この記事を書いたライター
WEBでのパーソナルブランディング、セールスライティングを得意とするライター/編集者。これまでに医師や起業家、大学講師などをプロデュース。 2020年、中小企業診断士合格を目指し勉強中。執筆テーマは女性の働き方、WEBブランディング、小さな起業。

あなたは短時間で的確に要件を伝えることができますか? ビジネスで必要な報告の仕方や話し方にはスキルが必要です。とくに新入社員はロジカルでわかりやすい話し方をするために、話し方のテクニックや考え方のコツを身につけておくといいでしょう。この記事を読んで、ビジネスの場で基本となる話し方や考え方を身につけましょう。
目次
新入社員が意識すべき話し方はエレベータートーク
「エレベータートーク」という言葉を知っていますか? これはエレベーターに乗っている間に相手に自分の言いたいことを完結に伝えることを言います。新入社員となる人は、このように短時間で話を要約して伝えるロジカルな話し方を意識しましょう。
以前、テレビ番組で電話が苦手な若者が増えていることが取り上げられていました。生まれたときからスマートフォンがあった世代であり、現在は短いテキストやスタンプでのやりとりがメインのため、顔が見えない相手との会話が苦手になっているのだそう。とくに苦手なのが留守番電話。相手の反応もないため、何をどう話したらいいかわからない人が多いようでした。番組では実際に留守電に要件を残すことができるか実証実験が行われていましたが、うまく残せない人の姿もありました。
プライベートであれば時間を作って話を聞いてくれる人も多いかもしれませんが、忙しいビジネスパーソンはあなたの話を聞くために貴重な時間を割いているのです。そう考えると、新入社員であったとしても短い時間で要件を伝えることの重要性がわかりますよね。
わかりやすい報告のためのロジカルな話し方
まずはわかりやすい話し方とわかりにくい話し方の違いについて紹介します。
わかりにくい話し方の例としてよく挙がるのは、仕事で疲れて帰った夫に妻が今日あったことを報告する場面です。
「今日ね、仕事で◯◯なことがあってね。で、△△なんだけど、どう思う? そうそう、△△といえばね、この前……」と延々とオチがない話が続く場面です。女子会など女性同士の場では盛り上がりますよね。筆者も好きです。ですが、ビジネスの場面ではこの話し方は求められていません。
では、どういった話し方をすればよいのでしょうか?
わかりやすい報告・相談のために必要なのは以下を意識したロジカルな話し方です。
- 結論から話す
- 事実を話す
- 数字で話す
仕事であなたがお客さんに送った請求書の金額が1桁間違っていたとします。お客さんが怒って「契約を取り消したい」といわれるトラブルが起き、上司に報告する必要あるケースで考えたいと思います。
1.趣旨・結論を最初に伝える
ロジカルな話し方とは、論理的な話し方、つまり理論に筋が通っている話し方です。話のテーマに対して原因、結果の順に考えます。ビジネスでは、まずは「これから何を話すか」の趣旨や「結論」から先に伝えましょう。
「◯◯の件でトラブルがおきたので相談があります」と最初にこの一文を伝えるだけで、聞き手は話の内容をイメージしやすくなります。これはメールのときにも使えるテクニックであり、私もよく「◯◯の件で、ご相談がありご連絡しております」といった一文を冒頭に入れるようにしています。
新入社員によくあるミスが「先日私、◯◯さんに請求書を送ったんですけど、今日先方から連絡がきていて、どうやら請求書の額が1桁間違っていたようで……」と時系列に話す方法です。最終的に問題の要点に到達するまで時間がかかるため嫌がられます。
先に「先方が怒っています」と結論を伝えておけば、聞き手はその問題に対してどう対処すべきかの視点をもって話を聞くことができます。時系列に並べて報告した場合「請求書の金額を修正して再度送ればよいのでは?」と、最終的な事実にたどり着くまでに考えをめぐらせることになり、問題の重要性を理解するのが遅れてしまいます。
2.事実を報告する
ロジカルな話し方として新入社員が次に意識すべきは、事実を話すことです。起きた出来事をありのままに伝えましょう。
よくあるわかりにくい話し方の例に、言い訳や自分の感情を交えた話し方があります。失敗やトラブルを起こしたとき、あなたなりの理由があるかもしれませんがビジネスにおいては結果がすべてです。自分なりに失敗の原因を解明しておき、原因を聞かれた際に返答できるようにしておくことは必要です。ですが、聞かれてもいないのに言い訳や弱音を吐くと、あなたの評価を下げることになりかねません。
事実を報告して的確な判断をもらい、問題が解決したあとで必要であれば失敗の理由を伝えて相談に乗ってもらうようにしましょう。
3.数字や時間など定量的なデータで話す
最後に、ロジカルな話し方として意識したいのが、数字や時間など、定量的なデータで話をすることです。先ほどの例の場合、請求書の金額や、契約の取り消しによって失う額を伝える必要があります。額によっては会社全体で対応に当たらなければならないかもしれません。
