
テレワークに向いている仕事とは、どのようなものがあるのでしょう。パンデミック以来、リモートワークやテレワークを進める企業が増えています。いま、まさにテレワーク中という人もいるのではないでしょうか。しかし、テレワークははじめようと思って、すぐにできるものはありません。現在、テレワークが進んでいる適職種を通じて、テレワークに向いている仕事の条件、課題や将来性を見ていきましょう。
- ①テレワーク定着までの道のりと新型コロナウイルス流行について。「IT」「デザイナー・イラストレーター」「ライター・編集者」「Webマーケター」「営業・セールス」の分野からテレワークに向いている職業を紹介
- ②テレワークに向いている職業は、「PCで出来る」「成果物が明確」「オンラインコミュニケーションへの置き換えが可能」の3条件を満たしている。あなたの仕事はどう?
- ③アフターコロナに定着するテレワーク。必ずしも出社しない働き方の選択肢により、変わる人々の生活とは。変わりつつある今、あなたの働き方を改めて考えてみよう
テレワークに向いている仕事とはリモートワーク、テレワークが拡がる背景

在宅勤務は古くて新しい働き方かも
リモートワークの前身であるテレワークが生まれたのは、1970年代のアメリカ。「tele=離れたところ」と「work=働く」の2つの言葉を組み合わせてできた造語で、オフィスから離れたところで働くという意味で使われるようになりました。
日本のテレワークが最初に誕生したのは、1984年のことです。東京都港区六本木に本社を持つ日本電気(NEC)が吉祥寺にサテライトオフィスを作ったのがはじまりでした。
当時のNECでは、結婚や出産のために退職する女性が大きな問題となっており、世間でも出社の負担を減らす斬新な働き方として、注目を集めました。
近年のリモートワークと新型コロナウイルス
近年、再びリモートワークが脚光を浴びるようになったのは、政府が「働き方改革」を掲げるようになったからでしょう。そして、いま新型コロナウイルスの流行を機に、リモートワークを導入する企業が増えています。
インターネットプロバイダのBIGLOBEが今年3月に1,000人を対象に行った調査によると、今後、在宅勤務など職場から離れた働き方は「定着する」と答えた人は8割強となりました。
しかし、ここで注意しておきたいのは、リモートワークが定着すると答える人は多くても、完全に出社なしの働き方を想定している人は少ないという点です。実際、リモートワークにはさまざまな形態があります。
出社をまったく必要としない「フルリモート」、リモート週2日と出社を組み合わせた「ハイブリッド型」など。人材紹介サイトの求人を見ても、フルリモートの職種はまだまだ少ないようです。
では、リモートワークに適した職種にはどのようなものがあるのでしょうか。今回は大まかなカテゴリー別に5つの職種を取り上げて紹介します。
テレワークに向いている仕事とは『IT系エンジニア』の仕事

インフラと関連度の低いIT系エンジニアならパソコン1つあればどこでも仕事できる
エンジニアは、情報工学に関する専門的な知識やスキルを持った人材のことで、近年はインターネット関係の専門スキルを持ったIT系エンジニアも活躍中です。
システムエンジニアやサーバーエンジニアなどはリモートワークが難しいかもしれませんが、プログラマーなどのインフラとは関係の薄いITエンジニアは、必要なツールが入ったパソコンとインターネット環境さえあれば、どこでも仕事ができます。
未経験者の場合、まずは企業に就職してIT系エンジニアをスタートするのが一般的です。プログラミングなど卓越したスキルがある人はフリーランスとして働く人も増えています。
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テレワークに向いている仕事とは『デザイナー・イラストレーター』の仕事

美的センスだけでなくさまざまな”デザイン力”が求められるデザイナー
デザイナーは、色や模様、フォント、レイアウトなど見た目を整える美的センスの求められる仕事です。アートディレクターや、CGクリエイターという肩書が使われることもあります。
中には、見た目の美しさだけでなく、製品の使いやすさなど、目的に沿った商品設計全体を行うデザイナーもいます。デザイナーやイラストレーターは、制作の課程は基本的に自分1人で完結できる職種です。
顧客との打ち合わせは必要ですが、基本的には必要なソフトの入ったパソコンや機材があればどこでも仕事ができます。
デザイナーになるには専門学校や美術系大学を卒業した後、企業に勤めるか、デザイン事務所に弟子入りするのが一般的な方法です。
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テレワークに向いている仕事とは『ライター・編集者』の仕事

テキスト情報を扱うことが多いが、実はコミュニケーション力が重要な仕事
書籍や雑誌、Webサイトの文章を書くライターや編集の仕事も、パソコンがあればできる仕事です。文章を書くだけでなく、編集、校正、校閲など関連する業務に幅広く携わることもあります。
コミュニケーションの多い仕事ではあるものの、クラウドサービスを利用すれば進捗管理や普段のコミュニケーションも十分に可能です。最近では取材も、テレビ会議システムやビデオチャットを活用するケースが増えてきました。
SNSやブログなど誰でも発信できる時代だからこそ、参入ハードルは高くありません。ただし、仕事として成り立たせるには常に情報収集や、スキルアップに取り組むだけでなく、仕事上のネットワークも必要です。出版社やマスメディアに勤める以外にも、アルバイトやフリーランスとして働く人も増えています。
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テレワークに向いている仕事とは『Webマーケター』の仕事

