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いづつえり

いづつえり

熊本県天草市の地元食材にこだわったベーグル店・ふぁくとりーNolley店主とライターの複業を実践中。横浜出身、元国家公務員。夫が柑橘栽培をすることになったため、2016年に家族で天草に移住。食と農業への関心が強い。都会から地方へ移住したいと考えている人に向けて、地方暮らしのリアルを情報発信中。

2019年10月4日

ブラックじゃなくても高額年収!20代・新卒で年収1000万を狙える企業が増加中

200〜250万円程度だといわれる新卒の平均年収。多くのビジネスパーソンが目標としている年収1000万円を超える人は全年齢で5%程度しかおらず、20代に限るとわずか0.2%程度しかいません。

ところが、近年、20代で年収1000万円を超えるケースが現れています。なにが起きているのでしょうか。

20代で年収1000万円が0.2%の日本は世界に遅れをとっている

「日本の給与は高い」は昔話になっている

「平成29年分民間給与実態統計調査結果」によると、日本人の平均年収は430万円程度。

20代前半の年収は業種によって大きな違いはないものの、20代後半になると徐々に違いが出始めます。

平均年収を大きく超える年収1000万円。若くしてその金額を得られる可能性のある職種には、総合商社やコンサルティング、一部の外資系企業、または証券・保険・不動産などの営業職などがあります。

一方、日本のお家芸として知られる製造業は高額報酬リストには入っていません。

近年、海外企業と比べて日本企業の給与の低さが目立つようになっています。

2017年、中国の通信機器大手、ファーウェイ・ジャパンは大卒初任給で40万円という求人情報を出しました。

中国企業だけでなく、マレーシアやタイでは毎年5%程度、インドネシアやインドでは10%程度ずつ給与が上がっています。

「アジアの中で日本の給与が高い」というのはすでに昔の話となっているのです。残念なことにここ10年の間で日系企業の給与の低さは「有名」になってしまいました。

優秀な20代を獲得したい日本企業 年収1000万円を提示するケースが増加

IT人材の獲得競争は世界に広がっている

企業にとって、日本国内だけでなく海外の優秀な人材を獲得する必要性が高まっています。

そんな中、日系企業でも新卒に平均年収以上の金額を提示する企業も見られるようになってきました。ここでは最近話題になった企業の事例を紹介します。

メルカリ

フリーマーケットアプリ運営の「メルカリ」は一律初任給を廃止しました。内定者向けに入社前から昇給させる制度を導入し、内定期間中でも入社前にスキルや経験を身につければ、提示した報酬が上がる可能性があるということです。

入社後の給与は、一人ひとりに向き合って評価を行い、会社に対する貢献度を5段階で評価し、その結果を報酬に反映します。

ソニー

ソニーは今年6月から、AIなどの分野で高い能力がある新入社員に最大で730万円の給与を支給する制度を始めました。

同社は日本企業の中では成果報酬について前向きな企業。これまでも役割に応じた等級制度を採用してきました。今回の制度改正で新入社員の横並びを脱して、社内での競争意識が高まると期待されています。

NEC

NECは、今年10月から研究職を対象に新卒年収が1000万円を超える可能性がある給与制度を発表しました。大学時代の論文が高い評価を得た新卒者を対象にしています。

DeNA

2017年に能力に応じて600〜1000万円の年収を支給する「AIスペシャリストコース」を設けました。技術専門性を発揮しつつ事業やサービスに貢献できたかを重視し、20代で執行役員や小会社の社長になることも可能。

長い間終身雇用と年功序列の人事制度を採用してきた日本では、仕事の貢献度が低い人も含めて役職に応じた給与が支払われるのが一般的でした。

日本では給与に見合わない働きぶりの中年社員が問題視されている

ところが、いまや人材獲得競争は国内にとどまりません。世界ではGoogleやFacebookなどのIT企業が厚遇で世界中から人材を集めています。

危機感を強めた日本企業の間で、若手をターゲットに従来型の賃金制度を見直す動きが広がりつつあるのです。

IT業界なら日本国内の企業でも、20代で年収1000万円を狙うのは可能でしょう。ただし、日本ではまだまだそうした対策を行う企業は一部。

GAFAや中国企業の年収の中央値が2000万円超であることをふまえるとまだまだ大きな開きがあるのが現実です。

また、従来の仕組みの中で一部の社員のみを特別扱いすると、既存社員のモチベーションダウンや妬みを招いてしまいます

それを防ぐため各社は、契約社員での雇用や小会社を作ることで「別格」として扱うなどの工夫をしています。

年収1000万も可能? 優秀な20代がスタートアップを選ぶ理由

仕事のやりがいやおもしろさを重視する優秀な学生が増えている

他方、学生の就職先にも変化が生まれています。これまで、優秀な学生は金融や外資系コンサルティング会社を希望するのが一般的でしたが、スタートアップ企業に就職する流れができつつあるのです。

