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紺野うみ

紺野うみ

平日はフリーライター、休日に巫女としてご奉仕。 神社・神道・生き方・心理学・自己分析・心について記事を執筆。すべての人が前向きに、自分らしく生きるために大切なことを伝えている。 巫女ライターとしては、「書くこと」を通じて神様へのご奉仕を形にすべく、神道・神社・神様の心の本質を伝えることを使命とする。

2020年1月3日

地域を守る神社の役割とは?神主や巫女だけではない。神に仕える尊い仕事4選

神社の仕事4選!地域を守る神社の役割とは?

お正月は、初詣のために神社へ足を運ぶことも多いはず。私たちは「参拝者」として、外から神社を眺めることこそありますが、その中にいる人のことを「職業」として考える機会は、意外と少ないのではないでしょうか。

神主や巫女は、日頃、神社でどのようなことをしているのか……。「仕事」としてはあまり実態が知られていないのですが、「神社」に関わる職業は、他の職種とはまた違った特殊な世界だといえるかもしれません。

今回は、神社という場所に関わる4種類の職業――「神主」「巫女」「楽師」「宮大工」について、ご紹介したいと思います。

神社で働くには「奉仕」の心が必要

神社で働くということは神様にご奉仕するということ

この記事では、神社に関わる職業を4つご紹介しますが、4つのお仕事すべてに共通していえることがあります。それは、神社で働くということが、第一に「神様のためにご奉仕をすること」であるという根本的な点。これは、本来「神様のための場所」である神社で働く上では、非常に重要な心構えだといえるでしょう。

神社で働くことを「奉職」と呼ぶ

神社で働く人は、会社員とは違い神様を第一に考えている

普通の会社やお店とは違い、人の都合ばかりでなく、まずは神様のために「奉仕」をする立場であるということが、神社で働く人たちには大前提としてあります。神社で仕事をしている方々は、「神社に勤める」という表現ではなく、「神社に奉職する」「神社でご奉仕する」といった言葉を使うことが多いです。これは、まさに神様に「職を奉じる」「お仕えする」といった想いから生まれた表現だといえるでしょう。

神様にお仕えする気持ちを忘れない

神社には必ず神様が祀られている

神道では「八百万(やおよろず)の神」といって、この世のあらゆるものには神様が宿っているという考え方があります。

どこの神社にも、必ずお祀りしている神様(=御祭神)がいらして、それも一柱だけでなく、複数の神様が併せてお祀りされていることも多いです。(※神様は「一柱、二柱」と数えます。)

神社で働く人々は、その神様方が心地よく過ごしていただける「神社」になるよう一生懸命お仕えし、人々の健やかな暮らしと祈りが神様からのお導きによって叶うように、神社という空間を守り受け継いでいるのです。

神社に関わる4つの職業をご紹介

早速、神社の仕事をみてみよう

それでは、実際に神社に関わる仕事にはどのようなものがあるのか、ひとつずつご紹介していきましょう。

神社で働く人【1】神主(かんぬし)

神社の仕事といえば神主!

神主は、神様に捧げる「祭祀」を執り行うお役目の他、神社を維持・管理するための「社務」を幅広く担っています。「祭祀」においてはとくに、神様に「祝詞(のりと=神様に述べる特別な言葉)」を奏上するお役目があり、御神前での立ち居振る舞いなども心得ていなくてはなりません。そのため、神主になるには「神職資格」の修得が必要です。

この資格を得るために、現在は次のような3種類の方法があります。

  • 神職資格取得課程がある大学(皇學館大学か國學院大學)に進学し、定められた課程や実習を修了すること
  • 神社が運営する神職養成所(熱田神宮学院など、全国に6ヶ所)に、2年間通うこと
  • 通信制の学校(大阪国学院のみ)で学び、定められた課題や実習を修了すること

この中で、大学進学以外は、各都道府県にある「神社庁」の推薦状が必要になります。

神主には神様のために祭祀を行うという、神社において最も重要な役割があるため、その道のりは決して平坦ではありません。しかし、こうしてしっかりと学んで奉職をするからこそ、人々の願いを神様に届けるお役目を果たせるようになるのです。

神主には、会社における役職のような「職階」と、学びの段階に応じた「階位」という2種類の位があります。その位が上がることで、各神社の重要な役職に就くことができるようになり、神主の装束である袴の色も変わっていきます。

また、祭祀以外の「社務」においては、注連縄(しめなわ=悪いものが入れないよう神域を区切り、守る縄)の紙垂(しで=注連縄や榊の枝などに下げる白い紙で、聖域を示す)を手作りしたり、その多くが屋外である神社境内の整備や清掃、事務的なことも含めて幅広く行っています。

一日の仕事や必要なスキル、年収を知るには職業ナビ!
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神社で働く人【2】巫女(みこ)

神聖なイメージのある巫女に憧れる女性も多い

巫女は、神社においてとくに、人々が親しみを感じる存在かもしれません。白衣に緋色の袴をはいた若い女性が、境内の掃除や参拝者の対応や受付を任されていることが多いので、神社を訪れた人々と接することの多い存在です。

巫女の主なお役目は、神主の補佐。神主とは違って、専門の資格がなくてもなることができます。しかし、神社によっては年齢の制限や奉職できる年数が定められていたり、未婚の女性といった条件があったりする場合が多いので、長く神社に「巫女」として奉職し続けることは稀です。巫女として奉職していた女性が、やがて神職の資格を修得し、女性神職(神主)になるといったケースもあります。

そのようなわけで、巫女が正規の職員(いわゆる正社員)として働けることは少なく、大きな神社であれば数人程度、という場合がほとんどです。神社はたいてい、お正月や七五三などの忙しくなる時期に、巫女をアルバイトや助勤という形で増やして対応しています。

