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トイアンナ

トイアンナ

慶應義塾大学卒。P&Gジャパン、LVMHグループでマーケティングを担当。独立後は主にキャリアや恋愛について執筆しつつマーケターとしても活動。新著『モテたいわけではないのだが ガツガツしない男子のための恋愛入門』が2万部を突破。 ブログ:「トイアンナのぐだぐだ」 http://toianna.hatenablog.com/ Twitter: https://twitter.com/10anj10

2019年10月16日

海外で働けば変われるはずと信じ…アフリカに飛び1週間で帰国するまで(前編)【キャリアの傷痕】第2回

トイアンナさんによる連載「キャリアの傷痕」第2回。この連載では「キャリアに傷がない人間なんていない。でもそこから得る“ジョイ”があるはず」という観点で分析・取材を進めていきます。

第2回・第3回は、会社を辞めて海外に旅立った高梨翔さんに聞いたお話を前編・後編に分けてご紹介します。なぜ高梨さんは突然アフリカに……?

真面目なイケメン。私が高梨さんという男性にお会いして受けた、最初の印象だ。しかし彼は、ぶっ飛んでいた。精神がではなく、実際にアフリカへ飛んだ。そして、1週間で挫折して帰ってきた。

高梨翔さんは早稲田大学を卒業後、不動産会社へ就職。経歴だけを見れば「ぶっ飛んだどころか、堅実じゃないか」と言いたくなる。

事実、出会って数時間お話を伺う間、高梨さんは真面目そのものだった。

高梨さんの話しぶりは落ち着きがあり「何でも相談できそう」と思える。事実、彼を信頼する友人も多い。

だから彼の口から「俺、仕事辞めてアフリカに行こうと思ってて」と言われたときは、心底びっくりした。

突然堅実そうな仕事を辞め、アフリカに飛んだという高梨翔さん

突然堅実そうな仕事を辞め、アフリカに飛んだという高梨翔さん

そしてFacebookに表示されたのが、この写真である。いやいや、写真はもはや南国リゾート。いったい高梨さんはキャリアをどうしたのか。

この物語は、彼がアフリカに飛んで就労、挫折して帰国してから復帰するまでを1年追いかけた「キャリアの傷痕」である。

英語コンプレックスから、海外生活に憧れて

働きだしてからも英語と留学へのコンプレックスがあった

働きだしてからも英語と留学へのコンプレックスがあった

――そもそもなぜ、アフリカへ飛ぼうと思ったんですか?

高梨翔さん(以下、高梨):学生のころから、留学コンプレックスがあって。周りが海外留学をしている中、自分は海外生活をせず就職をするのに劣等感を抱いていました。それで、就職してから「1年間は海外に行こう」と心に決めていたんですね。

僕は結婚もしていたので、人生のスケジュールを考えると28歳のタイミングで行かないと、1年間は行けないぞと考えました。当初はオーストラリアかカナダを行き先に検討していました。

向こうで語学学校に通って、その後ワーキングホリデーで就労したいなと。

それが、出発の3カ月前ごろでしょうか。自分のメンター的な人と「ワーホリに行こうと思ってるんですよね」って話をしまして。そうしたら「お前、本当につまんねえやつだな」と言われてしまって。

「ワーホリとかお前、選択が普通すぎるだろう。もうちょっと挑戦してこいよ。もっとカオスなところに行ってこい」と喝を入れられて。

それで、途上国のスタートアップに関心を持ちました。

とはいえ、英語コンプレックスだったので、勉強のためにも英語で仕事ができる場所がよかったんです。”英語で仕事ができて、カオスなところ”で絞り込んだ結果、東南アジア・インド・中東・アフリカの英語圏に絞り込んで。

僕は東南アジアやインドには渡航経験があって、どちらも知っていたんですね。そこで挑戦するならば、アフリカだろうと。そのころ、ちょうどケニアのナイロビでスタートアップが人材を募集していたので挑戦したいと思いまして。

――当初の予定から大幅に変更が生じたわけですね。でも、決断の過程は確かに、という印象です。

家族の応援もあり、語学学校へ

まずは語学留学をして英語コンプレックスを克服しようとした

まずは語学留学をして英語コンプレックスを克服しようとした

しかし、いきなりのアフリカ留学を家族はどう受け止めていたのだろうか。

高梨:嫁は僕がもともと海外に行きたいことを知っていたので、応援してくれていました。

ただ、ずっとオーストラリアやカナダの話をしていたのに、とある日から「俺、ケニアにする」と言ったので、その時はめっちゃ怒ってましたね(笑)。わけわかんない、って。遠いし、治安も良くないし……と、心配していました。

ただ、僕は行くって言ったら聞かないタイプなので……。最後は応援してくれました。

――ケニアへ飛ぶ前に、留学もされていましたよね。

高梨:はい。途上国にインターンを派遣するエージェントがあって、そこを通じてケニアの企業と連絡をとりまして。そこで先方から「英語は日常会話以上話せないと……」と言われて。そこで先にフィリピンに語学留学をしました。

中でもネイティブとマンツーマンでできる学校を選んだので、経験としては良かったです。来ていたメンバーは日本、台湾、中国、韓国とアジアの先進国から来た人たちが多かったのでそこは”カオスな環境”ではなかったですね。まあこれは最初からわかってましたが(笑)。

――そこで満足して終わり、というわけにはいかなかった。

高梨:そうですね、もう周りにケニアに行くって触れ回ってましたし。実は、英語コンプレックスはフィリピンでも満たされていく感じはありました。でも、たった2カ月でしたから英語はほんの少し話せる程度。

Netflixのドラマを観ながら「あんな風に話せたらいいな」と思う程度でしたから、まだまだ。

バリバリ海外で働く自分の憧れを叶えたい思いは変わらなかった

バリバリ海外で働く自分の憧れを叶えたい思いは変わらなかった

やっぱり、根底で憧れていたのはアメリカのドラマに出てくるような、オフィスで英語を使ってバリバリカッコよく働く姿でした。

それを実現するなら、まずは海外で英語での就業経験だ、ケニアに行こうと。ですので、フィリピン留学だけで自分の思いが消えることはありませんでした。

留学が終わると一度帰国し、ケニアへ渡航するビザを申請してからまたフライト。久しぶりの日本を見てちょっと後ろ髪引かれる思いもありましたが、いよいよか……とワクワクする気持ちの方が大きかったんです。

でも、空港に到着してすぐ「何か違うな」って小さな違和感がありました。

……後編に続く

編集後記

今のところケニアに行く気持ちが高まっていい感じに見える高梨さんですが、「小さな違和感」が気になりますね……。

何が帰国のきっかけになっていくんでしょうか?

そして高梨さんは今、どう「キャリアの傷痕」を糧に生きているのか。

次回、後編でご紹介します。

お楽しみに!

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