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トイアンナ

トイアンナ

慶應義塾大学卒。P&Gジャパン、LVMHグループでマーケティングを担当。独立後は主にキャリアや恋愛について執筆しつつマーケターとしても活動。新著『モテたいわけではないのだが ガツガツしない男子のための恋愛入門』が2万部を突破。 ブログ:「トイアンナのぐだぐだ」 http://toianna.hatenablog.com/ Twitter: https://twitter.com/10anj10

2020年6月24日

男性が見落としがちな「キャリアと結婚」4つの罠・前編【キャリアの傷痕】第25回

トイアンナさんによる連載「キャリアの傷痕」第25回。この連載では「キャリアに傷がない人間なんていない。でもそこから得る“ジョイ”があるはず」という観点で分析・取材を進めていきます。

今回は前後編をとおして、20代男性が想像する「理想の30代」に潜む4つのワナについて、就活支援を長年しているトイアンナさんが解説します。

20代が想像する「理想の30代」は無邪気で美しい

男性が想像する30代の理想的な図は、家庭円満なサラリーマン

就活支援をしていると「20代が想像する30代の暮らしは、理想の詰め合わせパック」になっていると感じる。

タイトルに「男性」と書いたが、これは男性に限った話ではない。男女ともに「30代になったとき、結婚していたい。課長くらいにはなりたい。ちょっと広めの家に住んで、子どもを大事に育てたい」という理想像を描きやすい。

私も20代のころ、自分がそんな“普通の家庭”に暮らすと信じて疑わなかった。そして、そうではない暮らしをする自分を想定しては「夢が破れたら、どうなるんだろう」と不安に思っていた。

そして30代がきた。だが、どうだろう。私はすべての夢を叶えたわけではないが、とてつもなく幸せだ。というのも、自分にとって「普通の家庭」のすべてが欲しいわけじゃないと気づいたからだ。人生で壁にぶつかるたび「ぶっちゃけ、この幸せ、無理してまでいる?」と自問自答して、叶えたい未来だけを厳選してきた。だから、今の私は20代の自分が夢見た姿ではなくても、幸せに暮らしている。

20代というのは、自分の幸せが何かという条件がはっきりしない時期なのだろう。だから世間の幸せ詰め合わせパックが欲しくなるのだ。その方が、失敗しなさそうだから。

そんなわけで、20代男性が無邪気に想像する理想の30代も、無邪気な夢が詰め込まれている。

  • 結婚して、子どもが1人。できれば2人
  • キャッチボールを休日にして、家族で買い物に行きたい
  • 毎日夕食の時間に、何があったか子どもから聞くんだ
  • 妻にもフルタイムで働いててほしい。その方が刺激があるし、自分の責任も重すぎない
  • 受験はホンネを言えば、俺と同じ母校がいいな
  • たまに子どもを親のところに預けて、夫婦水入らずでデートしちゃったりして

ここまで考えていれば、かなり上等である。大半はただぼんやりと「子どもがいたら楽しいな~」くらいで止まっている男性が多いのではないだろうか。私が20代のころ想像していた理想の30代なんて、リアリティのかけらもなかった。

男性のキャリアプランに潜む落とし穴1:そもそも結婚できるのか?

仕事は忙しい。そして、20代はあっという間に過ぎてしまう。

そんなわけで、20代後半になった男性は「こんなはずじゃなかったんですけど……」と相談に来る。いちばん多い相談内容は「自然に出会って結婚すると思ってたら、相手に出会わずそのまま30代になりそう」という悩みだ。

新卒入社してから30歳ごろまでの仕事は、とにかく忙しい。総合職に就けばなおさらだ。慣れない仕事に追われ、気づけば30代になっていたという男女は少なくない。

さらに、男性が見逃しがちなのが「転勤」のリスクだ。総合職なら転勤は覚悟せざるを得ないが、転勤する男はモテない。地方でもモテにくい。数年で地元を離れる男は、女性からモテにくい。

「彼と結婚したら、見ず知らずの土地で友達もいないなかで暮らすことになるのかもしれない」「子どもは転校させ続けなくちゃいけないかもしれない」「ずっと単身赴任で、結婚してもまともに会えないかも」など、想像されてしまうからだ。

実際、転勤族のままで結婚したら未来はそうなる。夕食のだんらんどころか、単身赴任先でカップ麺の日々が続くかもしれない。子どもは一度受験した学校へ進学したら、その場を動けないからだ。

キャリアプランは転勤の可能性も含めて考えたい

「男だし、総合職っしょ」と安直に就職し、転勤させられて泣く男性は多い。とくに日本企業では「子どもができた男性を積極的に転勤させる」風習がある。転勤させれば手当てが出て、子どもの養育費を出しやすいという配慮からだ。

だが、その配慮はあなたを子どもから遠ざける。

単身赴任が長引くなら「お父さん? あんまり家にいないし、ほぼ他人」
なんて言葉を、思春期の子どもから聞かされる覚悟がいる。
それが嫌なら、転勤の可否は必ず考えたほうがいい。共働きの妻を望むなら、彼女だって仕事を辞められない。あなたに同行すれば昇進を諦めるどころか、2度とフルタイムになれないかもしれないのだから。

経済的に自立した女性と結婚し、なおかつ転勤ありのキャリアを選ぶなら、別居婚の可能性は限りなく上がる。自立した女性と、あなたについてきてくれる女性、両方のいいとこどりをできるタイプは、そういない。

男性のキャリアプランに潜む落とし穴は、残り3つ

前編では、男性が見落としがちな「転勤リスク」について触れた。後編ではさらに、残り3つのリスクに触れていきたい。

といっても、リスクは恐れるためにあるのではない。適切に対処するために知るのだ。4つのリスクを踏まえてキャリアを選べる人なら、きっと自分なりの幸せな30代をつかみ取れるに違いないと、私は信じている。

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トイアンナさんの連載コラム「キャリアの傷痕」

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慶應義塾大学卒。P&Gジャパン、LVMHグループでマーケティングを担当。独立後は主にキャリアや恋愛について執筆しつつマーケターとしても活動。新著『モテたいわけではないのだが ガツガツしない男子のための恋愛入門』が2万部を突破。 ブログ:「トイアンナのぐだぐだ」 http://toianna.hatenablog.com/ Twitter: https://twitter.com/10anj10

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