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北 堅太

北 堅太

なんでも書きたい系ライター。シーランド公国男爵。本とアナログレコードを買いあさることで、今日も生きのびている。なんとなく、インタビューの仕事が多めです。

2020年4月26日

初任給をもらったらまず確認!初めての給与明細の見方

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4月末。新卒社員が会社から初任給を受け取る記念すべき時期。給与明細をはじめて手にとる人も多いのではないでしょうか。

最近では紙でなくウェブで発行する会社もありますが、基本的な記載事項は紙の場合と変わりません。給与明細に記載されている様々な内容を、あなたはどれほど理解しているでしょうか。もしかして、口座に振り込まれる額面だけを見てはいませんか?

自分と社会との関わりを知り、正しく将来設計を描くためには、給与明細の主要な項目を理解しておくことが大切です。

この記事のポイント
  • ①「締め日」までの給与が「支給日」に支払われる。給与があなたのもとに届くまでの流れを、あらためて理解しよう
  • ②給与明細の見方を紹介! 「勤怠」「支給」「控除」の3大項目を抑えて、詳細を具体的に知っておこう!
  • ③初任給では控除されない項目もある! 「額面」と「手取り」について。引かれるお金が、あなたと社会をつないでいる?

初任給をもらったら、給与明細をチェックせよ!締め日と支給日とは?給与明細を見る前に押さえておくべきこと

給料明細をもう一度チェックしてみよう

給与明細の項目を見ていく前に、給与が支払われるまでの流れを理解しておきましょう。

給与は基本的に月ごとに支払われますが、その際に起点となるのが「締め日」と「支給日」です。締め日と支給日は会社によって異なります。

締め日とは、社員がいつからいつまで働いたかの基準となる日のこと。たとえば、月末が締め日であれば、1日から月の最終日までで区切られます。10日が締め日であれば、11日から翌月の10日までで区切られるのです。

会社はその期間、社員が何日間働いたか、何時間働いたかを勤怠管理システムなどで把握します。締め日は月末の会社が多く、中には10日、15日ということもあります。

支給日とは、文字通り給与が支給される日のことで、「支払日」、「給料日」ともいいます。締め日を基準に算出した給料が、支給日に所定の口座に振り込まれます。締め日と同様、5の倍数の日であることが多く、25日や15日としている会社が多いです。

締め日と支給日は、「〇〇締め〇〇払い」とセットで呼ばれます。たとえば、「月末締め15日払い」は、「1日から月末までの給料が、翌月の15日に支払われる」ということです。

初任給をもらったら、給与明細をチェックせよ!給与明細の三大項目「勤怠」「支給」「控除」とは?

給与明細書の例

締め日と支給日を理解したところで本題に入りましょう。

給与明細の書式は会社ごとに異なりますが、どんな書式であっても大きく3つの欄に分かれています。ここではそのうちの2つ「勤怠」「支給」について、まず説明していきます。

・勤怠項目欄

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勤怠項目欄の一例。遅刻も残業もひと目で分かる!

勤怠項目欄には、締め日を基準に算出した、ひと月の出勤日数などが記載されています。出勤日数のほかには、残業時間、欠勤日数、有給消化日数、遅刻早退の回数などがあります。

会社が社員にいくらの給料を払うのかを決定するための、勤怠の情報が載っているということです。

・支給項目欄

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支給項目欄の一例。“総支給額”は、“もらえる金額”じゃないの?

支給項目欄には、会社が社員に支給する金額が記載されています

基本給に加え、残業手当、役職手当、通勤手当など、会社が社員に払う「基本給と諸手当を含めた総額が記載されるのです。

総支給額は、会社があなたに支給する金額ではありますが、給与として実際にあなたの手元に届く金額ではありません。総支給額から「控除」される内訳を、次で詳細に説明していきます。

初任給をもらったら、給与明細をチェックせよ!支給額から引かれる控除項目の内訳

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控除項目欄の一例。初任給は「0」でも、翌月からは…?

控除項目欄には、支給額から天引きされる税金などが記載されます。ここからは、その代表的な6項目について説明していきましょう。

①健康保険料

健康保険は、病気やケガが原因で医療機関にかかるとき、医療費の負担を一部肩代わりしてもらえる保険。会社員の場合は、「組合健保」か「協会けんぽ」のどちらかに加入することになります。

日本の大部分の企業は協会けんぽに属していますが、一部の大規模な企業は組合健保に属しています。これは、組合健保は共同または単独で3000人以上の従業員がいなければ、設立が許されていないという理由から。

健康保険料の計算方法は「標準報酬月額×保険料率」。標準報酬月額は年に1回、4月から6月の報酬の平均で決まります。新卒の場合、5月以降から徴収されるので、4月の健康保険料は0となります