ユーザーが使いやすいサイトの設計や施策を考えるのもWebマーケターの役割
市場調査の結果を専門的な知識で分析し、販売・営業戦略を立案するマーケター。情報解析スキル、企画力、コミュニケーションスキル、情報収集能力のスキルが必要です。
Webの需要が高まっている近年は、マーケティングの仕事もリモートで行うケースが増えています。相手によっては対面での提案が必要になることもあるものの、リモートも可能な職種です。
Webマーケターになるには、制作会社や広告代理店などの企業に勤めるのが一般的ですが、マーケティングや営業経験のある人はフリーランスのWebマーケターとして活動することもできます。
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テレワークに向いている仕事とは『営業・セールス』の仕事

外回り以外にもインサイドセールスと呼ばれる内勤営業のスタイルも広がっている
営業の仕事もリモートワーク化が進んでいる仕事のひとつです。営業は自社の商品を売り込むのが仕事だと思われがちですが、現在は、顧客が抱える問題に対して解決方法を一緒に考え、提案するのが主な業務内容となっています。
近年は、インサイドセールスと呼ばれる内勤営業と呼ばれる営業手段も広がっています。業界では、営業経験者を対象にメールや電話などのツールを活用し、自宅で仕事できる案件も増えています。
営業職の募集は非常に多く、どの職種、企業でもあるといってよいでしょう。ただし、業種・業界によって営業のスタイルもさまざまです。
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テレワークに向いている職種【3つの条件】

条件の整っていない職種でリモートワークやテレワークは難しい
上に挙げた職種を見ると、リモートワークには共通する条件があるといえそうです。
テレワークに向いている条件1. その場に行かなくてもできる
場所の制約がないことは、リモートワークに必須の条件のひとつ。必要なソフトがインストールされたパソコンと、インターネット環境があれば1人でできる仕事はリモートワークに向いています。
反対に、現場での作業が必要なものや、物理的に他の人のケアが必要な介護職や医療関係、特別な機材やソフトがなければ仕事できない研究職などは現時点では、リモートワークに不向きです。
テレワークに向いている条件2. 成果物が明確
リモートワークを難しくする原因のひとつは、職場での仕事ぶりを評価する、評価システムのあいまいさにあると言われています。プログラムや、原稿、デザインなど明確な成果物がある職種は評価がしやすいため、リモートワーク向きといわれています。
テレワークに向いている条件3. リアルなコミュニケーションが必要ない
リアルなコミュニケーションをWeb上のコミュニケーションに置き換えられる職種は、リモートワークに向いています。チャットツールなどクラウド上のサービスを活用し、時間と場所を共有しなくても必要なときに確認や打ち合わせができれば進められる仕事なら、スムーズにリモートワークに移行できるでしょう。
また、副業で得られる効果については副業で得られる3つの効果とは?スキル習得や自己実現など、お金以外の視点で考えるの記事で紹介していますのであわせてご覧ください。
【まとめ】テレワークに向いている仕事に挑戦し変わる、これからの働き方

大きな変化がもうすぐやって来る
新型コロナウイルス感染拡大に伴い、Facebook、Google、Twitterなどの大手IT系企業は長期間に渡る大多数の社員の在宅勤務を決めました。アフターコロナにおいてもテレワークの選択肢を残す企業も複数出てきました。
日本でも働き方に大きな変化が生まれると予想されています。
テレワーク定着後の働き方
1.都市部から地方・郊外へ人が移動する
リモートワークが定着すれば、週5日出勤する働き方から、週2〜3日、もしかするとフルリモートに移行するところも増えていく可能性があるのではないでしょうか。
すでに首都圏では、都心部にオフィスを構える企業が減っていること、都心から郊外に引っ越す人の動きが出ていることが報じられています。
2.産業構造の変化に伴う人の移動・複業が増える
今回の新型コロナウイルスの影響で、観光、航空、交通、宿泊、外食産業は大きな痛手を受けました。緊急事態宣言が解除されても、すぐに人が戻ってくるとは限りません。
リモートワークが定着すれば、これまでとは仕事の仕方が変わるので、物理的に人が移動する必要性は減るでしょう。
従業員を雇用する体力のなくなった産業から、別の産業に人の移動が起こる可能性や、副業や複業をする人が増える可能性が考えられます。
3.共働きが増える
リモートワークが浸透し、働き方が柔軟になれば共働きが増えることも考えられます。フルタイムは難しくても、リモートワークで1日数時間、週数日といった働き方も選択できるようになります。
テレワークの課題と、キャリアを見直す機会
リモートワークには、さまざまな課題もあります。ネット環境が整っていること、紙ベースの業務ではないことなどが前提条件にあるからです。
早い段階でリモートワークに対応した職種や企業と、出遅れたところとの差が大きくなることも考えられます。しかし、リモートワークに対応している職種は安泰なのでしょうか。必ずしも、そうとは限りません。
今後ますますデジタル化の流れが加速することを考えると、AIにとって替わられる可能性もあるからです。人手が必要なくなった職種や、他との差別化が難しい職種では賃金や報酬ダウンも十分に考えられます。
新型コロナウイルスの流行は、はからずもリモートワークを推進することになりました。いま現在就いている仕事がリモートワークに向いている職種かどうかに関係なく、自分の仕事のあり方を見直す機会としてとらえてみるとよいかもしれません。
テレワークに向いている職業については、「副業に向いている仕事とは?あなたのキャリアの可能性を拡げる在宅可能な副業8選」の記事でも紹介していますので、この機会にご覧ください。
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