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秋田

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「戦略コンサルティングファーム勤務。中期経営計画策定、組織改編業務などに様々な案件に従事。就活生時代に戦略コンサル、投資銀行(IBD)等に内定した経験から、息抜きに就活生からの質問も受ける。アイコンは知らない人(フリー素材)。Twitter:@akita_consul

2020年2月26日

コンサルタントとは何か。大学1年の自分がコンサルについて知っておくべきだった事【コンサルキャリアの回想】第1回

連載コラム「コンサルキャリアの回想」

秋田さんによる連載「コンサルキャリアの回想」。当連載では秋田さんのこれまでのキャリアを参考に、タイミング毎にコンサルタントについて知るべき/考えるべきだった事をご紹介します。コンサル業界を目指す方はもちろん、そうでない方々もコンサル業界を知るきっかけにして頂ければと思います。

第1回は「卒業なんてまだまだ先、就職活動についてのぼんやり考え始めた大学1年生当時の秋田」が知るべきだった、「大学1年がコンサルタントについて知っておくべき事」をご紹介します。

前文

悩みから始まった運命の職との出会い

「そろそろサークル活動にも飽きてきたな…将来の就職先も考え始めて行動しないと…」
大学1年の春休み。私は、某大学に進学し、平凡なサークル活動に精を出して1年が経とうとしていた。

知り合いの先輩達は春休み開始を境に目の色を変えて就職先を探し始め、「A社の内定を得た」だの「B商事の最終面接が決まった」だのと会うたびに大学1年生の自分には全く自慢にもなっていない自慢をしていた。

しかし、そんな彼らの自慢話を聞いている内に、ムクムクと自分の中で漠然と「このままでいいのだろうか?」という不安が大きくなっていった。

そんな春だった。

「xx大学 就職先」

自分は可もなく不可も無く大学時代を全うすればどこの企業に入りうるのか。
そんな疑問を胸に、いつの間にかインターネットで自分の先輩たちの就職先を眺めていた。会社名と就職者数が羅列されているリストの中に、自分のその後のキャリアを形作る会社の名前は記されていた

「xxxコンサルティング:x名」

先人のお陰で、当時は既に「コンサルティング業界」を目指す先輩も多かった。
しかし、大学1年の自分にとってコンサルタントの仕事は「詐欺のニオイがする怪しい商売」以外の何物でもなかった。

これが私がコンサルティング業界との「馴れ初め」である。

漠然と、「将来どうしたらいいか」と悩み始めている大学1年生、もしくは院進が決まった大学生は多いのではなかろうか。

そんな方に、同じ事を悩んでいた当時の自分を想定して、簡単にコンサルタントという職業、その面白味についてご紹介したいと思う。

コンサルタントとは「企業の医者」

患者である企業の業績を良くることが役割となる

コンサルタントとは「企業の医者」だ。
簡単に言い過ぎかもしれないが、本当にそうなのである。

この世のコンサルタントの源流を辿れば、不採算工場の再建を果たした1人のエンジニア、フレデリック・テイラーに行き着く。

彼は1874年に工場のエンジニア見習いとして入社し、工場長まで出世した。そして工場業務改善を行い、業績不振に陥っていた工場の再生を成功させた。その実績を元に、幾つかの工場再建を手がけ、その名とその再建手法である「科学的管理法」の名を世に轟かせていった。

ある案件を成功させ、その成功体験やそこで得た知見を水平展開し、世の企業に貢献する。現代のコンサルタントの営業方法の一種にこのような手法があるが、100年以上変わっていないというのも驚きだ。

ともあれ、彼は企業という患者の具合(業績)を良くする医者であった。
まさにコンサルタントとはそういった仕事を担う人間達を指すのである。

コンサルタントの見分け方。戦略コンサルとは何か?

