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朝日美陽

朝日美陽

"日常とアートを繋げたい"をテーマに激しめの人生を謳歌するY世代女子。日本大学芸術学部演劇学科演技コース卒業後、女優、ダンサー、モデル、ライターとして活動中。卒業論文でLGBTQ +と表現について研究。老後の夢はBARのママ。

2019年8月13日

働き方の価値観は令和でどう変わる?Z世代のワークスタイル座談会

Z世代のワークスタイル座談会

1990年代後半から2000年代前半に生まれた私たちの世代は”Z世代”と呼ばれているのを知っていますか?インターネットやスマホ、SNSが当たり前のように存在したデジタルネイティブな世代のことです。

今回は、「働き方改革」が行われる今後の日本を牽引していくZ世代の5人が集まり、自身の働き方やそれに対する悩みを打ち明け、これからの社会に求めるワークスタイルについて話し合う座談会を開催しました。

さまざまな働き方を選択している5人が赤裸々に語り合ったこの座談会を通して見えてきた”Z世代のワークスタイル”とは何なのか、そして、Z世代の求める未来の働き方はどんなものなのか考えていきます。

いまの仕事に満足してる? 私たちの仕事観

朝日
早速Z世代のみなさんにお聞きしたいのが、「現在のワークスタイルの満足度」です。今の働き方や、会社に満足していますか?

藤原花。ピースボート団体職員。

藤原
私は、自分でやりたいことを仕事にしているので、充実していると感じます。ただ、ピースボートは非営利のNGO団体だから、給料面でみるとすごく低いです。会社ではないので、社会保険もない。そういう面では、年金含め自分でやらなくてはならないことが多くて、将来を考えると不安ですだけど、ピースボートを客として体験して働くことを決めたので、それを多くの人にもっと広めたいという気持ちの方が不安な気持ちよりも強いです。だから私生活でも仕事のことを考えるのは全然嫌じゃないです。
朝日
充実感と収入の両立という面で、フリーランスで活動する山崎さんはいかがですか?

山崎奏太郎。フリーカメラマン。

山崎
なんだろう、人生の中で理想の自分でありたい願望があって、仕事という枠に入った時に理想の自分でいられないのは嫌なんです。やりたいことはやりたい。だからやりたいことをやる。やりたいことを続けるためにどうしたらいいかを考えた時に、収入のためにカメラマンの道をあきらめるのではなく、技術を増やすことを選びました。同時に、カメラマンの仕事で収入を得るための戦略を模索して、今はそれを実現しています。だから今は、理想の自分でいられる状況を自ら作り出して仕事しているので楽しいです。
朝日
今までのおふたりは充実感を得る仕事を選んでいますが、収入が安定する正社員を選び働いてみて、これから退職される北さんと、堀川さんはなぜその選択をしたのですか?  

北 堅太。コピーライター。

僕は会社の業務内容がジャストミートで自分の好きなものじゃなかったんです。だから、会社の仕事はお金を貰う手段だと割り切って、充実感を得るという意味では、副業でやっていたライターの割合を増やしていきたいと思いました。ライターの仕事は割り切りと考えない分、なんの苦もないです。僕はそんな時間の使い方が好きなので会社を辞めようと決めました。

堀川裕生。飲食関連会社社員。再進学を志し、8月いっぱいで退職予定。

堀川
私の場合、ホワイト企業で働いていて、福利厚生もしっかりしてるし、今まで1時間以上残業したの1回しかないんですよ。それでも1日9時間自分の時間を取られてることに納得がいかなくて、お金だと割り切ることができなかった私は学生時代のサークル活動でイベントを開いた経験があり、とても大変でしたが今より楽しくて。充実感が高い仕事がしたいのだと働いてみて実感しました。だから退職して、やりたいことを仕事にするためにも、もう一度大学で学びたいと思います
朝日
Yukaさんは、チアリーダーとしてもチームに所属して会社勤務もするダブルワークですよね。4人とまた違ったワークスタイルですが、ふたつの仕事の満足度はいかがですか?

