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伊藤祐介

伊藤祐介

「世の中に届ける情報は自分の目と耳で確かめたものだけ』をモットーに、取材と撮影をベースにした執筆を続けています。サラリーマン経験が長く、ビジネス系のコンテンツ制作が主戦場。それでも最近はグルメ本の制作、動画制作など幅を広げています。

2020年1月17日

防災業界にはどんな職業がある?安全を守る 防災に関わる仕事6選【防災とボランティアの日 特別企画】

1月17日は「防災とボランティアの日」です。1995年の1月17日に発生した阪神・淡路大震災を契機として、ボランティア活動への認識を深め、災害への備えの充実強化を図る目的で制定されました。1月15日から21日までを「防災とボランティア週間」として、防災活動の普及を目的として講演会や展示会などが全国で行われます。そこで今回は、防災に関わるさまざまな仕事を紹介します。

災害から人々を守る!防災に関わる仕事6選

災害現場で活躍する自衛隊

災害時に頼りになる自衛隊

自衛隊は、全国に260拠点を持つ、国防を担う組織です。戦車や艦艇、航空機などの最新装備を研究・開発したりもします。そう聞くと「戦う組織」というイメージを持つ人も多いと思いますが、日本国内でニュースに取り上げられるのは、戦う組織としての自衛隊ではなく、災害救助などに尽力する「助けてくれる組織」としての自衛隊です。

災害が発生した場合は、地域の消防団などが支援にあたります。もし被害が大きい場合は、都道府県の長が国に対して「災害派遣」を要請します。そうすることで自衛隊が被災地へ派遣されるのです。
消防団と自衛隊の大きな違いは、訓練の練度です。自衛隊は、ガスや電気、道路などのインフラが遮断されているような過酷な場所でも活動できるように訓練されています。東日本大震災をはじめ、熊本地震や台風被害における被災地で自衛隊は被災者の救出や給食支援、給水支援、物資輸送、二次被害の抑止などに貢献しました。

自衛隊に入隊し、陸上自衛隊・海上自衛隊・航空自衛隊のどの隊に配属されても災害派遣の任務に就く機会があります。どの隊に所属しても、被災地の過酷な状況で活動できるよう、隊員はしっかりと訓練を受けることになり、それに耐えられるだけの体力・気力が求められるのです。

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女性も活躍する消防士

消防士は人命や財産を守るのが仕事

消防士は、地方自治体に属する地方公務員です。地方公務員試験に合格すると配属先が決まり、消防署勤務が始まります。消防士になるには、18歳から29歳までの年齢制限や、聴力が両耳とも正常であることなどの身体的制限をクリアしなければいけません。平成29年度の東京都の倍率は32倍だったことからも分かるとおり、消防士はとても人気の高い職業です。高い倍率を勝ち抜かなければなりません。

消防士の任務は大きく3つに分けられます。

火災現場で鎮火にあたる「消火隊」としての任務
別名「ポンプ隊」とも呼ばれています。火災現場だけではなく、車の事故現場にも駆けつけ、エンジンオイルが漏れて火災が発生することを未然に防ぐ役割も担っているのです。

患者への処置や医療機関への搬送を行う「救急隊」としての任務
救急隊員の資格を持つ者たちだけで構成されており、中には国家資格「救急救命士」の資格を持つ者もいます。医療現場にも近く、幅広い活躍が期待される任務です。

人命救助に特化した「救助隊」としての任務
別名「レスキュー隊」とも呼ばれています。火災現場はもちろんのこと、地震や洪水、台風などの被災地にも出かけて救助活動を行う仕事です。

3つの任務のほかにも、防災を目的にしたイベントを主催するなど、防災活動の大きな役割を担っています。近年は、女性消防士の活躍も話題になっています。

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消防庁 理系行政官

理系の人材には活躍の場が多い

国家の消防防災体制を担うのが消防庁です。消防本部が全国に732あり、職員数は約16万人。消防団員約85万人を束ねる大きな組織です。全国の消防本部や都道府県・市町村の危機管理局と共に防災・被災地支援などに取り組んでいます。

地域の消防力では対処できない大規模地震や台風などの自然災害、大規模事故、テロや有事などの緊急事態に際して、緊急消防援助隊の派遣などを行い被災地の支援にあたっているのです。

