この記事を書いたライター

伊藤祐介

伊藤祐介

「世の中に届ける情報は自分の目と耳で確かめたものだけ』をモットーに、取材と撮影をベースにした執筆を続けています。サラリーマン経験が長く、ビジネス系のコンテンツ制作が主戦場。それでも最近はグルメ本の制作、動画制作など幅を広げています。

2020年5月8日

医療業界で働く「人間の心と体を守る」医療・ヘルスケア分野の仕事7選

超高齢化社会を迎えた現在の日本では、労働人口の増加に向けて、健康寿命の延伸や健康経営など医療・ヘルスケア分野で活躍する人材へのニーズが高まっている。他人の命に関わることもある大変な仕事である一方で、やりがいのある仕事ばかりだ。

医者や看護師をはじめ、臨床心理士や医薬品開発者など、活躍のフィールドは多岐に渡る。今回は医療・ヘルスケア分野で活躍したいと考えている人のために、医療業界で将来性のある7つの職業を紹介しよう。いずれも「人の命を守る」という点に置いて大きな役割を担う職業だ。

新型コロナウイルス感染症への対応に奮闘する医療従事者たち

最前線で奮闘する医療従事者たち

日本では、古代の時代から医療の役割が大きかった。特に、首長には医療の技術が求められた。しかし、治療が成功しなければ首長の権威に悪影響を与えることから、首長とは別に「医者」という役割が誕生したと言われている。飛鳥時代になると、中国で発展した東洋医学が日本へと伝わり、試験に合格した者が官医として活躍した。その後、室町時代になると、ようやく西洋医学が日本へ伝わった。江戸時代に入ると、杉田玄白らが「解体新書」を出版したことで、西洋医学は日本で急速に広まった。

日本を代表する医者の一人といえば野口英世だ。細菌学者の野口英世は、子供の頃に火傷した左手を医者が手術してくれたことに感激し、「将来は医療分野に進もう」と決心したそうだ。2020年、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が蔓延するなか、医者や看護師など、医療分野で働く人達の奮闘ぶりがメディアで伝えられている。そうした姿を見聞し「将来は医療分野に進みたい」と考える人も増えるのではないだろうか。

しかし、医療分野の仕事といっても、そこには医者や看護師もいれば、医薬品開発者まで様々な専門家がいる。ここからは、医療・ヘルスケア分野の仕事7つを選定し、その特長を端的に紹介してみよう。

今後の活躍が期待される7つの職業

幅広い知識でカラダの内側を診る『内科医』の仕事

幅広い知識を求められるのが内科医の仕事

「医者」と聞いて多くの人が真っ先に思い出す姿は、街中の病院で働く医者ではないだろうか。風邪をひいたり、呼吸が苦しい時などに病院で診察してくれるその医者を「内科医」と呼ぶ。身体の内側の不調を診てくれるところに特徴がある。そのため、眼科医や歯科医を内科医とは呼ばない。

内科医になるためには、大学を卒業して医師の国家試験に合格し、医療機関で研修医として経験を積まなければならない。その期間中に自分の専門性に磨きをかけるのだ。内科医の専門とは、循環器内科や消化器内科、呼吸器内科、脳神経内科など多岐に渡る。将来、開業医として独立した時には、専門分野が一つの強みになる一方で、様々な症状をもった患者が来院するため、全般的な知識を必要とする仕事でもある。最近は、専門を絞り過ぎず病気全般の治療にあたることを志す総合内科という分野もある。お年寄りの患者は複数の病気を抱えていることもあり、総合的に診ることのできる内科医の需要がますます高まっているようだ。

一日の仕事や必要なスキル、年収を知るには職業ナビ!
▶︎「内科医の仕事を詳しく見る

映画やドラマでお馴染み病院の花形『外科医』の仕事

ゴットハンドとも称される外科医は技術職

漫画やドラマ、映画で題材に取り上げられやすい医者といえば「外科医」ではないだろうか。古くは手塚治虫の漫画「ブラックジャック」にはじまり、小説「白い巨塔」はテレビでも大ヒットした。最近では、テレビドラマ「ドクターX」や「A LIFE」が人気。そんな外科医にも、脳神経外科や心臓血管外科、消化器外科、整形外科など様々な専門がある。

