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カワウソ祭

カワウソ祭

山から降りて里にまぎれ、人に化けて暮らすカワウソ。Twitterをエンジョイするかたわら、働き、酒を飲み、コラムを書き、Barの店番をしている。インタビューするのが好き。Twitter:@otter_fes

2019年12月12日
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ショッピングナビゲーター 大嶽まどか(QVCジャパン 所属) / テレビ越しに伝える商品の魅力とぬくもり

ショッピングナビゲーター大嶽まどか(QVCジャパン 所属)

夜中のテレビから流れる商品紹介を聞くともなく聞いていると、いつのまにか「欲しいなぁ」と画面に引き込まれてしまう……テレビショッピングを見てそんな経験をした人は多いのではないだろうか。 アメリカで開局したテレビショッピングの専門チャンネルQVCは、2001年から日本でも放送を開始し、現在まで24時間365日連続放送を続けている。

1000億円超の売り上げを誇るQVCジャパンの特徴は、幅広い商品カテゴリーと、その魅力を実直に伝えるショッピングナビゲーターの商品紹介だ。同社に数十人在籍するショッピングナビゲーターのひとりとして活躍する大嶽まどかさんは、秘書やテレビ局のアナウンサーを務めたユニークな経歴を持つ。大嶽さんが現在に至るまでの経緯や、仕事観について伺った。

社会人、アナウンサーを経てショッピングナビゲーターへ

QVCジャパンのロゴと大嶽まどか氏

QVCジャパンのロゴと共に迎えていただいた

「インタビューをされる側になるのは新鮮な感じがします」と笑顔を見せる大嶽まどかさんは、2015年にQVCジャパンへ入社して以来活躍を続けるショッピングナビゲーターのひとりだ。

過去に秘書やアナウンサーとして働いていた経歴を持ち、自らQVCジャパンのショッピングナビゲーター募集に応募して転職した。

「大学を卒業して3年間ほど一般企業で働いた後、NHK和歌山放送局のキャスターを務め、その後名古屋テレビへアナウンサーとして中途入社しました。6年間ほど務めた後はしばらくメディアから離れて働いていましたが、やっぱりメディアで感じていた産みの苦しみや楽しさにもう一度触れたいと思いました」

改めてもう一度メディア関係の仕事に就こうと考えたとき、テレビ局ではなくショッピング専門チャンネルであるQVCジャパンに応募した理由を聞くと、大嶽さんは「友達がQVCにゲスト出演したことがあって『いい現場だったよ』と前評判を聞いていたんです」という。

「私はテレビの番組制作など、“みんなで何かを作る現場”が好きで、ワクワクするんだと気付いたとき、商品の良さを引き出して自分の言葉で伝え、お客様に“見つかる嬉しさ”を提供しているQVCのショッピングナビゲーターって、すごく面白そうだな!と興味を持ったんです」

アナウンスとショッピングナビゲーションは別物!

インタビュー風景/大嶽まどか氏

「紹介した商品を個人的に買うこと……しょっちゅうありますよ!」

アナウンサー経験があれば、商品紹介もスムーズに行えそう……と考えるのは早計で、大嶽さんは「実はショッピングナビゲーターの話し方とアナウンサーの話し方は似て非なるものなんです」とデビュー後の苦労を振り返る。

「QVCでは入社後にみっちりと研修を受けるのですが、当初はアナウンサー時代の話し方を引きずって、正にアナウンス(説明や案内)になってしまっていると指摘を受けていました。商品の背景を知った上で、お客様の立場からそれぞれの生活や気持ちを想像してレコメンドしないと伝わらないんです。でもなかなか直し方が掴めなくて、アナウンサーのプライドを捨てるまで色々な試行錯誤がありました」

テレビショッピングを利用する顧客層は、60代をメインに40〜80代まで幅広いという。高齢者や郊外在住だったり、怪我や病気をしていたり、子育て中などで頻繁に出歩くのが難しい人にも、番組を見る楽しみと買い物の喜びを合わせて提供できるのがテレビショッピングの魅力だ。

「もちろん、質の良いものをお得に買えるので利用される方も多くいらっしゃいます。高画質で鮮明に商品を映すので、お客様は本当に目が肥えていますね。自分で紹介しながら(後で買いたいな)と思っていたら、すぐに売り切れてしまったり(笑)」

自分自身も消費者として、お客さまと同じ目線で商品を見て紹介するようになると、徐々に手応えを感じられる出来事も増えてきたという。

あらゆる商品を紹介する「テレビの中の百貨店」

QVCの収録スタジオ

社内に2か所あるスタジオを交互に使って24時間放送が続けられている

「商品紹介は常に試行錯誤の繰り返しで、さまざまな販売員の方の接客や先輩方から手法を学ぶようにしています。それでも、もっと上手く話したい!という悔しさが8割くらい。その代わり、いくらでも越えたい壁があって飽きることがないし、生放送後に売り上げとして反応がダイレクトに伝わってきてとても嬉しいことも多いです」

QVCの商品カテゴリは、ファッション、ビューティー、ヘルス&フィットネス、ジュエリー、キッチン&フード、家電、ホーム&ガーデン、レジャーと多岐に渡る。ショッピングナビゲーターは決まった番組に出演してジャンルの定まった商品を紹介するのではなく、会社が編成した番組にシフト制で出演し、その時々で全く違うジャンルの商品を紹介する。「家電売り場担当」「化粧品の美容部員」といった振り分けがないぶん、幅広い知識と販売力が必要になるのだ。

インタビュー大嶽まどか/ショッピングナビゲーター(QVCジャパン所属)