Yuka。プロフェッショナルチアリーダー 兼 金融会社社員。

Yuka
満足度としては、正社員の仕事も制服を着ることでスイッチが入って違う自分になれるのが好きで、それはそれとして楽しんではいます。でも、正社員だと仕事を休むプレッシャーがあり、フリーランスとしてチアダンサー一本に絞ったほうが、子供たちに教えるアルバイトなどができるのではないかという気持ちもあります。だから今は「お試し期間」だと思ってます。会社員としての自分と、チアリーダーとしての自分と、どっちを優先して人生を歩んでいきたいのか考えているところですね

朝日
ここまでのみなさんの話を聞いていると、私たちZ世代は充実感を得られる仕事をしたいのかもしれません。収入とやりがいを同時に手に入れたい気持ちが強いことが分かりました。

Point!
仕事は収入を得る目的ではなく、充実感のあるライフスタイルの一部。それがZ世代の仕事観

同じ場所で長く働く。それは当たり前なんかじゃない!

朝日
充実感を得るために日々働いているみなさんですが、その中で悩みがある方いらっしゃいますか?
堀川
将来性かな。
朝日
将来性というと?
堀川
転職はだんだん受け入れられてるけど、主流は卒業したら会社に入ってひとつの企業で長く働くことで、退職したいって上司に相談したときは5か月でやめたら次見つかんないかもよって脅されました。「もったいないんじゃない? 1年やってから考えても、若いんだし大丈夫じゃない?」って言われたりもしました。それを全く無視できたかっていわれたら自分も心配だった部分もあるし、これからさき自分がどう見られるんだろうと考えます。何より、長く続けることがいいとされている今までの仕事の価値観の中でやっていくのが怖いです

Yuka
私も一緒です!実家が名古屋なんですけど、両親から「帰ってきて実家でこう過ごしたほうがいい」とか、「一回会社員になってから考えればいいんじゃないか」という感じで、堀川さんが仰ったような従来の価値観で話されることに不満はありました。そこは堀川さと似てるなと思います。
朝日
なるほど。山崎さんは今フリーランスで活動していますが、両親との価値観の違いなど含め、悩みはありますか?
山崎
両親は放任主義なので、おふたりのような悩みは無いかもしれないです。逆に、同世代に対する悩みはあります。才能を持っている人がたくさんいるのに、それを仕事にだけでなくプライベートでも活用せずにいるところです。才能あるやつがどんどん消えてく。
朝日
それは、仕事に才能を活かせなくても、ライフスタイルに活用してもいいのではないかということ?
山崎
少しでいいんです。みんなもうちょっと、仕事終わりにライブハウスや演劇を見に行くとか。仕事に追われて、休日しかプライベートを楽しめていない。仕事をする日が圧倒的に長い中で、少しずつでも人生を楽しくする方法があるはずだと思います。俺はその瞬間を収める仕事をしているので。

藤原
私も同世代に対することで悩みます。同じお給料を貰っているのに、成果などにすごく差が開いてしまっている現状があります。自分で選んだ道だったら頑張るのは当たり前で、できないなら変えればいい。頑張れないことを続けることが疑問です。成果もやりがいも見出せないのに、頑張っている人と同じ収入が入っている状況をみると、何だかやるせない
朝日
おふたりの悩みは同世代に対してという点で共通するだけでなく、もしかしたら堀川さんやYukaさんの悩みとも繋がっているかもしれません。

僕は、従来の日本のワークスタイルで生きている人を尊敬します。長く続けることを目標に、やりたくなくても割り切らなきゃいけないという価値観を実行できるのはすごい。それもそれで才能だと思います。逆に僕は好きなことしかできないという意味ではこの才能がない。その意味で凡人でいいから好きなことだけやろうって考えに転換しました。
朝日
確かに。何よりも個々を認めてあげることが大切ですね。

Point!
同じ場所で長く働くことだけが正しいわけじゃない。個人の働き方を尊重したい。

Y世代のキャリアコンサルタントからみたZ世代の価値観

朝日
ここまで、Z世代のみんなで仕事に対する満足度や悩みについて話してきましたが、Y世代である松浦さんからみてどのように感じましたか?