外科医は、手術で治療にあたることが多いため、「手先が器用でなくてはならない」と言われる。また、1回の手術が10時間に及ぶこともあり、集中力も求められる。命に直結する重症患者を目の前にして、タフな精神力も必要だ。

外科医の行う手術は、一人で執刀できるものではなく、麻酔科医や看護師たちとうまく連携しながら行われる。そうしたチームを率いるリーダーシップも外科医には求められるわけだ。外科医という職業は、内科医や歯科医に比べて男性の割合が高い。

一日の仕事や必要なスキル、年収を知るには職業ナビ!
▶︎「外科医の仕事を詳しく見る

最前線で患者に寄り添う『看護師』の仕事

患者に寄り添い、とても感謝される看護師の仕事

医療チームの一員として患者さんを手助けするのが「看護師」の役割だ。看護師国家試験に合格し、看護師免許を取得してはじめて看護師を名乗ることができる。似たような職種として「准看護士」が挙げられる。看護師と准看護士で行う仕事内容に大きな違いはないが、准看護師が都道府県で認可される職種であるのに対して看護師は国家資格だ。

看護師は、病院に入院した患者が退院する時にとても感謝される仕事。その理由の一つは、血圧を測ったり、体温を測ったり、脈拍を測ったりと、看護師が患者さんと多くの接点をもつからだ。あまり感謝されない場面は、採血の注射をする時くらいだろう。

とても責任の重い仕事でもある。医師からの指示により、患者に対して点滴を行うのも看護師の役割だが、指示どおりに点滴をしなかったり、点滴の刺入部位を腫らせてしまったりすると、患者の命に関わる重大なミスにつながるからだ。ただ、誰かがやらなければならない仕事だ。責任ある立場を「遣り甲斐」と感じることができるのであれば、高いモチベーションで仕事することができるだろう。

一日の仕事や必要なスキル、年収を知るには職業ナビ!
▶︎「看護師の仕事を詳しく見る

日本でも注目されはじめた心の病を診る『臨床心理士』の仕事

心の病を治療する臨床心理士の活躍するフィールドが広がっている

職場では、働き過ぎや人間関係などに疲れて心を病んでしまう人が増えている。そうした心の問題を解決する職種が「臨床心理士」だ。昨今、注目されているのが労働分野で活躍する臨床心理士。パワハラやセクハラをはじめ、職場の人間関係に悩む上司の相談にのることもある。本人が不利益を被ることのないよう最大限の配慮をしながら会社組織の問題を解決する、とても遣り甲斐のある仕事だ。

司法分野で活躍する臨床心理士もいる。例えば、家庭裁判所では事件の調査官として関与したり、鑑別所では少年ごとの適切な処遇を検討したり、刑務所では受刑者に対してカウンセリングをしたりする。警察においては、非行少年の相談にのったり、犯罪被害者の心のケアをしたりもする。

臨床心理士は医者ではない。臨床心理士になるためには、日本臨床心理士資格検定協会の実施する試験に合格する必要がある。その試験を受験するためにも受験資格を満たす必要がある。主な受験資格は、指定の大学院を修了したり、臨床心理士を養成する専門職大学院を修了したりすること。医師免許取得者で心理臨床経験が2年以上ある医者にも受験資格がある。

一日の仕事や必要なスキル、年収を知るには職業ナビ!
▶︎「臨床心理士の仕事を詳しく見る

医療知識で患者をサポートする『医療ソーシャルワーカー』の仕事

親身になって患者の悩みに答える医療ソーシャルワーカー

病気になると治療費用の問題や病気に対する不安などで落ち込む患者も多い。また、患者の家族にも経済面や心理面での負担が重くのしかかることもある。そうした患者やその家族を社会福祉の立場からサポートする役割を担うのが「医療ソーシャルワーカー」だ。

医療ソーシャルワーカーのニーズが最も高い場面は、患者が退院する時。退院後のリハビリや在宅復帰支援などについて患者から相談を受けることが多いからだ。「家族に迷惑をかけるのが心苦しい」といった老人の相談にのることもある。解決する手段は、各種施設や自治体と連携をしながら最適解をみつけることだ。