あらゆる商品を紹介できるように知識の更新が欠かせない

「お休みの日は積極的に出歩いて、なるべく広く市場を知るようにしています。でも“知ったかぶり”は禁物です。専門的な知識はゲストをお招きして伺うので、私はあくまで紹介する商品がお客様にどう役立つかを伝えるようにしています」

ひとつのチャンネルであらゆる商品が紹介され、ショッピングナビゲーターがジャンルを横断して自分の言葉でレコメンドする。百貨店やセレクトショップのバイヤーと近い構図だ。

大嶽さんが「親しみを込めて商品の魅力をご紹介することで、お客様にテレビショッピングならではのぬくもりを伝えられたら」と語る言葉からも、価値あるショッピング体験を提供しようというプロ意識が感じられる。

番組進行に求められるのは商品知識と伝える個性

PCに向かう大嶽まどか氏

番組出演以外の「プレ日」は事務作業などを行う

QVCジャパンでは商品調達から番組制作、受注と発送までワンストップで行うため、カメラの前に立つショッピングナビゲーターも、同社の社員のひとりだ。大嶽さんはシフト制で出勤し、番組出演以外の時間はデスクで事務作業にあたり、商品メーカーとの会議などにも出席するという。

「番組出演のある日はオンエア4〜5時間前に出勤します。2時間前ごろにメイク・ヘアメイクを終え、1時間前ごろに数十分間の直前ミーティングを行います。実は、生放送本番では台本がないんですよ。その日紹介する商品について、事前に準備したり、使用したりする他はこの直前ミーティングで情報を頭に入れます」

オンエア中の言葉は文字通り生の意見や感想なのだ。心からオススメしたい、ヒットして欲しいと言葉を凝らす。注文の電話がたくさん入ったときについて、大嶽さんは「すっごく嬉しいですよ!しびれます」と力を込めた。

商品のメーカーからも感謝され、やりがいや手応えを感じる楽しい仕事だという。しかしオンエア中の失敗はそのまま売り上げに反映されてしまうそう。

「本当にまだまだ道の途中で、失敗もたくさんあるんです。上手く言葉が出なくて注文に繋がらず、悪夢を見ることもあります(笑)。楽しい仕事ですが、ラクではありません。お客様も見る目が厳しいので、本当に良い商品でないと売れません」

お客様の気持ちへ寄り添うショッピングナビゲーターに

インタビュー風景/大嶽まどか氏

番組制作に関わるスタッフもすべてQVCジャパンの社員だ

自身を評価して「そんなに個性的ではない」という大嶽さんだが、思わぬ失敗が大ウケしたことがある。

「部分ウィッグのご紹介をするときに、自毛によく馴染むところを見せようとして、私の髪と全然違う色のウィッグをポンと頭に乗せてしまったんです!自分でも驚いて固まって、どうしよう……と思っていたのに、なぜかたくさんご注文をいただきました(笑)」

狙ってできる失敗ではないぶん、余計に番組を見ていた視聴者にとっては「神回」だったのではないだろうか。後に「おっちょこちょいも個性です」とコメントをもらったそうだ。大嶽さんの一生懸命な姿勢は、元アナウンサーといった肩書きから抱くイメージを払拭するほど親近感を感じさせてくれる。

仕事について今後の目標を伺うと「私は必ず一番でなくてはいけない、とは思わないんです」と前置きし「でも、良いものをヒットさせられるショッピングナビゲーターになりたいですね」と語る。

「インターネットで何でも手に入る時代なので、テレビショッピングならではの魅力を柔軟に捉え、頭を柔らかくして時代に沿っていきたいと思います。お客様に近い距離から語りかけて、お買い物を楽しんでもらえるよう、これからも頑張ります」

ショッピングナビゲーターの仕事について詳しく知るには職業ナビ!
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取材後記

取材に伺ったQVCジャパンのオフィスは、ドラマの撮影に使われることもあるほど現代的な空間で、広々として素敵な環境でした。

大嶽さんに「ショッピングナビゲーターに『この人が勧めるものなら買いたい!』というファンがつくことはありますか?」と伺うと「ベテランナビゲーターにはそういうお客様もいらっしゃいますよ!私はまだまだですが……」と仰っていました。

まるでカリスマショップ店員とお客様のよう。テレビ越しにもそうした関係性が生まれると知ると、お客様と商品をつなぐレコメンドを、人が自分の言葉で行うことの重要性を感じます。

ユニークな環境でいきいきと働き、お客様へ親しみ深く語りかける大嶽さん。視聴者に寄り添うショッピングナビゲーターとして、これからたくさんのファンが増えていきそうです。

大嶽まどかさんプロフィール

大嶽まどかさん/ショッピングナビゲーター(元アナウンサー)

大嶽まどか/ショッピングナビゲーター
NHK和歌山放送局、名古屋テレビ放送局でアナウンサーとしてのキャリアを積んだ後、QVCジャパンに入社。その明るさと親しみやすさで、画面を華やかにする一方、豊富な商品知識と独自のアプローチで魅力的に商品を紹介し、お客様の心を掴むショッピングナビゲーターとして人気を誇る。番組ナビゲーターの他にも、女性雑誌とコラボしたQVCのイベントや、QVCゲストのトークショーの司会など、幅広く活躍している。

大嶽まどかさんのリンク集

大嶽まどか
公式Instagram:@qvc_otake

QVCジャパン
公式HP:テレビショッピング・通販のQVCジャパン
採用サイト:QVC 採用情報/Recruit
採用インスタグラム:@qvccareersjapan

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