企業の経営や事業戦略にまで関わるタフな仕事

「そうは言っても世の中には色々なコンサルタントがいるじゃないか」
そう思う人も多いかもしれない。

仰る通り、世の中には多くの「コンサルタント」が存在する。
個々のコンサルタントの仕事内容について解説するのは面倒なため、その見分け方をご紹介したい。

大まかに下記の点で考えれば、世にあるコンサルタントがどのように分類されるのか理解しやすいのではないだろうか。

(1)クライアントは法人なのか個人なのか
(2)何に知見を持ち、貢献できるコンサルタントなのか

分かりやすい例でいえば、証券業界のリテール営業職が「コンサルタント」という肩書を持つことがある。

これを上記の点に当てはめて考えてみると、

(1)クライアントは主に個人(個人投資家・中小企業経営者等)
(2)市況及び金融商品に関する知見、金融商品取引への貢献

ということになる。これは証券会社だけではなく、様々な業界・企業にも当てはまる。そして私の中の「コンサルタント」像はこの分類には該当しない。

私が普段「コンサルタント」と呼んでいる職業は、基本的には以下の点を満たす職業の事である。

(1)クライアントは法人
(2)企業経営・事業戦略上の課題解決に関する知見・貢献

企業名で言えば、下記のような企業が該当する。

マッキンゼー・アンド・カンパニー (マッキンゼー)
ボストン コンサルティング グループ (BCG)
ベイン・アンド・カンパニー (ベイン)

彼らの殆どはアメリカで生まれた企業であり、半世紀ほど前より日本に上陸し、科学的なアプローチによって国内企業の経営・事業戦略についてアドバイスを行ってきた。

生意気で知的な若者達が国内企業の現状を分析し、戦略を描く助けをしてきた、というのが国内の戦略コンサルティング業界の私の理解だ。

聞こえは「カッコ良い」かもしれないが、裏ではアウトプットのクオリティへの拘りや膨大な作業量による長時間にわたる過剰労働等、非常にタフな業界である。

「深夜3時までに作業したら4時に上司からレビューが来て、結局完徹してしまったよ」
そんな笑い話も度々聞くような職場だ。(今は働き方改革の影響で殆どそんな悲劇は起こらない)

“鼻を明かす”のがコンサルタントの仕事の面白味

モチベーションはクライアントとの仕事にある

ではそんな大変な思いをして、コンサルタント達は何に面白味を感じ、何を成し遂げたいのか?
学生からも「この仕事は面白いのか?」という質問を度々受ける。

答えは、「疑いようも無くyes」だ。

職位によって面白味を感じる点は変わりやすいが、現状私が最もやりがいを感じているのは”鼻を明かす”ような感覚だ。底意地が悪いようだが、本当のことだ。

「徹夜で受領した企業データを分析し、何か面白い事は無いかと考える。経営者が考えもしなかったような「いい事」を言う。それを聞いた経営者は自分達が今まで何故考えられなかったかを恥じ、コンサルタントの話に感心する…」

そんな経験を一度でも体験してしまうと、この仕事の面白さにやみつきになってしまう。
「良い答えをして、先生をアッと言わせた学生」を見たことはあるだろうか。

まさにアレをやろうというのが、この仕事の面白さであり、モチベーションの源泉である。間違ってもお金ではない。(給料は業界的には悪くはないが、時間換算すると平凡以下にもなり得るためお金を重要視している人間は金融等の別業界を見た方が良い。)

「キャリア上の腰掛」ではなくコンサルティングを楽しめる人間こそ入るべき

仕事の中身を理解し楽しめるかを考える

何故か最近コンサルティング業界は新卒学生達から非常に人気のある業界の一つとして捉えられているようだが、もし「成長のため」にコンサルティング業界を目指すのであれば止めた方が良い。

「汎用的なスキルが身につき、成長出来る」「ブランドが得られる」等の理由を耳にするが、「コンサルティング自体をやってみたい」という話は殆ど耳にしない。

そういった学生は仕事内容を無視して、入社する会社を決めようとしているということに等しいのだ。

もし貴方がコンサルティング業界を考えつつもそうした点が志望理由になっているのであれば黄色信号であろう。もう一度自分が職業に何を求めるのかを紙に書き出して考え直してみてほしい。世の中にはまだまだ素晴らしい仕事が山ほどある。

まとめ(編集後記)

「コンサルタント」は企業の医者であり、キャリアの腰掛になるようなものではない。
昨今のコンサル人気の過熱に、秋田さんのような現役社員達が思う所もあるのかもしれません。

次回は就活生・転職志望者向けに「コンサルティングファームに入るべきか?」「他業界とコンサルティング業界、どちらを選ぶべきか?」等の点で秋田さんのコンサルタントのキャリアを回想します。
お楽しみに!

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