この記事を書いたライター

トイアンナ

トイアンナ

慶應義塾大学卒。P&Gジャパン、LVMHグループでマーケティングを担当。独立後は主にキャリアや恋愛について執筆しつつマーケターとしても活動。新著『モテたいわけではないのだが ガツガツしない男子のための恋愛入門』が2万部を突破。 ブログ:「トイアンナのぐだぐだ」 http://toianna.hatenablog.com/ Twitter: https://twitter.com/10anj10

2020年3月11日

空気を読むの諦めます。協調性に苦しむキャリアからの脱却・後編【キャリアの傷痕】第14回

トイアンナさんによる連載「キャリアの傷痕」第14回。この連載では「キャリアに傷がない人間なんていない。でもそこから得る“ジョイ”があるはず」という観点で分析・取材を進めていきます。

後編となる第14回は、空気が読めなさ過ぎて職場で浮いてしまい、1度は社会人生活を諦めかけた吉田亜矢さん(仮名)が、天職を見つけるまでの変化を伺いました。

前編:空気が読めず会社で干され、病む寸前…当時を振り返る

軽い気持ちで始めた副業が自分を救った

さまざまなワークスタイルが、人を自由にする

職場で空気が読めず、浮いてしまっていた吉田 亜矢さん(仮名)。病む直前まで追い込まれたが、そこに思わぬ「救い」が訪れた

吉田亜矢さん(以下、吉田):友達が会社を立ち上げて、総務を助けてくれと言われたんです。友達は営業出身で、契約をどんどん取ってこれる人なんですけど、細かいところは苦手だったんです。

さっそく経理データをみたら「これが会社か!?」とツッコミを入れちゃうくらい。まず、デスクの上にレシートの山がどん、と真っ白な山を作ってて。友達は「忙しくて経理が回らないから、領収書は決算期に見ればいいや」くらいのノリだったんです。こりゃあ、なんとかしなきゃ! と、人助けくらいのつもりで参加しました。

ーー副業ですね。

吉田:副業……っていうと、ブームに乗った感がありますけど、当時はそんなにやる人もいなかったんですね。あまりのひどさに怒ったり爆笑したりしながら、問題の山をやっつけて。そしたらものすごく評価してもらえたんです。

レシートの山を片付けるくらい、誰でもできるでしょって思ってましたけど、彼の会社はそうではなかったので。電球の付け替えから取引先管理、経理に契約書のレビューまで全部見ていました。まあ、ベンチャーはどこもそんなもんですよね。

でも、最高に楽しかったんです。

「干される人」から「あなたしかいないの」に

職場で干されていた彼女がお願い、辞めないで! と頼まれる立場に

吉田:おかげで、会社はどんどん成長しました。それで総務の人材も補充されて。じゃあ、私は離脱しようかなと思っていたら「お願い、辞めないで!」とお願いされて。でも経理はプロがやったほうがいいから……ということで、転職しまして。いまは、オフィス全般を見る「総務の責任者」みたいになっています

ーー副業のつもりで始めたら、本業になっちゃった。

吉田:そうそう。まさかそんなことになるとは思わなくて、びっくりですよね。意外だったのは、元の会社からも慰留があったことです。少人数の会社だったから、抜けられるとそれはそれで困るんでしょうね。

上司からは「君はこれから成長できる」とか「外でやっていけるような人間じゃない」と言われましたけど……すでに外でやっていけてたので。思いとどまることはなかったですね。

環境を変えればなんとかなる…「ただし」

環境を変えて幸せになれる人「も」いる

吉田さんは、環境を変えて幸せになった。だが、それは吉田さんがラッキーだったからとも言える。もし吉田さんが副業でも本業と同じような「空気読み」を求める会社へ勤めたら、本業と同じ苦しみを味わい、病んでしまったことだろう

転職を含めた環境の変化は、多くの苦しみを救う。だが、えてして人は似たような職場に転職したがる。そうすると「A社でもB社でもうまくいかなかったから、私は仕事ができない人なんだ」という自己認識をしてしまうかもしれない。

吉田さんがこの不幸を避けられたのは、「友達経由」の採用という偶然があったからで、自分で転職サイトへ応募していたら、似た会社を選ぶリスクはままある。あたかも恋愛で失敗して「次こそは違うタイプと付き合う!」と宣言した方が、また同じタイプを選んでしまうように……私たちは自分に合わない場所でも、好きになってしまう

もし吉田さんと同じような悩みを抱えているならば、会社の不満と、次の会社に何を求めるかをはっきりと書き出すこと。そして、転職エージェントなどの第三者に、条件に該当する会社を探してもらうことだ。

直感や印象で会社を選ぶと、ひとは同じような雰囲気に惹かれ、失敗を繰り返しやすい。合わない会社がハッキリしている吉田さんのようなタイプが成功するには「二度とこの社風には勤めまい」という覚悟と、第三者のサポートが必要だと思っている。

※個人情報保護のため、一部情報を編集してお届けしています。

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トイアンナさんの連載コラム「キャリアの傷痕」

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慶應義塾大学卒。P&Gジャパン、LVMHグループでマーケティングを担当。独立後は主にキャリアや恋愛について執筆しつつマーケターとしても活動。新著『モテたいわけではないのだが ガツガツしない男子のための恋愛入門』が2万部を突破。 ブログ:「トイアンナのぐだぐだ」 http://toianna.hatenablog.com/ Twitter: https://twitter.com/10anj10

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