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お雑煮

お雑煮

1995年生まれ。浪人・留年経験を経て、総合出版社に内定。雑誌系Webメディアで編集・ライターを担当している。Twitter: @ozouni_es335

2020年1月13日

2020年から始まる「大転職時代」を生き残るために必要な思考法とは

2020年、働き方が大きく変わろうとしています。2019年5月7日には経団連会長の中西宏明氏が「終身雇用を前提に企業経営、事業活動を考えるのは限界を迎えている」と会見でコメントを出したことが話題になりました。またこの会見と同じくして、トヨタ自動車株式会社が総合職の中途採用を将来的に5割に引き上げると発表しています。

そこで今回は「これからの時代に企業が求める人材像はどのようなものか」また、「適した人材になるためにはどのようなスキルを身につければ良いのか」についてお話しします。

グローバル化にIT革命……いま、企業が転職者に求めている人材像

国際競争を勝ち残るためにも、人材が重要となる

グローバル化やITの発達により、近年のビジネスモデルは短いスパンで変化しています。従来の産業構造では、長期にわたって技術力の高いメーカーが優位でしたが、ITが高度化した現在は発展途上国や中小企業でも一定の水準の技術を獲得することが可能になります。また発展途上国では、フィンテックやスマートフォンなどの新しい技術が従来の技術進歩を飛び越えて急速に広まる、リープフロッグと呼ばれる現象も見られるようになってきました。

つまり企業が国際競争を勝ち残るには、技術開発はもちろんのこと、技術を掛け合わせて新しいイノベーションを起こす力が求められています。そして、このイノベーションの源となるのが“人材”です。企業が競争力を強化するためにも、生産性が高く、経営戦略に柔軟に対応し成長できる人材の確保が重要になります。

そのため近年では新卒採用・終身雇用といった枠組みを外れ、転職者にも熱い視線が注がれ始めています。経済アナリスト・中原圭介氏の言葉を借りて、日本は今「大転職時代」を迎えようとしているのです。

なぜ、転職が注目を浴びるようになったのか

東洋経済新報社・LIFE SHIFT公式HPより

では、なぜこのようなビジネスの変化の中で、転職者が注目を集めるようになったのでしょうか。これは、キャリアの捉え方が変化していることにあります。

従来、日本では転職に対し「現状に不満があるから転職をする」などといったネガティブイメージがありました。しかし近年では、自分の人生をより良いものにするために自発的に転職を行う人々が増えてきているのです。

この考え方のきっかけとなったのが、ロンドン・ビジネス・スクールのリンダグラットン、アンドリュースコット教授らが「LIFE SHIFT」という書籍で提唱した「人生100年時代」というものです。

たとえば、従来の80歳寿命のライフモデルでは「20年間学生を過ごし→40年間社会人として活躍して→20年間を老後として楽しむ」のが一般的でした。しかし2107年には平均寿命が100歳に到達し、定年も75歳近くまで伸びると考えられています。

また先述のように、企業競争がより一層加熱することで企業寿命は短くなり、“安定職”といわれていた業界でもビジネスモデルの変化によって不安定となる可能性があります。そのため、人生100年時代を生き延びるためには、転職や資産形成などを通じて生涯のキャリアと向き合う必要があるそうです。

つまり終身雇用の時代と異なり、これからは複数回の転職を通じて段階的にキャリアアップを行うことが必要になってきます。職場でスキルを吸収し、スキルを高めるために転職を繰り返す。これが大転職時代のキャリア形成なのです。

大転職時代に身につけるべきマインドセット

経済産業省「人生100年時代の社会人基礎力」より

大転職時代の社会人にはキャリアに対する当事者意識、すなわちキャリアオーナーシップが求められます。キャリアオーナーシップを身につけるための視点として、経済産業省・産業人材政策室が平成30年に発表した「人生100年時代の社会人基礎力」という資料に、「何を学ぶか」「どのように学ぶか」「どう活躍するか」の3つが記されているのでご紹介します。

まずひとつ目に「何を学ぶか」。これは「学び続けることを学ぶこと」を指します。キャリアオーナーシップを身につけるためには、自らの強みを理解しスキルや経験を高め続けることが重要になります。

次に「どのように学ぶか」。これは「自らの視野を広げて、自己の多様な体験・経験や能力と多様な人々の得意なものを組み合わせて、目的の実現に向けて統合すること」とされています。つまり企業活動などを通じて、自らの学びをブラッシュアップしていく、ということです。近年ではリカレント教育など、企業が学びの場を設けることも増えてきました。

最後に「どう活躍するか」。これは自己実現や社会貢献に向けて行動することを指します。

キャリアアップのための転職は、企業のメリットも大きい

大転職時代を目前に、個人と企業の付き合い方が変わりつつある

先ほどの3つの視点からわかるように、これからの社会人は自らのスキルとして獲得したい経験や目標を設定(何を学ぶか)し、企業活動を通じて主体的に自己実現(どのように学ぶか・どう学ぶか)していく必要があります。

企業が中途採用を強化するのも、キャリアオーナーシップを持った人材を求めているからでしょう。このような人材は企業にとってもイノベーション・生産性が得られやすいのです。現に企業の役目も、人々への成長機会の提供や個人の自律を促す場所として変化しつつあります。

個人はキャリアアップのために転職を行い、企業を通じて主体性とモチベーションを高めていく。そして企業は、キャリアオーナーシップを持った個人を通じて競争力を高めていく。大転職時代とは「個人と企業が対等な立場で貢献していく時代」なのです。

来たる大転職時代を生き残るためには

転職が、キャリアアップの第一歩となる

このような転職を軸にしたキャリア形成は、既に先進国ではメジャーとなっています。現在、企業での平均就業年数はアメリカで4年半、イギリスで8年ほど。日本の平均就業年数がおよそ12年であることを考えると、かなり転職のスパンが短いことが伺えます。

たとえばアメリカでは終身雇用という概念がないため、経歴と職歴が重視されるそうです。そのため仕事ができる人は「転職を繰り返してスキルアップし、より待遇の良い会社にステップアップする」という認識があります。

日本においては未だ、転職を多く繰り返すジョブホッパーは「適応力がないのでは」「社会的需要がない人材なのでは」と敬遠されがちですが、これから安定雇用・終身雇用という概念が崩壊することで、間違いなく「柔軟な適応力を持った社会的価値の高い転職者」が存在感を高めることになります。

来たる大転職時代を生き残るためにはキャリアオーナーシップを身につけた上で、自身のスキルアップ・キャリアアップのために前向きな転職を繰り返していくことが、成功の鍵ではないでしょうか。

働き方や転職のお悩みはキャリアのプロに相談!

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