この記事を書いたライター

北 堅太

北 堅太

なんでも書きたい系ライター。シーランド公国男爵。本とアナログレコードを買いあさることで、今日も生きのびている。なんとなく、インタビューの仕事が多めです。

2019年4月25日
フロンティアスピリッツ

経営者 飯田祐基(株式会社ライバー取締役会長)/フロンティアスピリッツ vol.9 後編

ライバー(ライブ配信者)から経営者となり、株式会社ライバーの創業者であり会長として、インフルエンサーマーケティング業界でリーダーシップをとる立場になった飯田祐基氏。

ひとりのプレイヤーから、全体を指揮するマネージャーへ。その仕事ぶりに学ぶ。

ライバーを思い、企業を思う。株式会社ライバーのお仕事

この手でライバー業界を開拓してきた

インターネットのライブ配信で日々活動し、ファンと一緒にコンテンツを育てていくライバー。

継続といったプロ意識を持った信頼できるインフルエンサーだ。そんなライバーたちと、マーケティングに課題を持つ企業とを繋げるのが株式会社ライバーである。

たとえば以前には、コレコレという名の有名ライバーを起用したアイドル番組を制作して、テレ朝動画の登録者数を増やすことに成功した。

実力と人気のあるライバーと企画・制作力によって、日々クライアントのニーズにこたえている。

企業の課題をヒアリングし、マーケティング戦略に落とし込む、よくある広告代理店と同じ方式ではあるが、他の会社と比べてライバー業界についての知見、ノウハウは多い。スタジオやクリエイターも充実しており、自社で制作もまかなえる。まさにライバー業界のヘルプデスクだ。

その理由は、ライバーだった飯田氏自らが業界をつくるところから始まったから。初期は株式会社ライバーの入居ビルこそが、まさにライバー業界のすべてだったのである。専門性の高さと豊富な知見もあって、顧客のリピート率は高水準だという。

ライバーマーケティングは着実に成果を挙げている。しかしもちろん、企業のマーケティングを遂行するために、ライバーに無理をさせることはない。

「ライバーさんたちは、自分たちの配信のテイストが崩れることを嫌います。なので、企業が用意したフレーズをそのまま言わせる、みたいなことはしません。1番いい方法は、一旦企業側の提案を伝えた上で、あとはライバーの自由にやらせるというものです」

「企業のニーズと、ライバーの意向ってピントがずれてしまいがちなのですが、工夫すれば合わせられるんです。たとえば、企画書に商品紹介やキャッチフレーズをさりげなく盛り込んだりして、ライバーさんには自由にしてもらっています」

テイストが変わればライバー自身だけでなく、ファンも不満に感じるだろう。飯田氏、そして株式会社ライバーの姿勢には、ライバーもよし、ファンもよし、企業もよしの三方よしが感じられた。

全員がウィンウィンの関係をつくることで、企業のリピート率が上がり、契約タレントも増えているのだろう。

特に、ライバーに寄り添い、ライバーを育てるひたむきで面倒見のよい姿勢は徹底されている。インタビューではあるライバーの例を教えていただけた。

もともと会社員だったあるライバーは、不幸なことにライブ配信が仕事の逃げ場のようになってしまっていた。フリーランスとなることへの不安もあった。本当に稼げるのか、食べていけるのかといった不安だ。

株式会社ライバーではターゲットの明確化、最適なプラットフォームの選定、分析ツールの導入など、抽象論にはとどまらない支援を行い、実際にライバーとして生きていけることを本人に実感させることができた。

今では会社を辞め、専業のインフルエンサーとして生活水準も高まり、本人の満足度も高いそうだ。

「もちろん、本人にモチベーションやプロ思考があったからこその結果です。好きなことで生きていく、だけではすまないビジネス感覚がなければ、会社を辞める決断を下すことはできなかったでしょう」

ライバーという職業の存在は、いまだ広く認知されているわけではない。飯田氏自身にも、親に猛烈に反対された経験がある。そのこともあり、ライバー、あるいはこれからライバーとなる人の家族のもとへ、直接説明をしに行くこともあるという。

ライバーが将来的にも収入を得られる職業であることを説明し、ライバーの家族にも納得してもらう。最後には飯田氏の口からライバーの家族へ「信頼してくれ」と熱い思いをぶつける。契約したライバーを全力で支援する。本当に親心のかたまりのような会社である。

すべての人に支えられて。経営者としてのしあわせ

楽しそうに語る姿からは業界への愛が感じられる

株式会社ライバーで働くなかで、飯田氏自身、経営者としては、どんな喜びがあるのだろうか。ライバーとして感じてきた喜びとはまた違った喜びがあるはずである。そのあたりのこともうかがった。

「現在、会社は5期目ですが、売り上げは順調に倍々で伸びています。足元の企画書を書いている時はなかなか実感しにくいですが、あとから経営者として俯瞰してこれまでの足跡を振り返る時、会社が大きくなっているのが本当に感慨深いです」