消防庁で働く理系行政官は、高齢化社会やICT活用など、社会の流れに適した合理的な安全対策を、科学技術の側面から企画立案する役割を担います。消防研究センターや関係メーカーと協力しながら仕事を進めていく上で、専門知識を持つ理系の行政官が必要とされているのです。

平時は、消防体制・活動環境を整備したり、救急救命体制を強化したりします。火災原因や事故原因の調査や地域防災を支える自主防災組織の育成に努めることも仕事のひとつです。

災害時には、緊急消防援助隊の出勤要請や指示、オペレーションを行います。ヘリコプターやテレビ伝送システムなどを用いて被災地の情報を収集する役割も。被災地にかけつけ、現地の対応方針を調整するなど、司令塔としての役割が求められます。

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防災・危機管理コンサルタント

経験や知識を生かせる専門職

防災分野で活躍する組織を側面から支援するのが防災・危機管理コンサルタントという仕事です。主な役割は、地域防災計画の改訂支援や庁内の災害対応マニュアルの策定支援など、災害対策の計画・立案です。官公庁に対してコンサルティングサービスを提供するため、高い知識と経験が求められます。

防災・危機管理コンサルタントには、コンサルティング会社出身の者もいれば元新聞記者などもいます。溢れる情報の中から必要な情報を見つけ出し、それを分かりやすく整理する思考力が求められるのです。新卒の人が目指す職業というよりも、ある分野で経験を磨いた人がキャリアアップの一環として目指す職業といえます。

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被災医療で活躍する医師

最前線で人命を救う医師

大きな災害が発生すれば医療の重要性は高まるでしょう。災害発生から48時間以内に活動できる専門的な訓練を受けた医療チームをDMATと呼びます。普段は指定医療機関のスタッフとして働き、緊急事態が発生したときだけ結成されるチームです。DMATは、医師をはじめ、看護師や救急救命士、薬剤師などによって構成されています。

DMATで活躍したい医師は、DMATの指定医療機関に勤めることが必要です。その上で、医療機関のDMAT隊員候補として選抜される必要があります。その後、DMAT隊員の研修を受け、5年ごとに資格の更新が必要です。

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災害時さまざまな役割を担う看護師

患者に寄り添う看護師

看護師は、治療を受けながら生活する患者の援助を行うのが主な仕事です。患者に寄り添いながら、専門的な知識や技術に基づいて患者をケアします。

あまり知られていませんが、災害が発生したときには、医療・介護が必要な避難者へのケア、感染症アセスメントと環境衛生、感染管理措置の対応・隔離者のケアを行うなど、活躍の場は多岐に渡ります。看護師になるには、国家試験の看護師国家試験への合格が必要です。

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他にもある防災関連の仕事とボランティア

さまざまな防災グッズが開発されている

防災の分野に貢献したいと考えている人には、上記のお仕事のほかにもいろいろと活躍の場が用意されています。たとえば、防災グッズを開発する仕事です。携帯可能な「災害用トイレ」や、水害対策で水の浸水を防ぐ「水のう袋」など、企業がいろいろなアイデアで商品開発を進めています。

火災や大規模災害発生時に自宅や職場から駆け付ける「消防団」という仕事もあります。非常勤特別職の地方公務員です。災害活動や訓練に出勤した日数などに応じて数千円程度が支給されます。そのほか、年額として数万円の支給もあります。

水害の場合の泥出しや飼い主を失ったペットの世話、子供の遊び相手など、防災ボランティア活動も活発です。被災地でボランティアに参加したい人は、どの被災地にも設置されている「災害ボランティアセンター」で手続きしましょう。「災害ボランティアセンター」は、地方自治体が運営する組織で、各地から集まるボランティア団体や人の調整を行ってくれます。

まとめ:自然災害の多い日本では防災の仕事が必要不可欠

日本は他国と比べても自然災害が多い

全世界で起こったマグニチュード6以上の地震の20.5%は日本で発生しています。地震や火山噴火をはじめ台風や大雨、大雪、洪水、土砂災害、津波など、日本は自然災害が多い国なのです。防災に関する仕事は、日本の未来を支える重要な役割を担っています。「防災とボランティアの日」が、若い人にとって防災について考える一助になればと願っています。

出典:職業ナビ
出典:消防庁総合職技術系採用案内
出典:公務員総研 災害派遣医療チーム「DMAT」「DPAT」とは?誕生の経緯と活動内容
出典:株式会社総合サービス
出典:自然災害の多い国日本

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