松浦加奈。キャリアコンサルタント。Y世代。

松浦
みなさんの話を聞きながら有名な心理学者であるマズローの5段階欲求を思い出しました。人にはまず生活を守る欲求や誰かに認めてもらう低次の欲求があって、最後にたどり着くのが自己実現の欲求なんです。
みなさんは5番目の自己実現欲求に先に辿り着いていますよね。
私たちY世代は、会社に入って認められるという、まず4つ目の承認欲求を目指していたかと思うのですが、Z世代はそもそも組織に所属することにあんまり価値をおいてない。そこが特徴的ですね。


朝日
Y世代の進化形という部分はありますね。
松浦
そうですね。自己実現に一足飛びみたいなところでいうと、結構すぐ成果や手応えがほしい世代なのかなと思います
朝日
ある情報によるとZ世代は下積みを嫌うみたいです。
一同
確かに!
松浦
山崎さんが言われてたみたいに、まずやりたいことがあって、それをどうやったらお金にできるのかと一直線に目指していくようなこととか。少し前の世代だとプロダクションに入ったり、ステップを踏みますよね。
山崎
一回も考えたことないです!笑
一同


松浦
自分でカメラマンになれちゃう時代ですよね。SNSなどで反響がすぐきたり、すぐ手応えをえられて早く成功できたりするから、割と早く成果がえられてそこで稼いでいこうっていう発想に親しみがあるのかなと感じます。
あと時代的に社会人の副業が認められていたり、フリーランスで働いてる人が近くにいたり、社会がそれを受け入れ始めたところに就職のタイミングを迎えたみなさんだからこそ、その自由な発想が生まれてて、かつSNSが身近にあることで、考えをシェアできるのではないかなと思います多分私の世代だとそういう考えは持ってても、ひとりで抱えていてシェアする相手がいない状態だった。
朝日
確かに、SNSの普及が自己実現の欲求を後押ししているのかもしれません。誰かと共有できる状況が、自分の意思を強くしているということですね。

Point!
自己実現の欲求を後押ししたのは、SNSで志をシェアすること。

Z世代が将来実現したい組織のしくみ


朝日
Z世代のワークスタイルについて話してきましたが、みなさんが将来働くことに対して実現していきたいことは何ですか?
山崎
ひとつのプロジェクトに対する人数を今より減らしたいです。ひとつのプロジェクトに絡む部署が多過ぎるし、費用対効果が低いと思うんです。そう仕事を頼まれる側の人間として思います。ひとつのプロジェクトに対して、最低限の人数で活動したい。
藤原
その流れでいうと、私の所は会社じゃないので社長ではなく代表という形態なんです。沢山の手続きを取らなくても代表を変えることができます。よく私の先輩が言っているのは、うちの団体はボトムアップだということです。新しい人材も頑張ったぶんだけ活躍できるような場所で働いているからこそ、長く働いたから偉いとかいう考え方は、私もこれからの組織形態に求めません。
朝日
おふたりは組織をピラミッド型ではなく、横並びにしたいということですか?
藤原
そうです。それに、新人だから大きな仕事を任せられないとか、偉い人だからそれができるという感覚で仕事をしたくない。その方が、一人ひとりに責任感が生まれるし、それこそ仕事に対する充実感も増すと思います。


堀川
私は、確固たる意思のあるリーダーを支えるために自分がやれることを全力でやるタイプだから、リーダーが俺はこういうことをしたいっていうのに対して、一人ひとりが持っている個性でそれを実現していく形態にしたいです。だから、リーダーさえいれば、中間層はいらないと思う。一般の会社でいえば代表取締役社長、専務、部長、課長などを経て自分たちにたどり着く。このプロセスが結局この会社は何がしたいのか末端にまで響かない原因だと思うんです
藤原
似てますね。代表のやりたいって意思に自分も賛同するという信頼関係が必要です。
僕は今の組織形態も嫌いじゃないです。ピラミッドの高さに関わらずいろんな層があると、ひとり抜けてもだれか尊敬できる人がいるじゃないですか。だから、自分が部下になるなら、システムとして代表ひとりではなく、尊敬できる人が何人かいた方がいいと思いますね


朝日
なるほど。それに関しては、代表がいなくなった時にその組織を継続していくために必要ですね。
Yuka
私は今やってるダブルワークをもっと認められるような社会にしたいです。今は正社員かチアリーダーのどちらかを選ぶお試し期間と話しましたが、私はどちらも楽しんでいます。だから個人のやりたいことをスムーズにできるような未来にしたいです副業が認められた今でも実際は融通が利かない点も会社には多いです。
松浦
現在の組織形態は、さまざまな人の許可を取ることで、成果物に対して安心感を持てる仕組みです。でもそれはZ世代の「早く手応えを感じたい」という働き方のスピード感とマッチしてないのかなと感じました。
みなさんが理想とする組織は、ホラクラシー型組織というものに近いんです。フラットな職場関係であったり、権限が分散していたり、それに共感する世代なのかなと思いました。

