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みよたかこ

みよたかこ

人材業界で10年以上働きながら、ライターとしても活動する就職氷河期世代。翻訳書出版の経験も持つ。現在の執筆テーマは、社会人のキャリアやスキルアップ、女性の生き方など。趣味は飲酒しながらの料理。

2020年2月28日

「スキルアップに取り組んでいるのに、仕事ができるようにならない」と悩む人に足りないもの

何かの分野でスキルをつけようと学習をしているものの、いまひとつ仕事の成果につながっていないとお悩みではありませんか?

せっかく努力を重ねているのだから、そんな悩みはいち早く解消したいですよね。どうすれば身につけたスキルが仕事での成長につながるのでしょうか。そのヒントを探っていきたいと思います。

仕事をしながらスキルアップに取り組む時点で少数精鋭

自分で学習している社会人は意外と少ない

「あなたは、何かのスキルを伸ばすために勉強をしていますか?」

この質問にYesと答えられるだけで、あなたはすでに少数精鋭です。まずは自分の努力を讃えてあげてください。

実は、社会人の大半は何も勉強していない

リクルートワークス研究所の調査によると、自分の意志で自己学習をしている社会人は3割程度しかいないという結果が出ています。この調査での「自己学習」は、講義を受講するというものから、本を読む、詳しい人に話を聞くといったすぐにできることまでを含みます。にもかかわらず、社会人の大半はスキルアップのための行動をまったくとっていないことが判明しました。

もしあなたが、社会人として働きながらスキルを伸ばす努力をコツコツしてきたならば、その時点で一歩リードしているのです。

そのスキルアップには目的がありますか

少数精鋭のあなたに、もうひとつ質問です。そのスキルアップの目的は何でしょうか?

流行りものや、何となく興味があるだけの分野のスキルほど仕事にいかすことが難しくなります。スキルをいかす場がなかったり、そもそも課題意識がないので仕事へのいかし方が想像しにくいからです。

スキルアップはあくまで目的に対する手段です。目的がはっきりしない場合は、学ぶ目的から見直してみてください。

身につけたスキルを仕事で使える状態にする方法

実践の仕方を工夫しよう

目的をもってスキルアップのための努力を重ねてきたのに、仕事にいかせている実感が持てないと悩んでいるなら、以下のことを実践してみましょう。実践する場は、「明日の会議」や「上司へのメール」など。小さなことからの方が始めやすいです。

学んだことを仕事で使える状態にするには、頭の中で「抽象」と「具体」を往復させることがポイントです。どういうことなのか、例とともに見ていきます。

学んだことをまず実践してみる(抽象→具体)

書籍を読んだりセミナーで聞いたりする内容は、抽象的な表現であることが多いです。例えばコミュニケーション力であれば、

  • まず、相手の関心をおさえることが不可欠である
  • 結論から伝え、理由を必ず添えることが重要
  • 相手の感情面にも配慮する

といった表現で頭の中に記憶されています。

この状態では、いつまで経っても仕事ができるようになりません。なので、まずは日常業務の一場面を決めて、とにかく実践してみましょう。

上司に何かを報告する場面であれば、以下のように具体的に考えてみます。

  • 相手の関心をおさえる
    →報告内容のうち、上司がとくに関心があることや気にすることは何かを書き出してみる。わからなければ、周囲の先輩や同僚に相談する。
  • 結論から伝え、理由を必ず添える
    →話す内容の流れをあらかじめシミュレーションしておく。上司の関心事を含めることも忘れない。
  • 相手の感情面にも配慮する
    →報告内容について上司はどう思っているのかも心づもりしておく。ポジティブに受け止めているのか、あるいはネガティブに思っているのか、何も感じていないのか。そして実際に上司に報告を行う。

これが、「抽象」を「具体」にする実践です。

具体的な経験から気づいたことをメモする(具体→抽象)

お気に入りのノートを1冊用意してみて

実践すると、うまくいった点、逆にうまくいかなかった点が出てくるはずです。新たに気づいたこともあるでしょう。

経験から気づいたことをメモし、振り返っておくことが次のステップです。これが「具体」から「抽象」を紡ぎ出す営みとなります。

先ほどのコミュニケーションの例であれば、以下のような振り返りができるでしょう。

  • 相手の関心をおさえる
    →事業全体への影響など、上司の立場で考えきれていなかった。相手の関心事を考えるときは、相手の視点を意識することが大事だ。
  • 結論から伝え、理由を必ず添える
    →これは実践できた。自分が得意なところかもしれない。次はもっと端的に伝えられるようにしたい。
  • 相手の感情面にも配慮する
    →今回の報告内容については、自分の予想通り上司はポジティブに思っていたようだ。しかし今回はたまたま予想が当たっただけであり、予想外だった場合のシミュレーションをしておくことも必要なことに気づいた。

