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秋田

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「戦略コンサルティングファーム勤務。中期経営計画策定、組織改編業務などに様々な案件に従事。就活生時代に戦略コンサル、投資銀行(IBD)等に内定した経験から、息抜きに就活生からの質問も受ける。アイコンは知らない人(フリー素材)。Twitter:@akita_consul

2020年3月25日

「コンサルと投資銀行、どちらに進むべきか」コンサルの道を選んだ、ある若者の就職先の選択【コンサルキャリアの回想】第2回

秋田さんによる連載「コンサルキャリアの回想」。当連載では秋田さんのこれまでのキャリアを参考に、タイミング毎にコンサルタントについて知るべき/考えるべきだった事をご紹介します。コンサル業界を目指す方はもちろん、そうでない方々もコンサル業界を知るきっかけにして頂ければと思います。

第2回では「コンサルタントになるべきか、投資銀行家になるべきか」と思い悩んでいた就職目前の秋田さんが感じていた「就職先の選び方」についてご紹介します。

前文

就活では自らの選択が迫られる

戦略コンサルティングファームと投資銀行業界。

十数年以上にもわたり、就職先として東大や慶應卒を始めとした「意識高い系」が目指してやまない業界がある。

かつての自分も、「組織に依存せずにカネを稼げる、優秀なビジネスマンになりたい。それには経営やファイナンスの専門性をもつ戦略コンサルタントや投資銀行家がその近道なのではないか」と、浅い思考のまま志望していた就活生の一人だった。

そんな思慮浅く特段取柄も無い人間がオファーを貰えたのは運が良かったとしか言いようがなかった。

が、一つだけ問題があった。

どちらの業界へ進むべきか?

就業経験も無く、運良く共に志望していたプロファームに内定を貰えてしまった若者は、そこまで考えが足りていなかった。
一先ず、世間一般の「意識高い系」が目指す業界に進めば自分の人生は明るいとしか考えていなかったのだ。

今回は幸か不幸か、投資銀行業界とコンサルティングファームの内定を得てしまった元就活生の、苦渋の決断の経験談を元に、「仕事の選び方」について考えたい。

コンサルタントになるかバンカーになるか

何のプロフェッショナルとして生きるか?を軸に

業界外の人からは一見、似たようにな職業に見えるかもしれない。

そもそもゴールドマンとマッキンゼーのどちらがコンサルティングファームで、どちらが投資銀行なのか分かっていない人も非常に多い世の中だ。

業界外の人間からしてみれば、「外資系だからお給料も良さそうだけど、直ぐに首を切られてしまう怖い業界」程度の認知しか無かった時代でもあった。

正直なところ、自分も当時は両業界の大きな違いはあまり理解出来ていなかった。

どちらの業界も企業の経営層に運営上の重要な意思決定に関連する提言を行う、という点は同じである。

当時の自分も「コンサルタントは事業戦略関連のテーマに寄り添い、投資銀行家(IBD)は財務戦略関連のテーマに関してアドバイスを行う職業」程度にしかその違いを理解しておらず、「大して仕事内容が変わらないなら給料が段違いに良い投資銀行一択じゃないか」とさえ考えていた。(そして現に一度私は投資銀行に進もうと決心した事があり、その節は関係者に多大な迷惑をかけてしまった。)

今思えば、確かに広義には上記の通りの職業なのかもしれない。明確に「これはコンサルタントの仕事で、これはバンカーの仕事」という区分は存在しない。むしろプロフェッショナルとして、顧客に問われた事は何にでもさも当然かのように答えるそぶりを見せる職業なのは間違いが無い。

しかし、「何を軸に生きるプロでありたいか?」という点は大きく異なっていた。

当時の自分はそこまで明確に把握 出来てはいなかったが、今になっては分かる。
事業戦略は想像以上に奥が深く、自分がまだ殆ど見る事が出来ていない深淵のような財務戦略も、また然りであろうということだ。

互いにお互いの領域を「侵犯」する事はあるが、決してその深さ、精密さはその道の者に勝ることは無い。

己がどちらの道に進み、どちらの道のプロとして生きていきたいかは個人の意志次第ではあるが、間違っても互いが互いの領域を完全にカバー出来るという驕りは控えておいた方が身のためであろう。(でなければ自身の専門領域がいったいどこになるのかを見失い始めてしまい、「そこそこ他業界も齧っているイマイチなコンサルタント」という悲劇的な評判が生まれてしまいかねない)

