この記事を書いたライター

西繭香

西繭香

1992年生まれ。20歳の時に現在のパートナーと出会うまで、自分をマジョリティだと思っていたセクシャルマイノリティ(あと腐女子)。 「どんな人にも優しい記事」を目標に、多角的な物事を等身大の視点から分かりやすく執筆している。人の話を聞く事と、ディズニーシーと猫が好き。 Twitter: @Nishi_mayuka

2019年7月7日

人気沸騰中“2.5次元ミュージカル”! 急速な市場規模拡大の要因とマーケティング戦略

2.5次元ミュージカルって知っていますか? これは漫画やアニメ、ゲームなどを原作・原案とした、ミュージカル形式の舞台芸術のことです。今人気沸騰中の2.5次元ミュージカル。原作や俳優をきっかけに沼に落ちて、上がってこられなくなった人々が続出中なんです。今回はそんな2.5次元ミュージカルがどのようにファンを増やしていったのかを、マーケティングの視点から考察していきます。

「2.5次元ミュージカル」とは?

人気沸騰中の新しい形態のミュージカル!

「テニミュ」って聞いたことありますか? これは漫画「テニスの王子様」をミュージカル化した2.5次元ミュージカルで、業界が大成長した第一の要因ともいえる大人気舞台です。

音響や照明などで巧みに“テニス”を表現し、原作のキャラクターを忠実に再現した役者が、舞台の上で歌ったり踊ったりして、テニスをしないけれどテニスをする。

この一見なにをいっているのか分からない説明で表現されるテニミュですが、実際にその世界観を体感すると、不思議なことに瞬く間に魅了されてしまうんです。

このように、2.5次元ミュージカルとは原作に則って実際の役者がキャラクターに扮し、音響・照明・映像・舞台装置などの最新技術を用いて、原作の世界観を3次元に体現させる舞台作品のことを指します。

2次元の原作でもなく、3次元のリアルでもない、その中間地点を表現する作品ということで、2.5次元と呼ばれています。

出典:ミュージカル『テニスの王子様』公式サイト

前年比45%増 市場規模が拡大し続ける2.5次元ミュージカル

拡大し続ける市場規模

2.5次元ミュージカル市場の動向に関する最新の調査結果が発表されました。資料によると、最新2018年の2.5次元ミュージカル市場規模推計は226億円、前年の156億円と比較して44.9%も増加しています。

226億がどのくらいの市場規模かというと、夏の風物詩である花火大会の市場規模とほぼ同等なんです。多くの人が一度は足を運んだことがあり、毎年警察が交通整理をするほど混み合う花火大会を超えるほどの市場規模にまで成長しているんですね。

出典:花火大会の市場規模は200億円 海外からも多くの観光客が訪れる裏に【イベント民泊】という新しい取り組み

2010年の2.5次元ミュージカルの市場規模は19億円でした。10年と経たずに、10倍以上の市場拡大を実現したこととなります。

そのタイトル数も2010年時点の19本から、2018年は197本にまで増加。こちらも10倍以上の成長を遂げています。

出典:前年比45%増。成長を続ける2.5次元ミュージカル市場/ぴあ総研が調査結果を公表

市場拡大の最たる要因「2.5次元ミュージカル俳優のファン」

熱狂的なファンが2.5次元ミュージカルの成長を支えている

2.5次元ミュージカル市場は、なぜこのような右肩上がりの成長を遂げることができたのでしょうか。そこには「2.5次元ミュージカル俳優のファン」の存在が大きく関係していると考察します。

2.5次元ミュージカル俳優に魅了されたファンが、リピーターとして舞台に通ったり、関連商品を購入することにより、市場が成長しているのではないでしょうか。

筆者の友人にも、2.5次元ミュージカル俳優のファンがいます。ここではその友人の実際の体験から、顧客がどのように2.5次元ミュージカルにお金を使っていくのか、例を見ていきましょう。

まず友人は好きな漫画がミュージカル化するという情報を得て、たまたま2.5次元ミュージカルを観劇しました。そこでひとりの2.5次元俳優のファンになり、長期スケジュールで上演されていたミュージカルを複数回見に行ったんです。

その後“推し俳優”は、さまざまな2.5次元ミュージカルに出演し、友人は彼の出ている舞台を全国を巡って“追っかける”ことで、多様な演目のミュージカルを頻繁に観覧する習慣を持ちました。

舞台観劇のみならず、ファンイベントへの参加やブロマイド・グッズの購入など、多岐にわたる出費をし、友人は充実した日々を送っているそうです。

このような2.5次元ミュージカル俳優のファン、つまり固定客がある程度おり、かつ増加していることが、市場拡大の要因ではないでしょうか。

メディアミックスを活用した販路拡大の手法

ひとつの作品を用いてさまざまな媒体で利益を上げる

ミュージカルの観劇方法といえば、劇場に行って公演を見ることを想像しますよね。しかし2.5次元ミュージカルを見る方法は、それだけではないんです。

映画館でのライブビューイングでの観劇や、舞台を収録したDVD/Blu-rayを購入して見る方法など、従来の舞台とは異なるさまざまな方法で観劇することができます。

また関連グッズや、原作となる漫画やアニメとのタイアップ商品など、舞台観劇に限らない関連商品も数多くあり、ファンの購買意欲をくすぐる商品がさまざまな角度から販売されています。

このビジネスモデルをマーケティング用語で、メディアミックスといいます。ひとつの作品を用いてさまざまな媒体で利益を上げるこのビジネスモデルは、ファンサービスを充実させるだけでなく、商品販促の拡充にも有効な手法なんです。

まとめ

「二次元のキャラクターが、現実世界にいる」。作品の世界観をそのままに、魅力いっぱいに作られた2.5次元ミュージカル。メディアミックスによって販路を拡大し、収益とファンを増加させ続けるビジネス戦略で、今後も規模を拡大していくでしょう。

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1992年生まれ。20歳の時に現在のパートナーと出会うまで、自分をマジョリティだと思っていたセクシャルマイノリティ(あと腐女子)。 「どんな人にも優しい記事」を目標に、多角的な物事を等身大の視点から分かりやすく執筆している。人の話を聞く事と、ディズニーシーと猫が好き。 Twitter: @Nishi_mayuka

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