また別の場面で実践してみる(抽象→具体)

もともと得ていた知識と、実践で気づいたことの両方を踏まえて、また別の仕事で試してみましょう。前回よりもさらに、学んだスキルを使えている感覚が持てているはずです。

この「抽象」→「具体」→「抽象」……のサイクルを地道に繰り返すことで、スキルを仕事で使え、仕事ができるようになっていく手応えを得られていきます。

最初から成果が出なくとも気にすることはありません。千里の道も一歩から。続けることが大切です。

仕事でスキルを試す機会がなかったら

努力して身につけたスキル。いかす方法を考えてみよう

学んでいる分野によっては、今すぐに実践する場がないこともあるでしょう。そのような時でもあきらめず、自分で実践する場をつくることが大事です。せっかく身につけたスキルも、使わなければあっという間に忘れていきます。

自分でチャンスをつかみに行く

専門的なスキルほど、その分野の仕事に就いていない限り、すぐに仕事で使えないことのほうが多いでしょう。努力してスキルを身につけた分野の仕事をしたいならば、上司に打診したり社内の異動申告制度を使ったりして、チャンスを獲得すべく行動してはいかがでしょうか。

その分野の業務経験がなくとも、自分の努力でスキルを磨いていることが評価されてチャンスをつかめることもあります。筆者の友人はメーカーで営業職をしていましたが、商品企画の仕事を希望していました。そこで働きながらビジネススクールに通い、経営学を学んだのです。経営視点で商品企画をしたいと異動希望を出し、今は通信販売用の商品を企画する部門で活躍しています。

ほかの人になったつもりでシミュレーション

アウトプットしてみることが大事

自分が学んだ分野の仕事に携わっているつもりで、分析をしたり企画を立ててみたりすることも実践のひとつです。たとえば、

  • マーケティングの知識をつけたなら、マーケティング担当者になったつもりで自社の商品のマーケティング企画を一から考えてみる
  • 会計を学んだなら、自社や競合他社の財務諸表を分析してみる

といった形で、擬似的に実践してみてください。さらに、同じ分野を学んでいる仲間と勉強会をしてフィードバックをし合うと新たな気づきがあるでしょう。

副業など社外で機会をつくる

勤務先が副業を認めているなら、副業でその機会をつくることを考えてはいかがでしょうか。

インターネット上で企業が業務を発注する「クラウドソーシング」へ登録することもその方法のひとつです。仕事にできそうなスキルを少しでも身につけているなら、「ランサーズ」や「クラウドワークス」などのクラウドソーシングサービスを利用して案件を探してみるといいでしょう。

あるいは、リーダーシップの知識をつけたので実践したいものの、会社ではまだ管理職ではないし副業でも実践しにくいこともありますよね。そんなときは、ボランティアなど社外の活動に参加してみると実践の機会が得られる可能性があります。

まとめ:自分で機会をつくり、「抽象」と「具体」を繰り返す!スキルアップした分の成果を出そう

日々の積み重ねこそが仕事での活躍につながる

まずは、スキルアップした知識や経験を使う機会がないとあきらめず自分で探してつくりましょう。機会がなければ、そのスキルはいつまでも「使える」状態にはならず、いつしか錆びついてしまいます。

スキルを仕事で使えるようにすることは、スポーツと似ている面があります。野球の本を10冊読んでも野球はできるようにはなりません。打席に立って実践を積み重ねることで上達していくわけです。まずは自分を打席に立たせてあげましょう。

そして先ほどご紹介したように、頭の中で「抽象」と「具体」を繰り返して、実践を通してスキルアップした能力を仕事で使える状態にしていってください。努力を積み重ねた分だけ、仕事もできる自分になっていきたいものですね。

出典:「全国就業実態調査 分析報告書」-リクルートワークス研究所
出典:ランサーズ 
出典:クラウドワークス 

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人材業界で10年以上働きながら、ライターとしても活動する就職氷河期世代。翻訳書出版の経験も持つ。現在の執筆テーマは、社会人のキャリアやスキルアップ、女性の生き方など。趣味は飲酒しながらの料理。

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