スタートアップ企業のどこに魅力を感じるのでしょうか。日経新聞の記事から抜粋しました。

・スパコンを気軽に使える
・経営者との距離が近い
・配属先の希望が通りやすい
・任される仕事の範囲が広い
・能力主義がうれしい
・非合理な風習に縛られたくない

この記事からは、優秀な学生は実力主義の風土を好む傾向があることがうかがえます。

彼らは高給を得られる可能性に惹かれているようです。かつて大手企業にかなわなかったスタートアップの給与水準や待遇が、資金調達がしやすくなったことなどを背景に格差が埋まりつつあることも要因のひとつでしょう。

東京大学新聞の集計によると、同大学院情報理工学系研究科の2008年度の修了生の就職先は、ソニーや日立製作所などの大手の名前が並んでいました。ところが、年を追うごとにその状況は変化。

10年後の2018年にはスタートアップ企業が卒業生の1割弱を占めるまでになりました。

スタートアップで年収1000万を狙う20代はSNSを活用している

 

就活情報の収集にも変化が起きている

また、就活の情報収集の仕方にも変化が見られるようになっています。日経新聞の記事にはSNSの「リンクトイン」がきっかけで、スタートアップ企業を選んだ人が登場しています。

日本ではなじみのないサービスだと思いますので、少し解説しましょう。

リンクトインは、ビジネス特化型のSNS

若手ビジネスパーソンや経営者、ITや金融業界に属している人が多く利用しており、友人や知人と私生活を共有する一般的なSNSとは異なります。

リンクトインの「つながり」から、転職を決める人も増えているのです。

SNSを活用した就職活動は、会ったことのない人よりも、先輩や同僚などの影響を受けやすいことを示すものだといえるでしょう。

とくに、名の通った大手企業ではなく、スタートアップ企業を選ぶ人は、すでにそこで働く知人がきっかけになる傾向があるようです。

これまでもOBやOG訪問など、つながりを活用した就職活動はありましたが、SNSの登場によりつながる人の範囲が広がりました。

新卒者を厚遇で迎える企業や、スタートアップ企業を就職先に選ぶ学生が増えているなど、新卒者を取り巻く就活環境は大きく変わりつつあります。

20代で年収1000万が可能な業種・業界はブラックか

待遇だけでなくフェアな評価とはなにかを考えるときが来ている

これまで、年収の高い業種や企業には実力主義のところが多く、裏があるという見方がされてきました。簡単に解雇できる外資系のような企業は「厳しく」、雇用を維持する日本企業は「優しい」というものです。

しかし、ひとつの会社で一生働き続ける「就社」から、転職しながらスキルアップする「就職」へと考え方が変わっていく中で、従来型の日本企業の雇用形態が本当に優しいかどうか考え直すべきときが来ているのかもしれません。

なぜなら、従来型の日本企業で働き続けた場合、自分の限界が分かるのが遅いという特徴があるからです。

私たちは子どもの頃から「頑張れば報われる」という教育を受けて育ってきました。就職しても、そのように信じて頑張り続けるでしょう。

仕事を通じて人生100年時代を生き抜くスキルを身につけられる可能性が高いのはどちらか

実際には、努力とは裏腹に現実のポストの数は限られているものです。

すでに他業種や他企業への転職が難しい年齢になり、選択肢が少なくなってからそのことが分かっても、後の祭りではないでしょうか。

確かに雇用は守られている。ところが、やりがいを感じられなくなった職場に居続ける以外の選択肢がない状況は、優しさとは正反対といえます。

一方、外資系のように実力主義が強い企業では、仕事に対して高い水準が求められるでしょう。

成果が出ていないとクビになる環境は、安定した雇用を第一に考える人にとって無慈悲に見えるかもしれません。

しかし、それは見方を変えると早い時期に再スタートを切れるということでもあります

自分の向き不向きを客観的に評価してくれる実力主義の評価制度はフェア。

キャリア形成の面では評価基準があいまいな日本企業に勤めるよりも、はるかに役立つのではないでしょうか。やり直しのきく段階で自由にしてくれる組織の方が、優しいと考えることもできるのです。

【まとめ】なぜ20代で年収1000万が可能なのか

・人材獲得競争のグローバル化により、高額報酬を提示する企業が増えている
・優秀な20代IT人材の志向に変化が見られるようになっている
・資金調達がしやすくなり、大手企業とスタートアップの待遇格差が縮まっている
・高額報酬を提示できる実力主義の業種や企業の方が、人生100年時代を生き抜く上ではプラスになることも

人材獲得競争のグローバル化にともなって起こりつつある待遇の変化は、単なる待遇の変化にとどまらず従来の日本型企業の社風のあり方に一石を投じるものと期待されています。

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いづつえり

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熊本県天草市の地元食材にこだわったベーグル店・ふぁくとりーNolley店主とライターの複業を実践中。横浜出身、元国家公務員。夫が柑橘栽培をすることになったため、2016年に家族で天草に移住。食と農業への関心が強い。都会から地方へ移住したいと考えている人に向けて、地方暮らしのリアルを情報発信中。

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