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みよたかこ

みよたかこ

人材業界で10年以上働きながら、ライターとしても活動する就職氷河期世代。翻訳書出版の経験も持つ。現在の執筆テーマは、社会人のキャリアやスキルアップ、女性の生き方など。趣味は飲酒しながらの料理。

2020年10月19日

コロナ禍で注目されるレジリエンスとは?折れない心を作るためにできること

人々の生活スタイルや仕事の環境が大きく変わった今年、「レジリエンス」に注目が集まっています。予想していなかった困難なことが突然起きても、柔軟に適応して乗り越える対応力が求められているのです。

レジリエンスが注目されている背景と、レジリエンスの鍛え方についてご紹介します。

レジリエンスって何?コロナ禍で再び注目が集まる

立ち向かわなければならない困難が突然やってきた2020年

21世紀を迎えてからリーマンショックや相次ぐ天災など予想していない出来事が次々と起こったことで一時期レジリエンスに注目が集まりました。

今年は新型コロナウイルス感染症の影響が世界中に広がり、東京で開催されるはずだったオリンピックも延期になってしまいました。1年前には誰も予想していなかった状況に陥っているいま、レジリエンスが再び注目されています。

レジリエンスとは、「折れない心」

レジリエンスは、物理学の用語で「回復力」「復元力」を意味します。近年では人や組織に当てはめ、「困難なことがあってもうまく適応し、挫折せずに生き延びる力」という意味で使われています。

ストレスそのものから避けられない現代社会において、精神的な健康が保たれた充実した人生を送るためには必要な資質です。

レジリエンスが高い人の特徴

何があっても前向きに仕事をしている人っていますよね

あなたの周りにストレスがたまりそうな仕事をしているにもかかわらず、いつも前向きに働いている人はいませんか? その人はきっとレジリエンスが高いのでしょう。

レジリエンスが高い人は、

  • 基本的に楽観主義であり、自分の感情をコントロールできる
  • 自分への自尊感情を持っている
  • ひとつの側面に執着しすぎず、物事をさまざまな角度から見ることができる

といった特徴が挙げられます。

コロナ禍においてレジリエンスが必要な理由

仕事をする環境も、仕事の進め方も前触れなく突然変わった

コロナ禍であるいま、レジリエンスの必要性がなぜ高まっているのでしょうか?  仕事面から考えてみたいと思います。

新型コロナの影響で、仕事の環境は一気に変わった

2020年、大半の社会人は仕事で何らかの変化が起きたでしょう。リモートワークに切り替わった人は多いと思いますし、コロナ禍の影響で会社の売上が落ちたために給与やボーナスが削減された人もいるでしょう。

仕事の関係者とのコミュニケーションにも変化が起きました。社内の人とはメールやチャットツール中心で連絡をし、顧客に直接会わずに行うオンライン商談での営業活動が当たり前の環境になりました。

これらの変化が、1年以内に一気に起きたのです。新たな働き方に対する理解は誰も持っておらず、手探りで考えながら仕事をしなくてはならない困難が突然起きました。

リモートワークは一見楽に感じるが、厳しい環境でもある

孤独に仕事を進める不安がいつも付きまとう

リモートワークは満員電車に乗って通勤する必要がなくなり、移動時間を睡眠に充てられるので、メリットは確かにあります。

その一方で、メールやチャットツール、電話という連絡手段はあるものの、自分ひとりで仕事の進め方を考えて問題解決しなければならない場面がこれまでよりも増えます。

オフィスで仕事をがんばっている様子が上司の目に留まることも少なくなります。仕事に取り組む姿勢が周囲に伝わりにくく、いままで以上に結果をシビアに求められる傾向にあります。

リモートワーク中心で仕事をすることは、厳しさを求められる場合もあるのです。

会社の経営悪化が自分の仕事に影響を及ぼすことも

新型コロナの影響で業績が著しく悪化した会社が多くあります。働く社員への影響として、まず給与やボーナスが削減されています。

さらに、人員構成においても影響が出ています。勤務先の会社が2021年卒の新卒採用を中止していた場合、来年春の新入社員は入社して来ません。いつまでも後輩ができず雑用に近い仕事を何年も自分が引き受けざるをえない……という状況に陥る人もいるでしょう。

業績悪化に歯止めがかからない場合、早期退職を促されることも起こりえます。

このように自分の力量だけではコントロールできないコロナ禍においては、レジリエンスを身に付けて乗り越えていきたいものです。

レジリエンスはどうやって鍛える?

ご安心ください。レジリエンスは後天的に身に付けられます

レジリエンスの有無は生まれつきのものではなく、後天的に伸ばすことが可能であるといわれています。ここでは、レジリエンスを鍛える方法をいくつかご紹介します。

①ストレスを感じたら、自分の感情を認識しクールダウンする

仕事や日常生活のなかでストレスに感じる出来事があったあとは、自分で意図的に気持ちをクールダウンする時間を取りましょう。マイナスになっている気持ちを立て直さないことには、レジリエンスを高めることはできません。

クールダウンするには、いま自分がどのような感情になっているのかを認識することから始めるといいでしょう。書籍『リーダーのための「レジリエンス」入門』(久世浩司著、PHP研究所)では、自分の感情に名前を付ける「感情のラベリング」を行い、感情を具体的に認識することが効果的であると紹介されています。

ストレスを完全にゼロにすることはできません。だからこそ、ストレスを感じた後のセルフケアが大切になるのです。

②自己肯定感・自己効力感を高める行動を取ること

まずは小さな目標を立ててみよう

自分自身を否定せず自分の価値を認められる「自己肯定感」と、経験がなくても自分ならできると思える「自己効力感」は、レジリエンスを鍛えることにつながります。

自己肯定感を高めるには、自分の強みを認識し、その強みを少しでも活かせる仕事をすることが有効だといわれています。自分の強みを見つけられない人は、診断ツールを試してみたり、周囲の人に聞いてみたりするといいでしょう。

自己効力感は、数時間〜1日でクリアできるくらいの目標を立ててそれを実行し、「小さな成功体験」をたくさん積むことで高められます。さらに、身近にお手本にしたい人を見つけてその人の行動や言動を観察する「代理体験」を積むことも効果があります。お手本にしたい人を見ることで「私にもできるかもしれない」と少しずつ思えてくるのです。

③周囲の人に感謝すること

仕事や日常生活で自分をサポートしてくれた周囲の人に感謝の気持ちを抱くこともレジリエンスにつながります。書籍『リーダーのための「レジリエンス」入門』によると、“感謝する”というポジティブな感情が豊かになると、ストレスに対する耐性もつくとされています。

まずは、事の大小を問わずこれまでの人生で自分を支えてくれた人を思い出すところから始めてみてください。

レジリエンスを鍛える魔法の杖はありません。今回ご紹介した方法の多くは、毎日の少しの習慣でできるものばかりです。できそうなことから取り組んでみてはいかがでしょうか。

まとめ:予想しないことが起きるwithコロナ時代。レジリエンスを高めて生き抜こう

こんな状況だからこそ、数年後の未来まで見通して考えたい

21世紀に入ってから、「100年に1回の大不況」「1000年に1回の天災」と言われるような大規模な経済不況や天災、感染症の流行が立て続けに起きています。

予想できないほど大きな外部環境の変化は、数年に1回のペースでこれからも起こるでしょう。自分のレジリエンスを高めるための努力は、突然の変化に柔軟に対応してしなやかに生き抜くために役立つはずです。

出典:リーダーのための「レジリエンス」入門(久世浩司著、PHP研究所)

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