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ヒゲピカ

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長年のライター経験から裏打ちされた洞察力、ロックDJとしての審美眼を兼ねたお髭のマツオカと、元お笑い芸人ゆえの独創的な発想力を活かした切り口のインタビュー&ライティングに長けるハヤシモトケイスケによるユニット。この出鱈目な世の中で、真実に向かい吠える二匹の狼。

2018年12月28日

サラ川が面白い! 恒例の「第32回サラリーマン川柳」が1月に発表!過去の名作を振り返る。

サラリーマンとはいわずもがな、家でも会社でも多くの我慢を強いられ、たくさんのストレスを抱えながらも家族の、企業の一員としての任務を全うする存在だ。今も昔も変わらず、日本の高度成長、経済の根底を支え続ける彼らに最大級のリスペクトを送るという意味でも、戦うサラリーマンたちをここでは“戦士”と呼びたい。

しかし、1978年に公開された高倉健×薬師丸ひろ子共演の映画「野生の証明」の主題歌として知られる町田義人の「戦士の休息」を例に出すまでもなく、もちろん戦うサラリーマンたちにも休息は必要だ。日々の家庭内や会社で、積もりに積もった鬱憤、妬み、嫉みを思いっきりブチ撒けてほしい…そんな戦士たちのストレス発散の安息の地こそ「サラリーマン川柳」、サラ川なのである。

サラリーマン川柳って?

何気ない日常のワンシーンを見事切り取る

ここで「サラリーマン川柳」の概要を簡単に説明したい。

第一生命の担当者によると、

“コンクールは1985年に第一生命の社内広報誌の企画として募集開始され、1986年に最初に発表された。その後1987年(発表は1988年)から一般公募が始まり、以降、毎年募集選考が行われている。内容は、好不景気や流行語など、その年の流行や世相を反映しながら、サラリーマンを励ますことを目的にその悲哀をユーモラスに詠んだものが多い”

とのこと。

戦士たちの“自虐”によって“笑い”が生まれ、さらには優秀作品が決定し、賞品までもらえるという、サラリーマンにとっては年に一回、本当に言いたいことが言える、オアシスのような場なのだ。

そんな「サラリーマン川柳」は、最新となる第32回のエントリーが締め切られ、2019年1月下旬には優秀100作品発表、ベスト10の一般投票受付が開始と告知されている。

過去の傑作をおさらい

仲間内やグループで川柳大会を催すのも一興だ

川柳(=5・7・5の音を持つ日本語の詩の一つ)というたった17文字に込められた自虐の毒とあふれるユーモア。いくつか、過去の優秀作を紹介していく。

まだ寝てる 帰ってみれば もう寝てる
(第5回:1992年発表 第1位作品 遠くの我家氏 作)

「行ってきまーす」と暗い部屋から出勤し、「ただいまー」と暗い部屋に帰宅する…まだ“ブラック企業”などの言葉がない時代。戦士にとって残業は当たり前! 疲れ切った毎日、冷え切った夫婦関係を「寝てる」というワードセンスで押し切ったパワフルな作品だ。

いい家内 10年経ったら おっ家内
(第6回:1993年発表 第1位作品 自宅拒否症氏 作)

双子のおばあちゃん“きんさんぎんさん”フィーバーが世の中を席巻。ふたりのセリフである「うれしいような、かなしいような」が流行語大賞に選ばれ、世の中を温かくした…が、第1位作品は寒風吹きすさぶ家庭内様子を、好スキルのリリックを思わせる言葉遊びで表現。それにしても、世界観が一気に広がるペンネーム…それを込みで優秀賞と言えるだろう。

わが家では 子供ポケモン パパノケモン
(第11回:1998年発表 第1位作品 万年若様氏 作)

この頃から流行したアニメ「ポケモン」をみごとに取り入れながら、もはや奥さんだけではなく、子供からもハブられている様子が手に取るようにわかる。「そのポケモンだって、俺の給料で買ってるんだろ?」という心の叫びが行間から漏れ聞こえてくるようだ。

デジカメの エサはなんだと 孫に聞く
(第15回:2002年発表 第1位作品 浦島太郎氏 作)

今では当たり前のデジカメも、創世期には“カメ”と間違えるサラリーマンが各地で続出…したかどうかは定かではないが、孫は「おじいちゃん、リチウムイオン充電池だよ」と答えたであろう。

オレオレに 亭主と知りつつ 電話切る
(第18回:2005年発表 第1位作品 反抗妻氏 作)

