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あしださき

あしださき

大学卒業後、ショーモデルを目指しながら10年間にわたりファッション業界で活動。 現在は3人の子どもの母。子育てに日々奮闘しながら2015年からライターとして活動をはじめる。自身の育児経験等を綴ったコラムを3年間欠かさずに更新中。アメリカドラマ通でもあり、過去に連載記事の執筆経験あり。 得意ジャンルは育児・教育・グルメ・人生相談。

2018年11月30日

「モラトリアム人間」だもの!その悩みが人生に必要である理由

笑顔の大学生たち

“内定ブルー”という言葉も登場した昨今、「内定したが何となく不安だ」と悩む学生は非常に多いとか。ようやく苦労が報われたのに、土壇場で悩んでいる場合か! と自分を責めなくても良いのです。 この時期の「悩み」は大人になる前の通過儀礼であり、迷うことも含めた人生を楽しんでも良いのでは? だって今のあなたは【モラトリアム人間】なのだから。

心のモヤモヤを書き出す

心のモヤモヤは「ジャーナリング」で書き出すのがおすすめ

【悩む編1】大学生は大人になる前の猶予期間

楽しそうな大学生

子どもから大人になるためのステップ

「モラトリアム」という言葉をご存じですか?心理学を学んだ方にはなじみがあるかも知れませんが、ここで少し解説しておきたいと思います。「モラトリアム」は一般的に『猶予期間』のことを表しています。この言葉を初めて心理学的に使ったのがフロイトで、その後現在の解釈と近い意味で用いたのがアメリカの精神分析学者のエリクソンでした。

ヒトは青年期に、「モラトリアム」という子どもから大人になる、いわば“架け橋”となる期間で、「自分とは何か?」とアイデンティティーを模索し、さまざまな経験を積みながら答えを探求していきます。この期間の悩み、迷いを含めた経験が、自己形成の源となりこれからの「大人としての自分」を見出すきっかけになるということです。

【悩む編2】考え、悩むことが大人になるために必要不可欠

では【モラトリアム人間】とはなんでしょう。辞書を引くと、こんな内容が。

年齢では大人の仲間入りをするべき時に達していながら精神的にはまだ自己形成の途上にあり、大人社会に同化できずにいる人間。
出典:小学館 デジタル大辞泉

企業から内定をもらい、大学卒業を目前にした皆さんこそ【モラトリアム人間】。この時期の若者の心理は、“答え”を探し求める途上にあるため、実に複雑です。したがって、今、「内定が出た会社に本当に入社して大丈夫だろうか?」「働くとは一体何だろう?」と悩むことは、実はごく自然であたりまえなのです。また、社会的に認められた『猶予期間』だからこそ、自己形成が完全に熟成するまで大いに悩み、迷い、自分自身や将来について考えるほうが良いのです。

【モラトリアム人間】がすべきなのは、「考える」こと

なぜならこの時期に自分の内側の声に耳を傾け、気持ちに折り合いをつけることができた時、ようやく真の「大人」として社会で活躍する準備ができるからです。

参考文献:『モラトリアム人間の時代』小此木啓吾/著(1981年 中公文庫)

【悩む編3】「悩む時期」は明確にしておこう

すでに内定式が済んでいるという人も多いでしょう。「大いに悩むことは必要だ」と言いましたが、そこには明確な期限を設ける必要もあります。内定を承諾したのであれば、今が最後の猶予期間です。卒業式以降は社会人生活の準備期間として有効活用すべきですから、やはり、大学卒業を目処に【モラトリアム人間】からの脱却を目指しましょう。

大学の卒業式

大学卒業と同時に【モラトリアム人間】も卒業!

