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伊藤祐介

伊藤祐介

「世の中に届ける情報は自分の目と耳で確かめたものだけ』をモットーに、取材と撮影をベースにした執筆を続けています。サラリーマン経験が長く、ビジネス系のコンテンツ制作が主戦場。それでも最近はグルメ本の制作、動画制作など幅を広げています。

2019年9月11日

ドラッカー、コトラー、ポーターから「マーケティング4.0」までの基礎を学ぶ

マーケティング

マーケティングを学ぼうと考えたとき、最初に押さえておくべきマーケティング理論家がドラッカー、コトラー、ポーターの3名。ビジネスに携わる者であれば知っておくべき人物たちです。

彼らに共通する点は、マーケティングを考える上で重要とされる基礎理論を提唱したこと。企業のマーケティングの現場では、彼らの理論が活躍しています。

今回は、3名の理論を簡単に紹介しますので、興味を持った人は著書を読むなどして、さらに深く勉強してみてください。

マーケティングの基礎1 ピーター・ドラッカーから”マネジメント”を学ぶ

マーケティング

ピーター・ファーディナンド・ドラッカー(1909年11月19日 – 2005年11月11日)

ドラッカーは、マネジメントを発明した経営学者として知られています

ドイツ系ユダヤ人として生まれ、迫害から逃れるようにアメリカへ渡ります。その後大企業の経営について研究し、代表作『マネジメント』を出版しました。

ドラッカーは、マネジメントには重要な仕事が5つあると言います。

1. 目標を設定すること
目標があれば、組織が正しい方向に向かっているのかを判断できます。反対に目標がなければ、目的地も地図も持たずにひたすら歩き続けるようなものです。

2. 立派な組織を作ること
個の集合体を全体の組織へと発展させることで、人的資源を最大限に活用できます。

3. コミュニケーションを円滑化させること
情報をただ伝達するだけでなく、受け手にきちんと理解させることが大切です。ドラッカーはコミュニケーションは知覚であると言います。

つまり、相手の立場にたち、受け手に合わせた伝達手段を用いることが重要なのです。

4. 評価測定すること
目標を決めたらその進捗を測定し、優秀な人材には報酬を与えるなど、モチベーション向上に繋げます

5. 問題解決を図ること
直ぐに解決すべき問題とそうでない問題を見極め、適切に問題を解決することで、組織が成果を出すようになるのです。

もっとドラッカーを知りたければ『マネジメント』を読んでみよう

マーケティング

分かりやすく勉強できる本もある

ドラッカーのマネジメント理論は、世界中の経営者に大きな影響を与えました。日本でも、ユニクロの柳井社長がドラッカーの本を愛読書にしていることはよく知られています。

『マネジメント』の日本語訳は、エッセンスをまとめた『マネジメント-基本と原則(ダイヤモンド社・2001年)』で読めます。

難しい本が苦手な人には、小説『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら(ダイヤモンド社・2009年)』が、お勧めです。

ストーリーは、弱小野球部のマネージャーがドラッカーの本を読み、勉強した理論をもとに甲子園を目指すというもの。元AKBの前田敦子主演で映画にもなっているので、楽しく理論を学ぶことができます。

マーケティングの基礎2 フィリップ・コトラーから「STP分析」「4P」を学ぶ

マーケティング

「STP分析」と「4P」とは?

コトラーは、アメリカの経営学者です。企業がマーケティングを実践するための理論を提唱しました。そのマーケティング理論を理解するには、2つのキーワードを知る必要があります。「STP分析」と「4P」です。

コトラーのSTP分析

マーケティング

誰が誰に価値を提供するのか、3つの要素を明確に

コトラーは、マーケティングを考えるにあたり、誰が誰に価値を提供するのかを明確にすることが重要だと考えました。そこで、重要な3つの要素「セグメンテーション(segmentation)」「ターゲティング(targeting)」「ポジショニング(positioning)」を提唱したのです。3つの要素の頭文字をとってSTP分析と呼びます。

【セグメンテーション】
市場といっても概念が大きすぎるので、市場を年齢別、性別、居住地域別などにセグメント分けする考え方です。

【ターゲティング】
どのセグメントに対して価値を提供するのか、ターゲットを絞ります。

【ポジショニング】
ターゲットに対する自分たちの強みを明確にすることで、競合との差別化を考えます。

この3つを分析することが、マーケティングの基礎になります。

マーケティングの4P

マーケティング

何が、いくらで、どこで、どうやって売られている?