2004年に警視庁が認知した「オレオレ詐欺」の被害総額は約284億円に上り、社会問題に。警察やマスコミは「オレオレ詐欺に気を付けて!」と警笛を鳴らした。しかし、夫と分かりながら、電話を切るとは…この反抗妻さんは、詐欺に引っかかることは絶対にないだろう。

仕分け人 妻に比べりゃ まだ甘い
(第23回:2010年発表 第1位作品 北の揺人氏 作)

2009年に発足した民主党・鳩山由紀夫内閣が掲げる政治主導の一環として行われた事業仕分け作業。その作業を行う評価者を通称“仕分け人”と呼んだ。容赦のない事業の廃止、予算の見直しが敢行されたが、この作品によって、全国各地で奥さんによる戦士たちのお小遣いの大幅カットが行われていたことが発覚した。もはやこれは“事件”である。

退職金 もらった瞬間 妻ドローン
(第29回:2016年発表 第1位作品 元自衛官氏 作)

現在はバラエティ番組などでも上空からの撮影で大いに威力を発揮するドローンが、ちょうど言葉として浸透した時期。忍者のように消える「ドロン」と合わせた言葉遊びだが、“妻ドローン”という響きが、なにか一種のアンドロイドのような印象を醸し、SF感さえ漂う。

各回の代表的な第1位作品をピックアップしたが、これ以外にもクスッと笑える毒っ気たっぷりの川柳は多く存在する。興味のある方は、HPに歴代の優秀作品が掲載されているので、ぜひチェックしてみてほしい(ちなみにだが、女性が詠んだ作品も多数ある)。

次の優秀作品はあなた!?

ストレスは抱えるだけではなく“ネタ”へと昇華させよう!

ここまで読んで、はじめて「サラリーマン川柳」の存在を知った方もいるかもしれない。また、存在は知っていても、応募するまでには至らなかった戦士の皆さんも多いと思われる。残念ながら、最新となる第32回に関しての応募は締め切られているが、今後もこの「サラリーマン川柳」は末永く続いていくことだろう。

というわけで、次代の優秀作品を狙うべく、「サラリーマン川柳」の“ご意見番”こと、やくみつる氏が有り難いことにネタの見つけ方や流行語の使い方を伝授してくれているので、紹介しておこう。

①気になったことは手帳や携帯電話にメモ
ネタに昇華できなかったとしても、何かピンと来ることがあったり、気になる言葉や面白い場面に遭遇したときには、とにかくどこでもいいからメモ。細かい部分まで書き込む必要はなく、ちょこっとメモしたネタから面白い作品が生まれたりするものなのだそう。

②日記の代わりに川柳
まずは川柳になれることが大事。日記代わりぐらいに、作り続けていた方が良いとか。1日1句作るぐらいの気持ちで頑張ってみよう。

③古典的なネタに流行語を取り入れよう
家では冷遇されているや、中間管理職は辛いなどのネタは「サラリーマン川柳」ではいわば古典。そこに、巧みに新しいワードや流行語を入れるのが審査員をうならせるコツ!

④流行りすぎない、そういえば的な言葉を選ぶ
流行語はサイクルが早いので、応募する段階になった時にすでに廃れているケースもあるので注意が必要。流行っているが、他の人が詠み込んでこないだろうという言葉をチョイスしよう。

⑤時事性を取り入れたひとヒネりあるネタを
やく氏いわく「その年に起きた出来事や流行語を巧みに取り入れながら、クスっと笑わせてくれたり悲哀を感じさせてくれる作品に出会うと、正直やられたなと思います」だそう。

これらを参考に、さぁ、今すぐ筆を取ろう!

まとめ

新年の初笑いは「サラリーマン川柳」で決まり!

松本人志ら多くの一流芸人が言うには「笑いとは緊張と緩和」だそうだ。

普段、虐げられている戦士たちやお父様方が、その環境を逆手に取り、ウイットに富んだ川柳を詠みあげる…そう、日常の“緊張状態”があり、多くの者がその環境を想像でき、共感できるからこそ、ギャップによって自虐的な川柳がまぶしく輝くのだ。

これだけ長く続く「サラリーマン川柳」というイベントがすでに物語ってくれているように、日々の過ごし方のちょっとした変化、目線のずらし方、発想の変え方で、過去の傑作のようにトンデモナイ名作川柳がこれからも生まれ続けることだろう。

とりあえず最新の第32回は、いったいどんな面白い川柳が生まれるのか…大いに期待したい。

第一生命 みんなのサラリマン川柳は現在(2019年2月)投票受付中!
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