【解決編1】自分なりの答えが見つかるヒント①「人に話す」

悩みの種類に応じて、話す相手を選ぶ

話しながら歩く女性

悩みを口に出すことで意外とスッキリする

case 1

悩みの種類:「働く意味が分からない」「自信がない」
話す相手:親しい人間

ただし、話す相手が身近すぎる親や兄弟だと、アドバイスを求めていると勘違いされるので、やめたほうがいいかもしれません。「今から悩みを打ち明けるけれど、黙って聞いていてくれるだけでいいよ」と言えるくらいの親しさがある相手が最適です。

頭の中にぐるぐると渦巻くことを、無理に整理して話す必要もありません。思いついたことから話し、それをただ聞いてもらいましょう。“聞いてもらうこと”が心理的に良い影響を与えるのは、「カウンセラー」という職業があることからも理解できます。

case 2

悩みの種類:「この企業を選んで良かったのか」「仕事についていけるか」
話す相手:内定先企業の若手社員

これから働く企業のことは、やはりその企業にいる人に聞くのが1番良いと思います。実はOB・OG訪問は、入社が決まってからする方がメリットも多く、不安や悩みを抱えたまま入社するという、最悪の事態を避けられます。人事担当に相談して、若手社員との面談の機会を作ってもらうと良いでしょう。その際は事前準備が肝心です。内定先企業について、仕事内容・待遇・昇級・離職率など、自分が不安材料だと思う点を整理し、質問をリストにしておきましょう。

また、内定先の先輩社員の受け答えから、社内の雰囲気も掴めるでしょう。人間関係に不安を持っている人にとっては、面談をきっかけに社員とのつながりができ、顔を覚えてもらうことができますから、入社してからも安心です。

OB・OG訪問に付いては、合わせて「自分をみつめるチャンス! OB・OG訪問は絶対挑戦してみるべき!」もご覧ください。

【解決編2】自分なりの答えを見つけるヒント②「紙に書く」

無理にまとめず、ダラダラ書きでオッケー
どうしようもなくモヤモヤとして「何に悩んでいるのかさえ分からない」状態の時は、人に話すよりも紙に書き出してみる方法がおすすめです。

アウトプットして頭を整理する女性

体裁は気にせずとにかく書き出そう

自分の脳をスマホやパソコンだと思って、ごちゃごちゃとしたお悩み情報を別の場所に移行し、脳の容量不足を解消していきましょう。容量が足りないと思考が鈍り、新しい考えも生まれません。

「バカみたいでとても人には聞かせられない」という悩みでも、紙に書くなら誰にも知られる心配はありません。また自分の気持ちを文字にしていったん外に出すだけの作業は、とっても手軽。これは「ジャーナリング」とも呼ばれ、心理療法にも用いられている手法です。

【解決編3】小さなアクションで、大きな変化を

上に挙げた2つの方法で、自分の気持ちなり考えを客観視することができます。そうすると、悩みの原因が実は自分が考えていた場所とは違う場所にあることが分かったり、言葉にする(紙に書く)ことで別の視点を持つことができます。

また、実際に先輩社員と話すと、近い将来の自分の姿を想像しやすいため、不安解消のキッカケになるかもしれません。このプロセスは、せき止められていた小川の小石をひとつ動かすようなもの。一度水が流れるようになれば、あとはもう心配ありません。停止していた思考がまた動き始め、「自分がどう働くか(生きるか)」に対してポジティブな見方もできるでしょう。

まとめ

人は心が愉快であれば 終日歩んでも嫌になることはないが、
心に憂いがあれば たとえ一里でも嫌になる。
人生の行路もこれと同様で、
人は常に明るく愉快な心をもって 人生の行路を歩まねばならぬ
(シェイクスピア)

どうか心に憂いをもったまま、新たな人生の船出をすることがありませんように。そのために「モラトリアム」の今だからできる人生の醍醐味「迷うことも楽しむ」を提唱します。十分に悩み迷った先で「自分なりの答え」を見つけてくださいね。社会で活躍していく皆さんに、心からエールを送ります。

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大学卒業後、ショーモデルを目指しながら10年間にわたりファッション業界で活動。 現在は3人の子どもの母。子育てに日々奮闘しながら2015年からライターとして活動をはじめる。自身の育児経験等を綴ったコラムを3年間欠かさずに更新中。アメリカドラマ通でもあり、過去に連載記事の執筆経験あり。 得意ジャンルは育児・教育・グルメ・人生相談。

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