出来ないことは上手く躱すのも、仕事の作法の一つだ。

「稼ぎ方」を知りたいから、コンサルタントの道へ

就いたからこそ気づいた仕事の価値も

結局、自分が選んだのはコンサルタントの道だった。

理由は非常にシンプルで、「『稼ぎ方』を考える仕事に就きたかった」からだ
詳細は省くが、当時の自分の中で「カネを稼ぐこと」と「事業を上手く進める事」は殆ど近しい事を指しており(実は一個人が「カネを稼ぐ」というのであれば金融や不動産業界も視野に入れて然るべきだったのではあるが)、その道を探求する要素があったコンサルタントという職業に、軍配が上がったのだった。

では今はどうか。実は、もっと別の理由でコンサルタントの仕事を楽しんでいる。

勿論、お金は好きだが、それが深夜2時にパートナーとやり合う原動力になっているのかというと、それは違う。客観的に見ても自分の仕事がクライアントの価値になったこと、お世辞でもクライアントから認められた事自体の方が、遥かに自分の仕事の原動力になっている。

仕事の何に価値を見出して、今業務に励んでいるのかなんて入社前には分からない。人生自体、ひょっとするとそんなものかもしれない。

キャリア選択は不確定なもの。自分が「今、最もやりたい仕事」から選ぶべき

最後は自ら判断しなくてはならない

では、就業前の若者は何を指標に仕事を選べば良いのか?

Twitter等でも多くの質問が寄せられるテーマだが、私は常に「一にも二にも挑戦し、今やりたい仕事かどうかで判断してほしい」とアドバイスをしている。

今後やりたい仕事は変わり得る。それは誰にも予想がつかないものだ。コンサルタントとして活動しながらも小説家やDJになったりする人もいる。(投資銀行業界の大物にも、DJがいたかと思う。ひょっとするとDJという職業はプロフェッショナルに通ずる何かがあるのかもしれない。)

そんな不確定なものに決定を下すには、「今何をしたいのか?」という心の声に従うのが最も筋が良いように思える。そして、出来れば仕事は自分の目で見て、手を動かして体験してみてほしい。本当に「百聞は一見に如かず」というのが仕事の本質なのだ。

インターンでも、無給の弟子入りでも、正直な所何でも良い。
自分が価値を感じそうな仕事に早目に携わり、本当にその価値があるのかどうかを見極めるべきなのだ。

自分はコンサルタントと投資銀行家というキャリアを選べる状況に身を置いていたのは非常に幸運だった。

しかし、この2つの職業が別の職業だったとしても、自分が検討する論点はそう大きくは変わらなかった。恐らく「カネを稼げる」以外にも、中高生時代に学んだ、歴史の勉強で出てくるような軍師や宰相に見る「知的で、憧れを集める補佐像」に惹かれていたのだと思う。

そして、その理想と実態のギャップは、コンサルティング業界に限って言えばきっと実務経験を通して相当クリアなものになると思う。

これから職業を選べる可能性に溢れている皆さんは、是非、自分の心の中の「何となく良さそう」という気持ちを、深掘り出来るような経験に挑戦してもらえれば、と思う。

きっと、時給1000円以上の何かに出会えるのではないだろうか。

まとめ(編集後記)

如何でしたでしょうか。
コンサルと投資銀行という2大人気業界の切符を経て秋田さんが入った業界はコンサルティング業界でした。
「自分が今最もやりたい仕事かどうか」。コンサルティング業界でなくとも、是非参考になる経験談だったと思います。

次回も就活生・転職志望者向けに秋田さんのコンサルタントのキャリアを回想します。
お楽しみに!

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「戦略コンサルティングファーム勤務。中期経営計画策定、組織改編業務などに様々な案件に従事。就活生時代に戦略コンサル、投資銀行(IBD)等に内定した経験から、息抜きに就活生からの質問も受ける。アイコンは知らない人(フリー素材)。Twitter:@akita_consul

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