この記事を書いたライター

いづつえり

いづつえり

熊本県天草市の地元食材にこだわったベーグル店・ふぁくとりーNolley店主とライターの複業を実践中。横浜出身、元国家公務員。夫が柑橘栽培をすることになったため、2016年に家族で天草に移住。食と農業への関心が強い。都会から地方へ移住したいと考えている人に向けて、地方暮らしのリアルを情報発信中。

2019年8月22日

時間は減っても生産性は上がる⁉ 世界で広がる「週休3日制」という働き方

働き方改革が進む中、話題になっている働き方があります。「週休3日制」です。依然として「労働時間」という概念から抜け出せていない日本の企業。実際に週休3日制を導入したニュージーランドの会社で起こった変化は、これから組織の中枢を担っていくことが期待されている若手ビジネスパーソンにとって、マネージメントのヒントになるかもしれません。そんな海外ニュースを紹介します。

週休3日制にして生まれた意識の変化

仕事とプライベートを自分でコントロールできているという実感が生産性を高める

ニュージーランドの資産管理会社Perpetual Guardianでは2018年に週休3日制を導入。240人の社員を抱えるこの会社では、土日に加えて金曜日または水曜日のどちらかを追加で休日とすることにしました。社員の身分は週休3日にしても、正社員のままです。

出典:FASTCOMPANY “This New Zealand company proves how 4-day workweeks are great for business”

週休3日にすると会社や社員にとってどのような影響があるのか。オークランドにある大学との共同研究によると、次のような変化が見られるようになったといいます。

・仕事へのストレスが減った
・仕事への満足度が向上した
・ワークライフバランスがとれていると感じる従業員が増えた

驚くのは、1日営業日が減っても会社の業績は悪くなっていないことです。むしろ経営陣は「(業績は)去年よりもいい」とさえ口にしています。

1日で集中して仕事できるのは3時間未満

人の集中力には限界がある

労働時間が減ったにも関わらず、なぜ生産性を保つことができているのでしょうか。1日8時間以上仕事をしているつもりになっていますが、実は人が1日で集中できているのは、ほんのわずかな時間です。とある研究で分かったのは、たった2時間53分。連続の場合は15分が限界という説もあります。

出典:朝日新聞「集中力の維持と長期的な学習効果につながる方法(東京大学・池谷裕二教授の見解)」

人の集中できる時間に限界があるなら、1日8時間×5日働く必要はありません。もっと短い時間でも生産性を維持することができるはずです。さらにこの会社は仕事に集中できないのは仕事以外に気になることがあるからだ、と考えました。

仕事に私情は持ち込まないのが理想。しかし、誰もが家に帰れば夫や妻などのパートナーであり、父親や母親であったりするわけです。仕事とプライベートを分けたくても、同じ人が働いているのですから、完全に線引きするのは不可能でしょう。

そこで「休暇が1日増えれば、仕事への集中力を削ぐプライベートの用事を片付けれられるのでは?」というアイディアが生まれました。

仕事のやり方を変えずに単純に仕事をする日数を減らせば、当然、生産性は落ちます。どうすれば同じアウトプットを出しつつ、働く時間を減らせるか。そこで、新しい仕事のやり方が登場しました。

・ミーティングの時間をカット
・ネットサーフィンの時間をカット
・集中したいときは机の上に旗を置いて邪魔が入らないようにする

この会社ではこうした取り組みは社員の中から生まれました。「自分で仕事とプライベートをコントロールできている」という感覚が、仕事に積極的に取り組む姿勢を引き出しているといえそうです。

増えた休みを自己研鑽や社会活動にあてる人も増えている

余裕ができると将来につながる有意義な活動にも時間を使えるようになる

週休3日の取り組みはニュージーランドだけではありません。イギリスで250社を対象にした調査では、週休3日を取り入れた会社の社員のうち78%が「以前と比べて、幸福感が増した」と答えています。70%が「ストレスが減った」、62%が「体調不良や病気にかかりにくくなった」と回答しました。

出典:INDEPENDENT “FOUR-DAY WORKING WEEK COULD BOOST PRODUCTIVITY AND LEAD TO A CLEANER ENVIRONMENT, STUDY SUGGESTS”

休みが1日増えると、休日の過ごし方にも変化が見られるようになります。調査では、対象者の40%がプロフェッショナルなスキルを習得する時間にあてていることが分かりました。また、25%の人は休みの日をボランティア活動に費やしているということです。

さらに「7割以上の人が、現在週に5日かけて行っている仕事は4日でできると考えている」ということも明らかになっています。2000年以降に社会に出たミレニアル世代についてみると、その割合は8割近くにのぼりました。若い世代ほど今の仕事のあり方に疑問を持っているということでしょう。

フレキシブルな働き方や、ワークライフバランスを重視した働き方を望む人は増えています。人手不足の中、企業が優秀な人材を獲得するためには何が必要でしょうか。記事は最後に、経営側には既存の枠組みにとらわれない思い切った働き方へのアプローチが求められると結んでいます。

働き方改革の日本での受け止められ方は、政府主導で企業に遵守を求めるもの、上から降ってくるものという認識が強いと感じます。しかし、言われたことを受け入れるだけの姿勢では本当の意味で働き方改革とはいえないでしょう。

今回紹介したニュージーランドの企業のように、自分たちが理想とする働き方は社員が主体的に提案することも大切です。もしあなたが会社の働き方に疑問を感じているなら、自分なりの働き方の提案を会社にしてみるのはいかがでしょうか?

こうした海外の潮流は今後、マネージメントを期待されている層や、独立起業を考えている若手ビジネスパーソンにとっても参考になるでしょう。

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熊本県天草市の地元食材にこだわったベーグル店・ふぁくとりーNolley店主とライターの複業を実践中。横浜出身、元国家公務員。夫が柑橘栽培をすることになったため、2016年に家族で天草に移住。食と農業への関心が強い。都会から地方へ移住したいと考えている人に向けて、地方暮らしのリアルを情報発信中。

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