マーケティング戦略を立案するときに考えるべき4つの要素のことを「マーケティングの4P」と呼びます。

「Product(プロダクト:製品)」「Price(プライス:価格)」「Place(プレイス:流通)」「Promotion(プロモーション:販売促進)」、それぞれの頭文字が全てPで始まることからそう呼ばれています。

【プロダクト:製品】
自社がどのような商品やサービスを扱うのかについて考えます。

【プライス:価格】
低価格路線にするのか高級路線にするのか、価格戦略を考えます。

【プレイス:流通】
どの地域で売るのか、店舗販売なのか通販なのかなど、流通について考えます。

【プロモーション:販売促進】
広告をテレビなどのマスメディアで行うのか、ネットやSNSでターゲットにリーチするのか、ノベルティグッズを配るのか、あるいはその全てをミックスさせるのかなど、PR方法を考えます。

◆スターバックスの事例

製品:自宅と職場の間のポジション「サードプレイス」としてカフェを展開。美味しいコーヒーを落ち着いた空間で味わう体験を売る。

価格:コンビニやファストフード店に比べて高い金額に設定し、高級路線をとる。

流通:銀座一丁目に出店するなど、メインターゲットのビジネスパーソンを意識した立地に出店。

販売促進:テレビ広告などは打たずに、SNSを活用するなど、口コミで宣伝。

コトラーの本は、日本でも多くの人達が愛読しており、中でも『コトラーのマーケティング・コンセプト(2003・東洋経済新報社)』が最も知られています。

マーケティングの基礎3 マイケル・ポーターから5つの競争要因を学ぶ

マーケティング

重要な5つの競争要因とはなんだろうか

ポーターは、アメリカの経営学者です。1980年に出版した代表作『競争の戦略』は、MBA取得者が選ぶお勧め経営学書ランキングで1位に輝いたこともあります。

ポーターは、企業の競争戦略を考える際には、重要な5つの競争要因を考慮する必要があるといっています。

1. 新規参入の容易さ
お金を投資して育てたビジネスが誰でも簡単に真似できるものだとしたら、企業にとってはとてもリスクがあります。

例えば、規制に守られた業界は新規参入が難しく(参入障壁が高い)、競争優位に立てると考えられます。逆に、政治を利用して規制を撤廃させ、新たに新規参入する企業もあります。

2. 代替品の有無
もし、自社の商品が無くなったとき、顧客は他の商品で代用できるでしょうか。たとえば、トイレットペーパーなどの日用品は代替品が多いですが、iPhoneのようにブランド価値の高い商品は代替品が多くありません。

代替品が無ければ、企業は値段を高めに設定することができ、競争優位に立てると考えられます。

3. 供給業者との関係
材料や商品を仕入れる際に供給業者の力が強ければ、自社で仕入れ価格をコントロールするのが難しくなるでしょう。反対に、自社が供給業者より強い立場にあれば、価格交渉などで有利となり、競争優位に立てるでしょう。

4. 買い手との関係
これは、需要と供給で考えることができます。需要が供給を上回れば、企業は価格を高めに設定できるなど、買い手である顧客よりも競争優位に立てると考えられます。

5. 競合との関係
もし競合が強すぎるのであれば、同様の商品やサービスでは太刀打ちできません。たとえば、ハンバーガー業界に参入しようとしたとき、普通のハンバーガーではマクドナルドに太刀打ちできないと考えます。

そこで、高級ハンバーガーを提供したり、オリジナリティの高いハンバーガーを主力に掲げたりと、違いを打ち出すことで競合がカバーできていない顧客にリーチすることができます。

もちろん、競合のいない市場へ参入することも一つの方法です。

時代はマーケティング4.0へ

マーケティング

マーケティングは、時代とともに変化する

マーケティングは、長い歴史の中で発展してきました。1950年代には、大量生産・大量消費の時代を迎え、製品を中心としたマーケティングが一般的でした。この時代を、マーケティング1.0と呼びます。

