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お雑煮

お雑煮

1995年生まれ。浪人・留年経験を経て、総合出版社に内定。雑誌系Webメディアで編集・ライターを担当している。Twitter: @ozouni_es335

2020年3月16日

キャリアに迷いが生じたら「自己分析」をはじめよう。社会人におすすめしたい2つの自己分析

就職活動の選考対策として行う自己分析。実は社会人として働きはじめてからもう一度行ってみると、一層の効果を発揮します。今回は社会人になった今だからこそ向き合いたい、キャリア形成に役立つ自己分析の方法をご紹介します。

なぜ、社会人のキャリア形成に自己分析が必要なのか

自己分析を通じてキャリアを見つめ直すことができる

社会人の自己分析は、キャリアを正しくメンテナンスするためにあります。

社会人生活を続けていると、「仕事にやりがいを感じなくなった」「上司との相性が悪い」といった仕事内の不満や、「AIによって仕事が置き換えられてしまう」というような環境の変化、「スキルアップを目指した転職がしたい」「家庭を持ったので安定した職に就きたい」などの将来希望などでキャリアにまつわる決断のタイミングが多く訪れます。

しかし、そのまま漠然と仕事を続けてしまったり、不満を自覚しながら同じ環境に属しているとキャリア形成の機会を逃すことに。そうならないために自己分析を通じてキャリアをもう一度見つめ直しましょう。

近年は、ITの発達によって業界間の競争力が増したり、終身雇用が終わりを迎えたりと、労働環境が目まぐるしく変化しています。歳を重ねるごとに価値観や経験・スキルも変化します。適正なタイミングで自己分析を行うことで、生涯のキャリアに対して納得感のある決断ができるようになるのです。

学生時代とは違う社会人の自己分析

社会人の自己分析は「何ができるのか」を知ることが大切

まず、学生の自己分析と社会人の自己分析の違いを比べてみましょう。

学生時代の自己分析では、「社会人として何をやりたいのかを考える」ことが目的となります。たとえば、幼少期や学生時代の経験から、やりがいを感じたことや熱心に打ち込んできたものを探し出し、それらで培った能力をいかせる業界・仕事を探す、といった具合です。

一方で社会人の自己分析は、「何が仕事上の強みとなるのか・弱みをどのように乗り越えるかを考える」ために行います。今までの経験から自分を正しく理解し、強みをより高めていくと同時に弱みを克服していくことが大切なのです。

就活生と異なり、社会人はすでにキャリア形成がはじまっている状態です。自己分析を通じて明確な行動指針を組み立てることも重要になってきます。

自己分析を行うには、以下の手順がおすすめです。

1. 自己診断を行う

自身の特性や専門性を知るために、自己診断を行いましょう。「キャリアアンカー」や「エニグラム」などの自己診断ツールを使うと、より客観的に分析することができます。

2. キャリア・スキルを整理する

自身の現状や課題を知るために、仕事で培った経験やスキルを整理します。自己診断とキャリア・スキルの整理は、課題・改善点を考えるために重要な項目です。新卒入社後から現時点までのキャリア、資格や実績など、できる限り多く洗い出しましょう。

自己分析を通じて、課題・改善点を見つけよう

3. 自己分析の目的を整理する

「自分がなぜ自己分析をしたいのか」を整理します。「仕事の目標を明確にしたい」「転職を成功させるために自己理解を深めたい」など、自己分析を行う理由は人それぞれです。職場環境や自身の感情の変化を振り返り、自身が自己分析で解消したい疑問を整理しましょう。

4. 課題・改善点を考える

1の自己診断で得た結果と3で整理されたキャリア・スキルから具体的な課題を考えましょう。今回は、課題・改善点を見つける方法として、「キャリアの3つの輪」「SWOT分析」について、のちほどご紹介します。

5. 行動指針を立てる

1〜4までの自己分析で得た結果を元に、転職やスキル取得をはじめ課題・改善点を解決するために必要な行動指針を組み立てていくといいでしょう。

キャリアデザインの3つの輪で、今の自分を知る

図「キャリアデザイン 3つの輪」

「キャリアの3つの輪」で、キャリア実現に必要なことを考える

ここでは、課題・改善点を探す方法についてご紹介します。

まずは、「キャリアの3つの輪」と呼ばれるフレームワークを使う方法です。

社会人生活に課題を感じていても、自己分析を実際にするとなると「何をしたらいいのかわからない……」と戸惑ってしまう方も多いのではないでしょうか。「キャリアの3つの輪」では、Will(=やりたいこと)/Can(=できること)/Must(=やるべきこと)という3つの視点に分けて考えるところから始めます。

Will(=やりたいこと)

キャリアの中で実現したい夢・目標を指します。これは具体的なキャリアイメージに縛られたものではありません。「今の仕事環境を抜け出したい」といった不満意識もWillのひとつです。このような場合は、さらに「今の環境を抜け出して、自分はどうなりたいのか」まで考えていきましょう。

不満のきっかけになっている欲求を見つめ直すことが大切です。

Can(=できること)

キャリアの中で培ってきた経験やスキルから、仕事にいかせることを指します。企画立案などの「経験」、営業実績や資格取得などの「能力」、リーダーシップを活かしたチーム統率経験などの「素養・強み」 がこれにあたります。

