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いづつえり

いづつえり

柑橘農家×ベーグル屋×ライター。「地方に仕事はない」という“常識“を自ら反証することを生きがいにしているパラレルワーカー。横浜出身、天草在住。

2019年11月25日

SDGsと私たちの関係は?落合陽一の新刊から読み解く2030年の未来

年、急速に認知度が広まっているSDGs。SDGsとは2015年の国連サミットで採択された2030年までの「持続可能な開発目標」のことです。カラフルなロゴを目にしたことがある人は多いのではないでしょうか。一方、SDGsと私たちの生活とがどのようなつながりを持っているのか、実感が持てないという人も多いと思います。

今回は、今月14日に発売された落合陽一さんの新刊をテキストに、そもそもSDGsとは何かを見ていきましょう。

私たち日本人にとってSDGsは”分かりにくい”

SDGsの目標には私たちにとって身近な問題と遠い世界の問題が混在している

SDGsでは、貧困や飢餓といった問題から、働きがいや経済成長、気候変動にいたるまで17の目標と169の具体的な目標が設定されています。

SDGsに掲げられている17の目標は、どれも反対の余地がないほど正しいといえるかもしれません。

しかし、これらの目標は、世界の最大公約数的なものであり、国や地域によってはピンと来ないものもあります。

たとえば私たち日本人にとって、「貧困をなくそう」「飢餓をゼロに」などの目標は実感が湧きにくいものでしょう。

そのため、SDGsについて、私たちとは離れた“世界の誰か”のためのものというイメージを持つ人は少なくないはずです。

また、目標達成の道筋も一本道ではなく、異なる分野のさまざまな方策を同時並行的に行う必要があることも、私たちが分かりにくいと感じてしまう原因のひとつとなっています。

ビジネスと持続可能性の両立を目指すSDGsの3つの特徴

17の目標のそれぞれには実践的な方法が併記されている

私たちの生活とSDGsにはどのような関係があるのか。この疑問に答えてくれるのは『2030年の世界地図帳 あたらしい経済とSDGs、未来への展望』(落合陽一、SBクリエイティブ)です。

この本の中では、3つのSDGsの特徴が挙げられています。

1.タスク型の目標設定
2.対象は先進国と開発途上国の両方
3.グローバル企業が策定に参加

SDGsでは、それぞれの目標に対して具体的な行動指針が設定されています。

これまでの国際目標は途上国を対象としていましたが、グローバル化の進んだ現代では一国だけで解決できる問題は限られているという反省から、SDGsでは先進国も対象としました。

そして、各国政府やNGOなどの公的機関だけでなく民間企業も目標の策定や運用に関わっていることが従来の国際目標とは異なっています。

「営利組織である企業が利潤とともに持続可能性を追求することが、企業にとって長期的な利益の確保につながる」という考え方が採用されていることもポイントです。

「持続可能」のとらえ方を変えるとSDGsは身近なテーマになる

そもそも「持続可能」とは何なのか。

これについては、この本に収録されている池上彰さんとの対談が分かりやすいでしょう。

池上さんは「持続可能とは、どうすれば私たちがこの地球に住み続けられるのか」と言い換えています。

理想主義的な色合いが濃いように感じるSDGsの目標も、このように考えてみると少し私たちに近くなると思います。

知らないのは致命的!? SDGsはヨーロッパが作り上げたゲームのルール

SDGs成立の背景を考えてみよう

最後に、いまSDGsを押さえておく意味について考えてみます。

SDGsの背景には2つの大きな動きがあるといいます。

ひとつは株式投資に倫理規範を求める「責任投資原則(PRI)」。もうひとつは脱炭素条約である「パリ協定」です。

どちらもヨーロッパの強いリーダーシップの元に成立した、一定の拘束力を持つルールとなっています。

いま、世界では、アメリカと中国が熾烈な世界のトップ争いを繰り広げています。

その影で、「理念」によってプラットフォーマーが支配する市場経済を統制下に置こうとしているのがヨーロッパなのです。

SDGs成立の背景が重要な理由について、落合陽一さんは

今後、世界の国家と企業は、ヨーロッパ的な価値観のもと、その活動をヨーロッパ諸国に有利なシナリオのもとに規制されることになるのではないか

と書いています。

ここではパリ協定とPRIの詳細については割愛しますが、この2つの動きを含めたSDGsは、いわばヨーロッパの作り上げた”ゲームのルール”です。

もし私たちがこのゲームを有利に進めようと思うなら、ルールを知っておかなければなりません。

10月の国連の記事で紹介したように、いま私たちの身の回りで起こっている働き方改革も実はSDGsと深い関係があります。

ビジネスパーソンである私たちと密な関係にあるのはSDGsの「ジェンダー平等を実現しよう」や「働きがいも経済成長も」の分野ではないでしょうか。

こうした分野の世界の動きに注目しルールを理解しつつ、できることからはじめていくことが大切です。

世界の潮流をふまえつつ、できることからはじめよう

お断りしておくと、この本はSDGsについての解説書ではありません。

あくまでも中心となるのは、近い将来世界に影響を与えると考えられるテクノロジーの動向です。

「2030年の未来はどうなっているか?」というテーマについて考える上で、これからの世界に重要なカギとなりそうなものとして登場するのがSDGsなのです。

これまでに類書を読んでSDGsとの付き合い方が分からないというあなた。

きっとこの本は異なる見方を示してくれます。

秋の夜長の読書に、2030年の未来を作っていくあなたにこそ、いち早く手にとってもらいたい一冊です。

出典:『2030年の世界地図帳 あたらしい経済とSDGs、未来への展望』(落合陽一、SBクリエイティブ)

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