保険料率は組合によってまちまちですが、平均は5%程度。協会けんぽの場合は、都道府県によって異なりますが、平均は10%程です。

従業員は保険料の半分を負担し、残りの半分は会社負担となります。給与明細には従業員が負担すべき金額が記載されています。自分の健康保険の負担率がどのくらいか、確認しておくといいのではないでしょうか。

②介護保険料

介護保険とは、病気やケガで自力で生活することが難しくなった際に、介護を受けることができる保険です。対象は40歳から64歳までの従業員となるので、新卒入社ではじめてもらう給与では控除されません

料率は会社員であれば、協会けんぽで1.73%に。組合健保の場合も同程度です。保険料は健康保険料と同様、会社と従業員とで折半となっています。

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未来に向けた投資

③厚生年金保険料

厚生年金保険料は、将来的に年金を受け取るために払うもの。国民全員が負担する国民年金と、会社員が支払う上乗せ部分をあわせて、厚生年金保険料として記載されています

上乗せ部分は会社との折半なので、会社員はそうでない人と比べ、お得により多くの年金を受け取ることができるということです。

こちらも健康保険料と同様、標準報酬月額と保険料率の掛け算で求められ、新卒1年目の4月はかかりません

厚生年金の保険料は2020年3月時点で、18.3%なので、従業員の実質の負担は9.15%となります。

④雇用保険料

雇用保険とは、失業時に次の職に就くために生活資金を国が給付する仕組みです。すべての会社の加入が義務づけられています。

保険料は2020年度は0.9%となっており、そのうち従業員が負担するのは0.3%。農林水産、清酒製造、建設業界の場合は少し異なりますが、どちらにせよ保険料のなかでは最も小さなもの。こちらは新卒1年目の4月から控除されます

なお、健康保険、介護保険、厚生年金保険、雇用保険の4種をまとめて社会保険と呼び、その合計額が「社会保険料」として記載されています

これらは課税対象外であり、これから説明する2種類の税金の課税額は、支給額から社会保険料を引いた値に応じて適用されます。

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どんな税金がどれだけ引かれているのか。「なんとなく」ではいられない

⑤所得税

所得税は、所得に応じて国に納める税金です。税金のため、保険のように支払いが後々返ってくるわけではありません。

所得額によって税率が異なり、所得が増えるほど税率も上がっていきますが、新卒の平均的な給与(20万円前後)の場合は、4000円程度からのスタートとなります。

⑥住民税

住民税とは、住んでいる市区町村に納める税金です。納付先は会社の所在地ではなく、社員の住む自治体ですが、会社に徴収の義務があります。

いくら徴収されるのかは、前年の所得によって決まります。前年を参照するため、つまり新卒1年目に限っては徴収されません

ちなみに住所は1月1日時点のものが参照されます。1年の途中で引っ越ししても、その年は引っ越し前の自治体に納めるルールとなっています。

初任給をもらったら、給与明細をチェックせよ!「額面」と「手取り」はどう違う?

「手取り」と「額面」の違いとは?

これら勤怠項目欄、支給項目欄、控除項目欄が給与明細の3つの項目です。よく給料の話をするとき「額面」「手取り」という言葉が飛び交うが、この違いをご存知でしょうか。

額面とは、支給項目欄に記載された金額のことを指し、それに対して手取りとは、実際に報酬として口座に振り込まれる額、つまり、支給額から控除額が引かれた額のことを指します。

額面と手取りを比べると、数万円は違うことがわかります。給与が上がれば上がるほど、この差は開いてくのです。特に新卒の4月は健康保険料や厚生年金保険料など、控除されない項目が多いため、手取りは多くなっています

しかし、5月からはそれらも引かれるようになるので「意外とこんなにもらえるの?」と油断しないよう注意しましょう。住民税は2年目から引かれることになるため、1年目でその分の貯金をしておくのが賢い選択です。

社会人のお金に関しては社会人になる前に知りたいお金のこと。給料から引かれるもの、仕事で動かす金額の記事でも紹介していますので、あわせてご覧下さい。

【まとめ】初任給の給与明細から、うかがい知れる多くのこと

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給料明細の項目を知ることで自分と社会のつながりがわかる

給与は、あなたの実績に対して会社が払うお金です。給与明細を見れば、自分が今、会社でどの程度の評価を受けているのかをうかがい知ることができます。給与が上がっていき、それが明細で確認できれば達成感ややりがいを得られますよね。

同時に、給与明細は控除額を把握することも大切です。特に税金は国や自治体に納めるもの。額面から手取りへ、実際にもらえる報酬が減るのは残念なことでもある一方、見方を変えれば自分と社会のつながりを感じ取ることもできるのです。自分で稼いだお金が国を支える一端を担っていると思うと、意義深いかもしれません。

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