この記事を書いたライター

むらかみみさと

むらかみみさと

1986年生まれ。大学卒業後、市場調査会社、IT企業のハウスエージェンシー、スタートアップアクセラレーターを経て、現在はロボットとデザインを扱う会社に勤務。会社員兼フリーランスとしてライティングとコミュニケーションを軸に仕事をおこなう。「好きなことは続けていけば仕事になる」の実践中。

2021年1月17日

自分の市場価値を高めて報酬をあげる方法 転職や副業を成功させるための棚卸し

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転職活動や副業(複業)探しをするとき、あるいは報酬の交渉をするとき。自分の市場価値を他者に示すには、どんな手段があるでしょうか?

「市場価値の高い人になろう」というメッセージがますます力を持っていく不安定な社会ですが、闇雲に市場価値を上げようとする前に、自分の市場価値を客観的にはかる必要があります。そこで、あなたの市場価値を定期的に棚卸しする方法をご紹介します。

この記事のポイント
  • ①「自分の市場価値」とは、自分の能力や資質の自己評価と、企業からの評価で決まる。年収だけでは測れない自分の市場価値を、理解し、磨こう
  • ②市場価値は“あなたの価値”ではない。能力に比例せず、理不尽に社会が決めることも。市場価値を考える“メリット”と“デメリット”を知り、あなたの幸せを見つけて
  • ③「転職」「副業」「プロボノ」自分の市場価値を知る3つの方法。変化の大きい時代を生き抜くため、今から自分の市場価値を上げる努力をはじめよう

転職での市場価値とはなに? 自分の希望だけでは決まらない、複数の“要素”

市場価値は複数の要素が絡み合って決まる

最初に、転職での市場価値とはなにか考えてみましょう。話をシンプルにするため、今回は公務員やNPO団体など、お金を生み出すことを第一目標としない組織は例外とします。

さまざまな定義がありますが、たとえば、ワンキャリアの最高戦略責任者である北野 唯我の著書『このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法』では、

  • 技術資産
  • 人的資産
  • 業界の生産性

の3つの要素の掛け算が市場価値だといっています。

市場価値の内的要因と外的要因

市場価値を決める要素には、内的な要因と外的な要因があります。内的要因は、スキルや経験、資格など自分の能力や資質のことです。対して外的要因は、端的にいえばその産業や企業がどれだけ儲かっているか。成長産業か、斜陽産業かに依存する要因です。

本人のスキルや経験と紐づく技術資産と、人脈やリーダーシップなどの人的資産は内的要因、業界の生産性は外的要因と考えることができます

市場価値は本人の希望だけでは決まりません。自己評価と、企業の評価ポイントが一致した点が市場価値と考えられます。自分の現在の市場価値を把握することは、未来に向けて市場価値を上げる戦略を立てるヒントになるのです。

自分の市場価値は、年収だけでは決まらない

自分のほんとうの価値はわかりにくい

会社員にとって、もっとも明解な市場価値は年収です。しかし、終身雇用、年功序列という前提が崩れた現代で、年収は完全な指標になりえません。あくまで現在の年収は、会社が用意してくれた環境で、会社の看板を背負って出したパフォーマンスを、会社が評価したものです。

年収よりずっと市場価値が高い人もいれば、会社を出た途端、とても低くなってしまう人も少なくないでしょう

自分の市場価値を理解し、自己研鑽や方向転換をする

個人的な体験になりますが、私は何度も転職活動や副業探しをしてきました。その中で、自分が他者からどう評価されるのか、自分の感覚とズレはどのくらいかをはかる機会を得てきました。

詳しくは後述しますが、最初の転職は社会人2年目だったので、私のスキルや職歴よりも、やる気や伸び代を見られていた感覚があります。30歳前後、社会人歴が10年ぐらい経つと、これまで何を積み上げ、どんな成果を出してきたかが評価されます。他者からの評価ポイントが変わるということをあなた自身も意識する必要があります

一例をあげます。私は適応力の高さ、マルチタスク能力が「私の価値」だと思っていました。最初の転職、2回目の転職でもその点を評価されました。転職後も、私の長所と評価されることが多いです。しかし、30代前半の転職活動者に求められるのはもっと具体的で、豊富な経験と知識だったのです。

自己認識での「私の価値」は向上しても、それが評価の対象外だったら。ゼロに何を掛けてもゼロ状態になってしまいます。

となると、市場の求める価値に合わせて自己研鑽をするか、得意な分野に方向転換することが必要になります。自分の市場価値を上げる方向性を定める判断材料として、自分の市場価値を理解する必要があるのです

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自分の市場価値を知るメリットとは?

市場価値を知ることで自分を客観視できる

自分の市場価値を把握することは、すぐに転職や副業を考えていなくてもさまざまなメリットを生みます。

メリット①:自分のウィークポイントを知れる

市場価値は、永遠に固定されるわけでも、いまがピークで下がって行くものでもありません。足りないものを補ったり、希少価値の高いスキルを身につければ、市場価値を上げることは難しくないのです

向上心を持つ人ほど、年収の高い会社や職種に転職したり、闇雲に資格を取ったりしがちです。一般的に効果の高いやり方でも、自分のキャリアプランでベストかどうかはわかりません。他者が自分のどこに価値を感じるか、どこが減点対象かを把握することで、と補強すべきウィークポイントが見えてくるのです。

メリット②:将来の不安に備えられる

自分の値付けを把握するのは苦しい場合もあります。ですが、問題が起こった時に無防備に放り出される方がよっぽど恐ろしいものです。

大企業であっても、10年後どころか5年後どうなっているかわからないと感じている人は多いでしょう。ですが、漠然とした不安や焦りを持ったまま毎日を過ごしていても、問題が解決することはありません。