「医療ソーシャルワーカー」という特定の資格があるわけではない。国家資格である社会福祉士や精神保健福祉士の資格を持つ人が医療ソーシャルワーカーとして活躍できる。社会的にニーズの高まっている職種だが、医療現場で活躍している医療ソーシャルワーカーはまだまだ少ないのが実情だ。

一日の仕事や必要なスキル、年収を知るには職業ナビ!
▶︎「医療ソーシャルワーカーの仕事を詳しく見る

未知のウイルスと最前線で戦う『検疫官』の仕事

感染症の拡大を水際で防ぐ検疫官

検疫官は、国外からの渡航や運搬の窓口である港湾や空港など厚生労働省が管轄している検疫所で活躍する。検疫法に基づき、SARSやエボラ出血熱、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)などが外国から日本国内に持ち込まれるのを防ぐ役割を担っている。感染症に対する検疫業務や健康相談業務、海外へ渡航する人に対して予防接種を行ったりもする。

昨今では、検疫官の働く姿をテレビなどの映像で見たことのある人も多いだろう。空港でサーモグラフィーを用いて乗客の体温をチェックしている人たちが検疫官だ。飛行機や船に乗り込んで、ネズミや蚊などの媒介動物や、輸入禁止の食物を持ち込んでいないかなどを検査することもある。

検疫官は国家公務員だ。医師か看護師の資格を持っている人だけが検疫官になることができる。検疫官として活躍するには、感染症を水際で防ぐといった責任感や、怪しいことを見分ける洞察力が必要になるだろう。

一日の仕事や必要なスキル、年収を知るには職業ナビ!
▶︎「検疫官の仕事を詳しく見る

新薬開発や研究に取り組む『医薬品開発者』の仕事

スピードも求められる医薬品開発者

ワクチンをはじめとした新薬の開発に取り組んでいるのが「医薬品開発者」だ。製薬会社の研究職として働き、10年以上の年月をかけて1つの薬を開発するといった、長期間に渡るプロジェクトに従事する。ベンチャー企業で新しい薬の開発に情熱を傾ける人もいる。いずれにしても、人の命を救う、とても遣り甲斐のある仕事だ。医薬品開発者として活躍したいのであれば、薬学や化学を学んでおこう。

その中でも人間の体内にある酵素や抗体、ホルモンなどを応用して作られる「バイオ医薬品」は、とても注目を集めている。ワクチンや抗体医薬品、細胞性医薬品などの種類があり、遺伝子組み換え技術を用いて作られたヒトインスリンはよく知られている。開発者には、遺伝子工学や細胞工学など、最先端の医療技術や知識も求められる。

一日の仕事や必要なスキル、年収を知るには職業ナビ!
▶︎「医薬品開発者の仕事を詳しく見る

将来、無くなる職業と無くならない職業

人から感謝されることの多い医療分野の職業

医療・ヘルスケア分野で働く人の多くに共通して言えることは、人の命に関わることもある重要な任務を担っているということ。内科医や外科医は言うまでも無く、検疫官も医薬品開発者も同様だ。責任の重い仕事でもある一方で、とても遣り甲斐のある仕事だとも言える。

少子高齢化が進み、AIやロボティスクなどが発達すると世の中で必要とされる職業にも変化が訪れる。一般事務や経理事務、新聞配達員、電車やバス運転手など同じ作業を正確に行うことが求められる仕事は、いずれAIやロボットに置き換えられると考えられている職業だ。

医療・ヘルスケア分野においても、多くの仕事は無くなるかもしれない。一方、今回紹介した職業は、人間による高度な判断が必要であったり、コミュニケーション力が求められたりと、人にしか担えない、将来性のある職業だと言える。

新型コロナウィルス感染症への対応でもわかったように、最新のテクノロジーを駆使しても判明しないようなウイルスや、治療不可能な病気が今後も発生する可能性は大いに考えられる。そんな時に最前線で対応する医療・ヘルスケア関連の仕事は、これからより重要になって行くだろう。

この記事を読んだあなたにおすすめの記事

この記事を書いたライター
伊藤祐介

伊藤祐介

「世の中に届ける情報は自分の目と耳で確かめたものだけ』をモットーに、取材と撮影をベースにした執筆を続けています。サラリーマン経験が長く、ビジネス系のコンテンツ制作が主戦場。それでも最近はグルメ本の制作、動画制作など幅を広げています。

TOPへ戻る