また、いつ起きた出来事かによっても変わってきます。トラブルはなるべく隠したいものです。ですがトラブルこそ急いで対応した方がよく、日が経つにつれてトラブルはより大きくなっていくものです。
報告と相談のときには、必ず数字や日時などの数字を用意して話をするようにしましょう。
ロジカルな話し方に必要な考え方
これらの話し方をするためには、事前に思考を整理して、内容を構造化しておく必要があります。そのための考え方についてご紹介します。
・漏れなくダブりなく要素を書き出す
ロジカルシンキングの1つで「MECE(ミーシー)」という考え方があります。これは、Mutually(お互いに)、Exclusive(重複せず)、Collectively(全体に)、Exhaustive(漏れがない)の頭文字をとったもので、MECEとは「漏れなく、重複がない」ということを表しています。
たとえば報告の際には、伝えるべき大事な要素が漏れていると聞き手は話のテーマや、問題となるポイントがわかりません。また、内容が何度も重複しており同じ話ばかりされると、話が進展せずイライラするものです。
報告や相談をするときに手当り次第伝えていては、漏れや重複している部分がわかりにくいです。そのため、話す前に漏れと重複がないように要素を書き出しておきます。それには、ロジックツリーと呼ばれるフレームワークが役立ちます。
・ロジックツリーで要素を構造化する

階層を意識することで頭の中が整理できるだけでなく話すときにも役立ちます。
書き出した要素を構造化していくと同時に、漏れがないか確認していきます。たとえば今回のようなトラブルの場合「問題」「原因」「解決案」の3つの大きな項目に分けることができます。
大きな項目からだんだんと小さな項目を考えていくことで、各階層毎に確認できるため、漏れや重複を防ぎやすくなります。以下のイメージです。
問題:契約を取り下げるといわれている
原因1:請求書の額を間違えた
解決策:
- 提出前に何度も確認するべきだった
- 事前に上司に確認するべきだった
原因2:日頃の信頼関係がなかった
解決策:
- 日頃から相手に信頼される丁寧なやりとりを心がける
- 信頼構築のため、いまから何ができるかを考える
このように、1つの問題に対して原因や解決策が複数ある場合もあります。構造化して考えることができれば、話し始める前に頭の中がすっきりしてきます。問題や考えるべき内容についてのロジックツリーを書き出すことで、全体を俯瞰して見ることができるようにもなります。
このように構造化しておくと因果関係が明確になり、ロジカルな話し方の準備ができます。
・各項目の重要度を考える
全体が見えてきたら次に重要度を考えていきます。報告や相談も、なんでも伝えればいいというものではありません。「そのくらい自分で考えてほしい」と思われないためにも、重要度を考えて報告する必要のあるもの、自分で対処できるものを分けていきましょう。
ですが新入社員の頃は、重要度がわからないときもあると思います。そのときには、「もしかしたら不要な情報かもしれませんが」とひとこと前置きを置くことで、報告された方も「ちゃんと自分で考えてから来ているな」といった印象を受けます。
筆者はこれを意識して使っていました。あえて耳に入れるほどではないと思ったことでも「順調にいっていることの経過報告」「いつもと違うこと」「少しでも自分が違和感を感じたこと」などは、大きなトラブルになる前に「◯◯についてですが、一応報告しておきます。今こんな感じです」と伝えておきます。簡単にですが、状況を伝えておくことで大きなトラブルを防ぐことができます。
ロジカルな話し方は相手への優しさ
最後に、報告時には必ず自分の意見を持って話すようにしましょう。トラブルが起きたときに何も考えずに「どうしましょう?」と頼るだけでは、「少しは考えろ!」と思われてしまいます。たとえ間違っていたり、ベストな解決策がわからなかったりしても複数案を提案するといいでしょう。また、「今回こんなことになってしまったので、今後は◯◯しようと思います」と改善案も用意しておくことで、先輩や上司からの印象も大きく変わります。
新入社員であってもそうでなくても、ロジカルにわかりやすく伝えることは大切です。でもそれと同じくらい、自分で考えて意見を持つことも大切です。意見がないのは無関心と受け止められても仕方がありません。
わかりやすく伝える技術は、短時間で相手に理解してもらうために必要な優しさです。上司の貴重な時間を割いてもらっていることを意識すると、短時間で優先順位の高いものから伝える必要性に気づきます。
目の前の仕事に興味を持ち、意見をもち、相手のことを考えていると、自然とロジカルな話し方を意識する気持ちが湧いてくるものです。
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