この記事を書いたライター

トイアンナ

トイアンナ

慶應義塾大学卒。P&Gジャパン、LVMHグループでマーケティングを担当。独立後は主にキャリアや恋愛について執筆しつつマーケターとしても活動。新著『モテたいわけではないのだが ガツガツしない男子のための恋愛入門』が2万部を突破。 ブログ:「トイアンナのぐだぐだ」 http://toianna.hatenablog.com/ Twitter: https://twitter.com/10anj10

2020年3月18日

いい男を捕まえるより、自分の年収を上げる方が楽すぎる理由【キャリアの傷痕】第15回

トイアンナさんによる連載「キャリアの傷痕」第15回。この連載では「キャリアに傷がない人間なんていない。でもそこから得る“ジョイ”があるはず」という観点で分析・取材を進めていきます。

第15回は、自分の年収よりいい男と結婚するからと、キャリアダウンを選ぶ女性への警鐘をトイアンナさんの失敗談から語ります。

仕事を辞めたい、結婚しよ…ってどうなの?

仕事を放り出したい、そんな日もありますね

「結婚したい」と女性が発言するとき、ストレートに「結婚したいんだな」……なんてとらえるのは甘い、甘い、甘ちゃんです。大概、その裏には疲れる人間関係、ダルすぎる業務、そして将来への漠然とした不安が紛れています。

ですから、女性が「結婚したい」(Not 彼氏ほしい)とつぶやくのを聞いたら、私は「仕事しんどいの?」と聞くことにしています。

大体、そこから2時間は愚痴大会。そんな場面に出くわしたら、真剣な顔で何でも聞いてください。やがて彼女は、何もかも発散してスッキリした顔つきでこう言います。「婚活は……また仕事が落ち着いてからでいいや!」と。

――そう、結婚は格好の現実逃避なんです。

結婚したい「逃避」のままキャリアダウンする女性たち

走って現実から逃げるうちは、地面も黄金色に見えるもの

数時間で終わる現実逃避なら笑い話ですが、実はこれを10年単位でやってのける女性もいます。

将来が不安だから、いい男と結婚しなきゃ。そのためにも、仕事は頑張らないようにしておこう。どうせ辞めるんだし

うーん、このままいくと正社員になっちゃう。それじゃ転勤ありになるんだよね。都会にいないと、彼と結婚もできなさそう。だから、正社員はやめておこう

こんなふうに、キャリアの分岐点を結婚ありきで決めていく方が意外と多いのです。そのタイミングでは彼氏すらいない人も珍しくありません。こういうタイプは非実在彼氏のために、前もったキャリアダウンを選んでいるわけです。

私も、人生でキャリアを何度か降りた経験があります。1度は、東大コンプレックスをこじらせ、大学院から東大へ行った彼と付き合ったとき。私は高校生でしたが、万が一でも私が東大に合格したら彼は私を捨てるだろうと、東大受験をやめました。このことは、もう学生時代って何年前よ!? となった今でも後悔しています。

もう1回目は、前夫の海外転勤に同行したとき。彼は海外在住経験がなかったため、サポートしたくてついていきました。しかし、フリーランスに転身して業務に追われ“駐妻”どころではなかった私では、彼を支えることができませんでした。

しかしそのタイミングで、私は正社員のキャリアを手放してしまったのです。これも4年前の話なのに、まだ胸が痛みます。「キャリアダウン」は、こうしてジクジクと古傷が残るのです。こうして振り返ると、私の「キャリアの傷」は、全部自分が選んだ道でした。

いい男と結婚するより自分の年収を「いいもの」に

誰かに頼るよりも、自分で資金を育てよう

年収が高い男性と結婚すれば、子育ての費用も自分のキャリアも見つめずに済みます。けれど、代償としてあなたは離婚する権利を失うでしょう。離婚すれば自分と子どもが路頭に迷うからです。

離婚した夫が、子どもの養育費を支払う率はわずか24.3%。親権を手放さない限り、離婚したら子育ても100%自分の肩に乗ってきます。キャリアダウンなんてしていたら、離婚は致命傷です。ですからDVを受けようが、モラル・ハラスメント(罵倒や嫌味、無視など、暴力以外での嫌がらせ)があろうが、あなたはじっと耐える妻になります。そこで育つ子は、幸せでしょうか?

さらに、結婚を続けられても家事・育児はあなたのワンオペになる確率が高くなります。稼げる男性は、たいてい激務だからです。毎日24時に帰宅する夫へ、育児を期待するほどあなたも鬼にはなれないはず。

離婚のリスクと、ワンオペ育児。これさえ耐えれば安泰かと思いきや、今度は好景気でも夫がリストラされる恐れがあります。企業の平均寿命は23.9年。40年以上続くキャリアを1社でまかなうことは、非現実的です。

ここまでの課題を見たら、ちょっとは思いませんか。「これ、私が年収アップを頑張る方が、楽だわ」と。夫に「もっと稼げ」とせっついても、一家の大黒柱になるほど元々働いている彼は激務で倒れてしまうかもしれません。それより、自分が結婚後も専門職で復帰できる可能性を考える。あるいは「もともと辞めないキャリアプラン」で、管理職の候補に手を上げてみませんか?

キャリアを降りるのは簡単ですが、上るには険しい道が待っています。後から私のように「こんなはずじゃ……」と思うくらいなら、あなたは違う道を、歩いてみませんか。

トイアンナさんの連載コラム

トイアンナさんの連載コラム「キャリアの傷痕」

連載コラム【キャリアの傷痕】記事一覧

この記事を書いたライター
トイアンナ

トイアンナ

慶應義塾大学卒。P&Gジャパン、LVMHグループでマーケティングを担当。独立後は主にキャリアや恋愛について執筆しつつマーケターとしても活動。新著『モテたいわけではないのだが ガツガツしない男子のための恋愛入門』が2万部を突破。 ブログ:「トイアンナのぐだぐだ」 http://toianna.hatenablog.com/ Twitter: https://twitter.com/10anj10

TOPへ戻る