Will,Can,Mustを理解して、理想のキャリア実現に繋げよう

Must(=自身がやるべきこと)

会社で自身がやらなければならない仕事や、期待されていることを指します。

WillとCanが重なる部分が「最も自分が実現したいこと」だと言われ、自分の欲求に対して、経験やスキルが最大限にいかされている状態です。

しかし社会人生活を送っている以上、仕事内容や業務指示によってMustが生じます。そのため3つの輪(Will,Can,Must)が重なる部分が、今の環境で実現できることになるのです。

理想のキャリアを実現させるには、3つの輪が重なる面積を増やす必要があります。それには、スキルの習得によってCanの領域を広げたり、転職や異動希望によってCanとMustを近づけることが有効です。

「SWOT分析」を使って、自身のキャリアの弱点を知る

図「SWOT分析」

「SWOT分析」を使って、内部要因と外部要因を考える

課題・改善点を探す方法としてSWOT分析というものもあります。

SWOT分析を使えば、課題・改善点をより具体的に抽出することができます。これは企業が経営戦略を考える際に使う手法ですが、自己分析にも効果的です。

SWOT分析の特徴は、内部要因と外部要因を掛け合わせて分析を行うことです。ここでは内的要因を「自己にまつわること」、外的要因を「外部環境にまつわること」とします。

内的要因(自己にまつわること)

Strength(強み)

これまでのキャリア・スキル、年齢・性格から、自身の強みとなるもの、有利になるものを書き出していきます。

例:資格、マーケティング力、語学力、学歴など

Weakness(弱み)

自身の中にある弱みとなるもの、不利になるものを書き出していきます。

例:資格を有してない、語学力がないなど

外的要因(外部環境にまつわること)

Opportunity(機会)

キャリアを実現するために、プラスにはたらく外からの要因を書き出していきます。

例:働き方改革、会社が求めるスキル・ニーズ、競合が少なく専門性が高い職業など

Threat(脅威)

キャリアの実現を妨げる外からの要因を書き出していきます。

例:AIによる仕事の置き換え、景気悪化、昇進のチャンスがない仕事など

図「SWOTクロス分析」

「SWOTクロス分析」を行えば、課題や改善点が明確になる

それぞれの項目を一通り書き出したら重要な要素を抜き出し、「SWOTクロス分析」を行います。これは強み・弱みを、機会や脅威と掛け合わせる分析方法です。

SWOTクロス分析では、内的要因(強み・弱み)と外的要因(機会・脅威)をそれぞれ掛け合わせることで、キャリア実現のために必要な課題・改善策を知ることできます。掛け合わせるパターンは下記の4つ。上の図を例にして、どのように課題を導き出すか確認しましょう。

①強み×機会=強みをいかして、価値を高める
自身の強みと社会的な機会をいかして、どのように活躍できるかを考えます。たとえば図の主人公は、若い人材の活躍が期待されているなかで、自身のリーダーシップをいかし早期にマネージャーとして活躍することを目標としています。

②強み×脅威=強みをいかして、脅威を乗り越える
自身の強みをいかして、社会的な脅威をどのように克服できるかを考えます。図では、AIを活用して提案力を強化したり、社内競争に勝ち残るために専門知識を強化することを挙げています。また、ベンチャー企業の存在感が高まるなかで、キャリアアップを目指した転職も視野に入れています。

③弱み×機会=弱みを克服して、機会損失を防ぐ
社会的な機会を取りこぼさないよう、自身の弱みを克服します。図では、新規事業提案を踏まえた企画提案力の強化や、グローバル化に合わせた語学力の強化を挙げています。

④弱み×脅威=弱みと脅威によるリスクを防ぐ
自身の弱みを認識し、社会的な脅威をどのように回避するかを考えます。もちろん弱みを克服して、脅威を回避することも可能です。

しかし①〜③と比較すると、時間や労働コストがかかる一方、回避することによって得られるメリットは小さいことが予想されます。そのため弱みを認識したうえで、ほかの人材やツールを活用して脅威と向き合う方が現実的です。

たとえば図では、グローバル人材の増加を逆手にとり、グローバル人材と連携して自身のプロジェクトを強化することを挙げています。

SWOTクロス分析の優れた点は、自身の弱点と向き合えることです。自己分析ではつい、強みや実現したいことなど、ポジティブな課題を優先してしまいます。しかし「弱み×機会」の項目にあるように弱点を克服することで、今までは挑戦できなかった職種への転職をはじめ、新しい可能性が見えてくるかもしれません。

まとめ:社会人のキャリアで必要なことは、自己分析後の行動

自己分析の課題・改善点を積極的に行動に移していこう

今回は自己分析の方法をご紹介しました。しかし、何より大切なのは、自己分析で得た課題や改善点を具体的に行動に移していくことです。

たとえば、自身の理想のキャリアを実現するために職場異動が必要となる場合は、自己申告制度や社内FA制度などの人事制度を見据えた短期プランを組み立てていく必要があります。

行動は、転職などの大きな決断に限りません。理想のキャリアの実現に向けて、まずは日常のスケジュール管理や作業の無駄を見直したり、隙間時間を有効活用して資格獲得のための勉強を始めたりと小さいところから実践していきましょう。

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1995年生まれ。浪人・留年経験を経て、総合出版社に内定。雑誌系Webメディアで編集・ライターを担当している。Twitter: @ozouni_es335

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