会社が大きくなるにつれて、問題やタスクも増えてくる。けれども、飯田氏はそれをネガティブには捉えてはいない。新しい経験ができることが楽しいというのだ。飯田氏は、ある経営者にいわれた次の言葉が印象に残っているそうだ。

15個くらい困難なことがなければ、逆に不安になる」

メリットの反面、デメリットもある決断をしなければならない時もある。しかし、その決断が組織に好影響を与えた時は、新しいことに取り組めた実感を得られるという。何より、その変化によって社員が満足そうに働いている顔を見られるのが嬉しいそうだ。

飯田氏は、ライバーだけでなく、社員に対しても面倒見がいいのだ。こんなリーダーに率いられている業界はうらやましい。

また、力強い経営陣に囲まれているのも本当にしあわせだと振り返る。日本初のメルマガ配信システム「まぐまぐ!」の創設者であり、ライバーとしては飯田氏の先輩にもあたる深水英一郎氏を筆頭に、業界のそうそうたるメンバーが株式会社ライバーには名を連ねている。

今では、あれほどライバーになることを反対していた両親も、快く飯田氏を応援している。オフィスに連れてきて、会社が利益を出していること、黒字であることを伝えたら、とても喜んだという。

そのように語る飯田氏には笑みがこぼれていた。たくさんの活動的なライバー、良識ある経営陣、チャレンジ精神旺盛な社員、理解力ある両親に囲まれて、お互いに協力しながら、飯田氏はライバー業界を盛り上げているのだ。

誰でもライバーに! 飯田氏が思い描く未来

長期的な視座で大きな目標を掲げる飯田氏

そんな飯田氏率いる株式会社ライバーが急成長を遂げた現在であっても、ライバー業界は「まだまだ信用が足りない」という。ライバーに商品を預ける企業は今もそれほど多くない。

対照的にYouTuberは今や世間的にも認知され、子どものなりたい職業ランキング上位にもランクインし、ブランディングを任せる企業も増えてきた。

飯田氏は、YouTuberと同じようにライバーという存在をより有名にし、社会的信用力も高めていきたい考えだ。

「ライバーが信用されるためには、まず株式会社ライバーも信頼を獲得していく必要があります。そのために今は本気で上場を目指しています」

信頼獲得の次に見据えているのは、エンターテインメント業界における大きな存在感である。ライブ配信をよりメジャーな娯楽産業にし、株式会社ライバー自体を日本でも有数のエンタメ企業にしようと日々努力している。

「これから一大エンタメ企業になるためにも、新しいものへのチャレンジ精神がある人に集まってほしい。おもしろい企画を考えるユーモアのある人、たくさんのライバーと触れ合うコミュニケーション能力がある人はどんどん歓迎します」

新しい市場を開拓するために突き進む飯田氏。社員や経営陣のなかには、そんな飯田氏の人柄に惹かれてジョインしたメンバーも多いのだろう。

飯田氏の仲間は今も増え続けている。

フロンティア精神を持った人間の集まる株式会社ライバーがある以上、ライバー業界の未来は明るい。

取材後記

学生が朝、学校で前日のお互いのライブ配信について語り合う。飯田氏の話を聞いて、そんな光景が頭の中で浮かんだ。今でも参入障壁の低いライブ配信は、これからもっともっと簡単になるだろう。

本業のプロとなるかは別として、全員がそれぞれのキャラクターを活かした表現の場を得られれば、幸福度も上がるのではないだろうか。これからの一億総活躍社会の助けとして、生配信もありだろう。

インタビューは株式会社ライバーの自社スタジオにて行った。自身がライバーであった飯田氏は、やはりスタジオが似合う。常にオープンな姿勢で、オフィスに私たちを招き、つたない質問にも付き合ってくれた。

目つきは真剣そのもので、ライバーとして、経営者として、さすがに業界を牽引してきた人である。熱い語り口で、ライバー業界の未来を大いに感じることができた。

飯田祐基さんのご紹介

飯田祐基/株式会社ライバー取締役会長・ファウンダー
1992年、愛知県生まれ。
学生時代からネットラジオやニコニコ生放送の配信者として人気を集める。
大学中退後、インフルエンサーマーケティングのパイオニアとして様々な企業chの運営、番組・動画制作を経験。
22歳で株式会社テクサ(現株式会社ライバー)を設立し、インフルエンサーを起用した効果的なプロモーションと動画・ライブ配信広告を専門に、次世代のインターネットメディアを牽引していく。

飯田祐基さんのリンク集

株式会社ライバー 公式HP

ライバー社人材募集ページ

ライバーネット(ライブ配信に特化したニュースサイト)

< 前編へ

この記事を書いたライター
北 堅太

北 堅太

なんでも書きたい系ライター。シーランド公国男爵。本とアナログレコードを買いあさることで、今日も生きのびている。なんとなく、インタビューの仕事が多めです。

関連記事
おすすめ記事
人気ライター
TOPへ戻る