巫女に興味のある方は、年末の時期に各神社が出している巫女アルバイトの募集を確認してみるとよいでしょう。

純粋に神様を愛し、人々との架け橋をするような奉仕の心さえあれば、女性が神社で奉職をする入り口として、巫女は最適だといえるかもしれません。参拝者の方々を笑顔でお迎えし、神様に親しみを感じられる空間にすることで、その神社を好きになっていただけるように努めるのが、巫女の大切なお役目です。

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神社で働く人【3】楽師(がくし)

雅楽は厳かなイメージを与える

一般の方にはあまり耳慣れない職種かもしれませんが、楽師とは、主に神社の祭祀などを中心に雅楽を奏する人のことをいいます。「伶人(れいじん)」や「楽人(がくじん)」という呼ばれ方をすることもありますが、神前結婚式やお正月の祭祀などで、雅楽を奏楽している姿を見かけることが多いです。

笙(しょう)、篳篥(ひちりき)、龍笛(りゅうてき)などの楽器があり、土日や祝日には神社における祭典の出張奉仕、平日にはさまざまな場所で稽古指導を行うなど、全国各地を飛び回っています。中には雅楽を奏するだけでなく、その楽器の制作を行える人もいるなど、長くその道を究めている人が多い世界だといえるでしょう。

神社における祭祀では、楽師から雅楽を学んだ神主や巫女などが、祭員として演奏奉仕を行う場合もあります。雅楽の世界も、練習や経験を積みながらその道を究めていくものですから、技術を体得する根気と誇りの気持ちが大切です。

雅楽の世界にはいくつかの団体がありますので、その中に所属し「楽」の技術を習うことが、楽師への道の一歩目になるでしょう。さまざまな神社の大切な場面で、神様のために楽を披露するという、伝統的で格式高いお仕事のひとつです。

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神社で働く人【4】宮大工(みやだいく)

全国の神社仏閣を渡り歩く宮大工もいる

宮大工とは、神社やお寺の建築や修繕を専門としている、大工さんのこと。これは神社に専属で常駐しているわけではなく、神社仏閣の建築・修繕を請け負っている工務店への就職が必要になります。

神社やお寺などの建物は現代建築とは違い、通常の家やビルを建てるときのように釘などを使用することがありません。木材を巧みに組み合わせる「木組み」という、伝統的な特殊技術が用いられています。

宮大工は「資格」こそ必要ありませんが、このような特殊な技術を習得するために、棟梁(とうりょう)のもとでの見習いから始まり、ある程度の修行が不可欠です。そして、ものづくりの世界では共通することかもしれませんが、神社の建物には細かくて特殊な技術の要る装飾なども多いため、手先の器用さや芸術的なセンスも磨いていかなくてはなりません。

宮大工には、後世に神様のためのお社を守り受け継いでゆくための、確かな技術が求められているのです。

いきなり宮大工を目指すことが難しい場合は、まず一般的な建築について学び修行を重ねることで基本的な技術を身につけて、後から宮大工の道を目指す人も多いようです。

神社やお寺などの建造物は、古くから大切に継承されているものばかりで、文化財などの補修を手掛ける必要も出てきます。さまざまな深い知識と経験を身につけた、熟練の技が求められる世界でもあるといえるでしょう。

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神社を維持・管理する大切な役割とは

神社はそこで働く人と地域の住民によって維持管理されている

神社には、人々の心に神様への信仰心を育て、後世にその存在と御神威(=神様からのお導き)を伝え受け継いでゆくという大切な役割があります。私たちがお詣りをする際に「お賽銭」を入れたり、御奉納や御初穂料を納めたりすることによって、神社という場所は大切に維持管理され、長くこの世に残り続けることができるのです。

この場所で働く人々は、まず神様のために日々祭祀を行いながら、多くの人の心に寄り添う「神社」を守ることで、心地よくその場所を訪れていただけるよう一生懸命ご奉仕をしています。

伝統ある神社を後世に伝え遺すこと

神社は日本の文化でもある

多くの神社は何百年、何千年という果てしない時を越えて、その時代時代を生きる人の暮らしの近くに在り続けてきました。現在は、小さな神社も含めれば、実に8万社以上が全国に点在しています。

宗教という以前に、日本における「文化」と深いつながりを持つ神道。その拠点ともなる神社を人々の心にしっかりと結びつけ、これからも大切に遺していくことが、神社で働く人たちの役割です。

神様と人とを結ぶ「架け橋」になること

神社で働く人は神様と私たちをつないでくれている

神様は目には見えない存在ですが、だからこそ、同じように目に見えない私たちの心を支え、正しい道を照らしてくれる光になります。

神社でご奉仕をする人々は、そんな神様と人を結ぶ「架け橋」のような存在でいなくてはいけません。誰にとっても心地よく、明るく前向きな心を取り戻せる場所として、神社がいつまでも在り続けるように奉職をしているのです。

まとめ

穏やかな気持ちで自然に触れられることも神社の魅力

八百万の神様をお祀りし、そのお膝元で神様のためにご奉仕をする。そして、その地域の輪を作り、多くの人々の心の支えとなる場所が神社です。まずは神社に足を運んだ際に、その場所を守るためにどんな人たちがどのように働いているのか、ぜひ見てみてください。普段とは少し違った目線で、「神社の仕事」を垣間見ることができるのではないでしょうか。

出典:職業ナビ
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紺野うみ

紺野うみ

平日はフリーライター、休日に巫女としてご奉仕。 神社・神道・生き方・心理学・自己分析・心について記事を執筆。すべての人が前向きに、自分らしく生きるために大切なことを伝えている。 巫女ライターとしては、「書くこと」を通じて神様へのご奉仕を形にすべく、神道・神社・神様の心の本質を伝えることを使命とする。

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