将来の不安を取り払う手段のひとつは、リスクを把握し、現実になっても乗り越えられる力を付けておくことです

自分の市場価値と、価値を上げるために必要なことがわかると努力の方向性が決まります。
能力を客観的に証明するために、資格取得が効果的なこともあるでしょう。実績が足りなければ、異動や転職も検討できます。

自分が思ってもいないアピールポイントを発見することもありえるでしょう。現在の立ち位置と、将来の目的地とのギャップを把握することで目標を立てることができます。まだ目の前にない問題へ対処することはできませんが、備えることはできるのです。

自分の市場価値にこだわるデメリット

市場価値に囚われると人生の選択を誤る場合も

市場価値を定期的に把握し、向上していくことはこれから変化の多い時代を生き抜くために必須のスキルです。しかし、市場価値にこだわることでデメリットも生まれます

デメリット①:市場価値は必ずしもあなた自身の能力を反映しない

私は社会人2年目の秋に、はじめての転職活動を経験しました。その時は第二新卒という枠だったので、「学歴」と「当時勤務していた会社名」で最初の足切りがおこなわれることが多くありました。たかだか1年少し社会人をやったぐらいで人に差を付けることは難しいのが現実。結局学歴や新卒就活の結果が、私の市場価値に大きな影響を与えることを実感しました。

業界ごとに「相場」もあります。具体的に比較すると、金融や不動産など、金銭的な付加価値が高い業種に対し、飲食や教育、介護などはどうしても給料の上限が抑えられてしまう傾向があります。

業界ごとの平均年収を調べれば明確ですが、本人の能力以上に、払われる報酬の「業界の相場」がプレイヤーの市場価値にも影響するのです

市場価値は私が決めるのではなく、会社、社会が決めること。その基準がどんなに理不尽でも従う以外道はないなら、使いこなすしかないと考えるようになりました。あなたが見ている「市場」は自身に最適なものなのかも考える必要があります。

デメリット②:市場価値は幸せの基準ではない

市場価値にこだわりすぎて、自分のやりたいことや、望むライフスタイルを犠牲にすることは不幸なことです。市場価値が低くても、幸せに生きることはできるし、もっといえば、いまの会社で働き続けたいと望むなら市場価値を考えるよりも、やるべきことはあるでしょう。

変化に対応するために、市場価値を把握することは必須です。ただ、それに選択のすべてを縛られると、市場価値を上げる代償としてあなたの幸せを差し出す本末転倒な状況になりかねないのです。

自分の市場価値をはかる3つの方法

今の場所から離れて自分を見てみる

具体的に市場価値をはかるには、なにはともあれ会社の外に出ることが必要です。今すぐに取り組める3つの方法を紹介します。

①転職活動をする

もっともわかりやすい評価は、転職での「市場価値」でしょう。

  • 自分のキャリアの棚卸しができる
  • 客観的に自分の強み、弱みを判断できる
  • 業界のトレンドを把握することができる

など、転職活動には多くのメリットがあります。転職する気持ちが高まっていなくても、年に1度など定期的に転職活動をしてみるのは自分への刺激としても効果が高いです

②副業をはじめる

知り合いの経営者やフリーランスの人に、仕事がないか聞いてみる。ツテがなければ、クラウドソーシングやスキルシェアなど、小さく副業を始める手段は豊富にあります。

家事代行など、会社で身につけたスキル以外で稼ぐことも可能です。市場価値があれば、会社員である必要はありません。副業を通して「会社に所属する」という固定観念から脱却することも、自由に生きるヒントになるかもしれません。

③プロボノや社会人インターンで働く

就業規則などで副業ができない場合は、プロボノがオススメです。プロボノとは、自分のスキルを勤務先以外の会社や団体に無償提供することです。弁護士や会計士など資格職でなくても、営業、マーケティングなどビジネスで培ったスキルを発揮することができます。

また、社会人インターンという表現で募集をしている場合もあります。インターンは就職活動のためという印象がありますが、異業種体験や会社以外でスキル・経験を得るために活用することができるのです。

プロボノ、インターンを通じて、自分がどう会社外で活躍することができるか、人に求められるかを把握することができます。

転職とスキルアップに関しては、転職してスキルをアップするか?スキルアップして転職するか?どちらを選ぶか考えるヒントの記事でも詳しく紹介していますので、あわせてご覧ください。

【まとめ】市場価値を高めれば、環境に左右されない人生を歩める

これからは変化への対応力が不可欠

自分の市場価値を考えるとは、「環境が変わっても稼ぐことができるか」を自分に問うことにつながります。仮にいまの市場価値が低かったとしても、それを上げることは可能ですし、早いほど伸び代も大きくなります。

私は2009年に社会人になりました。まだ転職前提で就職するような人は少数派でしたし、学生起業家はいまよりずっと珍しく、ベンチャーより大企業という意識が強くありました。しかし、リーマンショックが起きて、会社の、社会の手のひら返しを見せつけられた私は、会社に依存する気も、守って欲しいという気も持たずに社会人になりました。

変化の大きい今の時代で、「その時」が来てから焦っても遅いのです。失敗や遠回りができる間に試行錯誤をして、自分の伸び代をみつけてみましょう。

出典:スカウト登録賢い活用術【市場価値再認識編】
出典:自分の市場価値が分かる方法

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1986年生まれ。大学卒業後、市場調査会社、IT企業のハウスエージェンシー、スタートアップアクセラレーターを経て、現在はロボットとデザインを扱う会社に勤務。会社員兼フリーランスとしてライティングとコミュニケーションを軸に仕事をおこなう。「好きなことは続けていけば仕事になる」の実践中。

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