(定期監督・災害時監督・申告監督など)
- 労働関係法令違反事件の捜査
- 労働災害の調査
- 各種許認可の調査
- 情報収集・相談・申告の受付
- 地方監察の指導事項に対する改善
- 翌年度の監督指導計画に向けた改善案の立案
労働基準監督官の人間性
- コミュニケーションが得意な人
- 強い意志で理想を実現する人
- 自らやるべきことを理解し計画的に取り組む人
- 正義感が強く行動力がある人
- 努力を惜しまず最後まで確実にやり遂げる人
労働基準監督官の必要とされる教育レベル
- 学士
労働基準監督官のキャリアステップ
- 社会保険労務士
労働基準監督官の関連する職業
労働基準監督官の給与
初任給:21万円
平均年収:673万円
参考:
初任給:21.88万円
平均:41.09万円
平均年収:673.48万円(賞与:180.4万円)
※賞与(期末手当、勤勉手当)は、4.39か月分
※「平成30年国家公務員給与等実態調査の結果」に基づく。
(行政職俸給表(一))
※厚生労働省の賃金構造基本統計調査を参考に、独自に算出しています。
労働基準監督官の推奨資格
- 社会保険労務士
- 普通自動車免許
労働基準監督官の付帯条件・制限
採用年4月1日現在21歳以上、29歳未満
※21歳未満であっても大学卒業者(見込みを含む)は受験資格あり。
裸眼視力が両目とも0.6以上であること(矯正視力で1.0以上ならO.K.)
聴力に異常がないこと
四肢の運動機能に異常がないこと
日本国籍を有する者
国家公務員法第38条の規定に該当しないこと
労働基準監督官の就業者数推定
3,241人
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