1970年代に入ると、石油ショックなどでビジネス環境が変化することによって、消費者のマインドが冷え込みました。作っても売れない時代になり、消費者中心のマーケティングが重要視されるようになったのです。この時代を、マーケティング2.0と呼びます。

マーケティング3.0とは

マーケティング

会社とその商品は、どんなビジョンを持っているのか

2000年代に入るとITが登場し、FacebookやYouTubeなど個人が活躍できる時代になり、人が中心のマーケティングが求められるようになりました。この時代を、マーケティング3.0と呼びます。

この商品はどのようなビジョンで誕生したのか
この商品は社会的にどのような価値があるのか

こうした発想で生み出された商品は人の心に何かを訴えかけるのです。製品価値主導のマーケティングとも言われます。

◆事例

バッグや小物を販売するマザーハウスは、商品をバングラディッシュなどの途上国で作らせることにより、社会貢献をしています。

そのビジョンに共感した消費者は、「マザーハウスの商品を持ちたい」と考えるのです。

そしていま、マーケティング4.0の時代に

マーケティング

この商品を買うと、どんないいことがある?

2016年ころから「マーケティング4.0」という言葉が使われるようになりました。人が中心のマーケティングに加え、もっと精神面にフォーカスしようというものです。

この商品は顧客の何を実現できるのか

こうした発想のもと、顧客の自己実現に寄与し、顧客に驚きや感動を提案する商品開発が求められるようになりました。

◆事例

スポーツドリンクのレッドブルは、その味を宣伝することはしません。

音楽フェスや優れたアーティストのスポンサーになることで、消費者が「かっこいい」「楽しい」「あんな人になりたい」と感動した時、その横に「レッドブル」の名前があるのです。

「自己実現を応援します」というメッセージが商品のブランド価値を高めています。

コトラーは、マーケティング4.0を実践するための理論として5A理論を提唱しています。

認知(Aware)→ 訴求(Appeal)→ 調査(Ask)→行動(Act)→奨励(Advocate)

これらは消費者の購買プロセスを表しています。企業側の立場で考えると、商品を認知してもらい、魅力を訴求して、ネットでの評判や他社製品との比較などを調査してもらいます。

そして、購入への具体的な行動を促し、その商品の良さをSNSなどで他者へ推奨してもらう、という流れです。

マーケティング4.0では、特に最後の「奨励」のプロセスが重要で、商品のファンになってもらうための戦略が求められます

もっと詳しく勉強したければ、最近出版された『コトラーのマーケティング4.0 スマートフォン時代の究極法則(2017・朝日新聞出版)』を一読してみるとよいでしょう。

デジタル化が加速する現代のマーケティングは面白い!

マーケティング

現代で求められる新しいビジネススキル

マーケティングとは、広義の意味でいえば、モノやサービスを顧客へ提供するためのプロセスを最適化させることです。職場においてマーケティング担当者の役割はますます高まっています。

その理由のひとつが急速なデジタル化。従来は営業パーソンが足を動かしてモノやサービスを販売してきましたが、デジタル技術が飛躍的に進歩したおかげで、販売のチャネルが多彩になり、従来の「営業」という枠組みだけでは十分ではなくなったからです。

営業だけではなく、開発からPR、アフターケアまで一連の流れを俯瞰して考えることのできるマーケティング担当者が、いま求められています

マーケティング担当者には、最先端のマーケティング理論を理解することだけでなく、膨大な顧客データや商品データを駆使して新しい知見を見つけ出す分析能力も必要です。

あなたもこの機会にマーケティングを基礎から学んでみてはいかがでしょうか。

転職やシゴトに関するお悩みはジョイキャリアカウンセラーにご相談ください!

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伊藤祐介

伊藤祐介

「世の中に届ける情報は自分の目と耳で確かめたものだけ』をモットーに、取材と撮影をベースにした執筆を続けています。サラリーマン経験が長く、ビジネス系のコンテンツ制作が主戦場。それでも最近はグルメ本の制作、動画制作など幅を広げています。

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