Point!
私たちが作りたいのは肩書きや上下関係にとらわれない組織形態

Z世代が体現する。これからのワークスタイル

朝日
最後に、社会人の先輩であるY世代の松浦さんから、今回の座談会を通してアドバイスをお願いします。
松浦
Z世代の、充実感のある働き方をしたいという気持ちは素敵なことで、やりたいことが明確になっているのは羨ましい。けれどそれで食べていくって簡単なことじゃないですよね。だからこそ、その価値観でちゃんと自立して働けることを最初に体現していける世代になってほしいですねZ世代の次の世代がそれを当たり前にやっていけるようになるかどうかは、Z世代にかかっているのだと思いました。がんばってください!
朝日
そうですね。令和という新しい時代の始まりに社会人になった私たちが、時代と共に変化したワークスタイルの価値観を発信して実現することで、私たちが社会を作っていくという意識を持たなければならないですね
それでは今回の座談会はここで終了とさせて頂きます。お集まり頂いたみなさん、貴重なご意見をありがとうございました!



Point!
Z世代のワークスタイルが当たり前になるように。これからの社会を変えるのは私たち。

さまざまなワークスタイルをとるZ世代メンバー

山崎奏太郎
フリーカメラマン。大学2年生の時にカメラを購入し、趣味でストリートスナップや友人を撮った写真をSNSに投稿したところ、依頼を受ける様になり撮影の幅が広がる。ヒップホップ業界との繋がりを深めイベントなどの撮影を中心に行い、現在はバンドのアーティスト写真やCDジャケット、企業講演会の撮影など活動の幅を広げている。

藤原花ピースボート団体職員。大学を一年休学し、オーストラリアへワーキングホリデーへ行く。
大学卒業後すぐに「世界一周の船旅 ピースボート」に参加者として乗船。
ピースボートを通し、今までの人生で感じたことのない大きなやり甲斐を感じることができ、旅を終えてすぐにピースボート職員となる。現在は1年の3分の1を船の上で過ごす。

堀川裕生
飲食関連会社社員。大学時代のサークル活動を生かした業界での就職が叶わず、別業界での就職を決め春から正社員として働く。しかし、働き続けることを考えられなかったことや元々志望していた業界を諦められなかったこともあり、自己成長のため再進学を志し、8月いっぱいで退職予定。

Yuka
プロフェッショナルチアリーダー。プロフェッショナルチアダンシングチーム東京ガールズに所属し、世界バレーのハーフタイム出演やバックダンサー、ダンス講師として活動中。
その傍ら金融会社にて正社員として働き、ダブルワークのワークスタイルを取る。アメリカのNBAチアダンサーを目指している。

北 堅太
新卒1年目。これまでウェブ広告の代理店で正社員として働きながら副業でライターを続けてきたが、9月からはこのふたつの路線を統合、コピーライターが本業となる。小学校卒業時からの夢である作家を目指し、右往左往しながら奮闘中。

松浦加奈
人材派遣会社のコーディネーターとしてキャリアを始め、オンラインマーケティングのベンチャーと外資系食品メーカーにて、新卒/中途採用・人材育成・評価制度・社内広報などに携わる。
2016年に国家資格キャリアコンサルタント取得。現在はフリーランスで、キャリアコンサルタント・人事コンサルタントとして活動中。
Z世代の先輩であるY世代代表として座談会に参加。

朝日美陽今回の座談会ファシリテーター。Z世代。
大学卒業後、芸能事務所を退社し、現在フリーランスでライター・女優・ダンサーなどマルチに活動中。ジョイキャリア企画制作や記事作成に携わり、ダンス講師や飲食店アルバイトなどパラレルなワークスタイルを取る。

【編集】横山 允彦
西 繭香

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朝日美陽

朝日美陽

"日常とアートを繋げたい"をテーマに激しめの人生を謳歌するY世代女子。日本大学芸術学部演劇学科演技コース卒業後、女優、ダンサー、モデル、ライターとして活動中。卒業論文でLGBTQ +と表現について研究。老後の夢はBARのママ。

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