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ぱぴこ

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外資系ときどき激務OL。オシャレとズボラの狭間に生息し、ストレスを課金で潰すことに余念がない。趣味はNetflix、お酒、豚を塩漬けにすること。目標はゆとりのある生活(物理)Twitter:@inucococo/ Blog:エモの名は。

2019年10月28日

「とりあえず」で転職するには厳しい、コンサルティング業界 【キャリアの悪知恵】

世は大コンサル時代。

新卒採用は数名、トップ校以外はお呼びでない、そもそも就職先企業としてはそこまで馴染みがなかった「外資コンサルティング会社」ですが、すっかり認知度も上がって人気職種となりました。

東大・京大などのトップ大学での新卒就職人気の上位はコンサルティング会社一色です。

ひと昔前のメガバン全入時代を思い起こさせるほどの波が来ています。

このビックウェーブは新卒採用だけではなく、中途採用市場も同様です。戦略系・総合系を含めて、「外資コンサルへの転職」は活発に動いています。転職市場自体が好調なことはもちろんですが、案件増加などコンサルティングファーム側の事業規模成長によるリソース確保が急務なことが要因です。

特にAIやビックデータなどのITを中心とした案件が戦略・総合共に増えたことによりITバックグラウンド人材の確保や、インダストリー案件への注力による事業会社出身者の採用がにぎやかです。

採用祭りに見えるのに「人がいない」という摩訶不思議

希望者は多くても、コンサル業界が求める人材かどうかは……

しかし、人をとってもとっても中の人が「人がいない」と言い続けています。なぜなのか。月の中途入社者が100人規模という月もあるというのに? コンサル会社はブラックホールなの? 怖い……。

入社すると即ブラックホールに吸い込まれるなんてことはなく、答えは簡単。プロパーコンサルタントが求めるマインド及びスキルセットと、中途者のそれの乖離がえげつないからです。

今までも入社後ギャップは発生していたでしょうが、中途採用の採用バーを下げたことによって明確に可視化されてきた、というのが現実だと思います。

スキルは後からつけることができますが、マインド部分は変えることが困難です。これがボトルネックとなり、スキルのキャッチアップも鈍化してしまう事例はよく聞きます。つまり、「人がいない」という言葉は中の人的には「『彼らから見てワークする』人がいない」という意味なのです。

2019年現在の「とりあえずコンサル」という候補者の増加

IT人材の確保が求められ、コンサルの採用バーは落ちてはいる

この悲しきギャップが生まれる背景には、最初に触れたようなコンサル門戸解放宣言があるでしょう。

認知度の上昇は広く人材を集められるというメリットと、名前や認知度に釣られた「なんとなく」の候補者が増えるというデメリットがあります。コンサルティング業界はまさにこの過渡期にあります。

コンサルタント未経験者の採用時はタイトルを落とすなどの措置はとられているようですが、近年のRPAブームによるIT人材確保競争によって、採用バーは明確に落ちています。拡大路線の企業が質を担保しながら大量採用を実施するのはほぼ不可能なため「量と質のバランス」という問題に直面していると言えます。

転職で100~300万円UPが叶う給与レンジの高さで誘われる「ゆるふわ層」

コンサルの給与が高いのは魅力だが、求められるスキルも高い

転職候補者側に「とりあえずコンサル」という選択肢が上がる大きな理由は、現職から大幅UPする給与があります。

先日、コンサルティング業界担当外のエージェントと話した際に「コンサルティング会社は給与が良すぎて、候補者が取られることが多い。近年のホワイト化もあって、より候補者が流れやすくて太刀打ちできない」と嘆いていました。

dodaの『転職理由ランキング2019』では転職理由の2位に「給与に不満がある」がランクインしていますし、働く上で給与は重要です。

コンサルティング業界は転職先ファームや年齢、前職年収などで上下はあるものの、給与相場が600万円以上とベース設定が高い点が特徴です。30歳前後でも400万円台の大手企業も少なくない中で、コンサルティング業務が未経験でも、キャリアUPと年収UPが叶うことを考えれば非常に魅力的です。

ですが、「プロフェッショナル」であることを期待されるコンサルティング業界で求められるスキルや覚悟をよく理解せずに、給与アップに釣られていくと、待っているのはいばら道です。

時代が変わろうと「プロフェッショナル」に求められるものは変わらない

企業の課題解決がバリューのコンサルは「プロの傭兵」ぞろい

コンサルティング業界におけるUp or Out の文化は薄れたとはいえ、「自分の能力を活かし、脳みそフル回転でアウトプットを出し、最前線でバリバリ働いて成長したい」という欲求を抱える人が、狭き門をこじ開けて入り、プロフェッショナルとして働いている場所です。プロパー人材は「コンサルタント」として訓練を詰んだプロの傭兵みたいなものです。

クライアントの課題を解決し、実行支援することがバリューである以上、顧客から求められる期待はコンサルティング会社内部のホワイト化とは無関係です。

常に成長し、よりよいアウトプットを出し続けるために思考し、顧客の期待を超えていき続けるプレッシャーは相当なものです。そして最も困難な部分は「自分の頭で考え続ける」点です。

上司や顧客にやれと言われたことに従う、言われたことをやるという作業者は求められていません。ワンスライド、ワンメッセージの意味を考え続ける姿はもはや探求者。かつその結果でバリューを出さなければ評価されず、案件へのアサインも得られません。これらの経験が詰めなければ、会社に身を置くこともつらくなります。

「コンサルキャリアを引っ提げて転職だ!」と思っても、実績なしで在籍経験だけでキャリアが開けるかといえば可能性は限りなくゼロに近いでしょう。

「なぜそうするか」をひたすら問われる業界であることは覚悟すべし

コンサルの道を選ぶなら、生き残るためのプランを考えよう

採用バーが下がり「転職で高収入」が得られたからといって、それはゴールではありません。入社後に満足のいく働き方をできるか?が重要です。

現在の景気もずっと続くわけではありません。景気がへこめば、支援先の顧客からまっ先に切られるのは「コスト」であるコンサルタントです。大量に余剰コンサルタントが吐き出されれば、転職における「コンサルタント」の価値も下がります。

その時に自分が生き残れるのか? 生き残れるようになるためにはどんな成長曲線を描かなくてはならないのか? は考えるべき課題です。これらのリスクも混みでキャリア構築を考えられるかは、コンサルティング会社に転職する上での最低限の資質とも言えます。

私はコンサルキャリアを選ぶことを否定するわけではありません。しかし「とりあえず」で行くような業界ではないと強く思っています。現在のコンサルブームともいえる流れの中で、目先の収入アップではない、目的を持ったキャリア構築をしてください。今回は以上です。

転職に関する悩みはキャリアのプロへ相談!

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外資系ときどき激務OL。オシャレとズボラの狭間に生息し、ストレスを課金で潰すことに余念がない。趣味はNetflix、お酒、豚を塩漬けにすること。目標はゆとりのある生活(物理)Twitter:@inucococo/ Blog:エモの名は。

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