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トイアンナ

トイアンナ

慶應義塾大学卒。P&Gジャパン、LVMHグループでマーケティングを担当。独立後は主にキャリアや恋愛について執筆しつつマーケターとしても活動。新著『モテたいわけではないのだが ガツガツしない男子のための恋愛入門』が2万部を突破。 ブログ:「トイアンナのぐだぐだ」 http://toianna.hatenablog.com/ Twitter: https://twitter.com/10anj10

2020年9月16日

世界から恋が消え、仕事がますます大事になるのだ【キャリアの傷痕】第31回

トイアンナさんによる連載「キャリアの傷痕」第31回。この連載では「キャリアに傷がない人間なんていない。でもそこから得る“ジョイ”があるはず」という観点で分析・取材を進めていきます。

第31回は「恋が世界から消えるなか、キャリアの重要度が上がる現象」について、トイアンナさんがお伝えします。

新型コロナウイルスの影響で64%が恋愛をやめた

こんな時代に恋愛をするほど、空気読めなくない

新型コロナウイルスの影響で、64%が婚活や恋活を休止している――。最大手のマッチングアプリ「Pairs」を運営する株式会社エウレカから、衝撃的なプレスリリースが出ました。

6%じゃないんです、64%です。過半数が恋愛を諦めているんです。Pairsにとってもネガティブな内容のためか、プレスリリースにもひっそりとグラフが掲載されていました。

と、驚いたフリはしてみましたが……。恋愛ライターという立場を離れて、ただの33歳・女として考えてみると「そりゃ、そうだ」と思わざるをえません。私が住んでいる東京都では、飲食店も軒並み22時閉店。たとえお店がやっていても、3密が気になって人気店へ入る気もそぞろ。こんな状況で、出会いを探せと言われても……ってなものです

新型コロナウイルスのストレスが、限界に達しつつある私たち

リモートワークで過労に追い込まれる女性

2020年8月は、波乱の月でした。私は自分も執筆する傍ら、媒体さんのためにライターへ原稿執筆を依頼することもあります。いわゆる、記事の企画を立てるお仕事です。このお仕事を5年ほどやっておりますが、2020年の8月ほどライターが納期を守れず蒸発した月もありませんでした

そして、これはライターだけの現象ではありませんでした。執筆以外のお仕事を依頼していた方まで軒並みパフォーマンスが下がり「普段ならこんな感じじゃないよね?」という返信速度に。

周りで会社員をしている友人も「何か無理。もう働けない」と、仕事でヘバりだしていました。中には鬱で休職した方まで出る事態に。一体、何が起きていたのか。

おそらく、新型コロナウイルスに起因する労働環境の変化によるストレスが徐々に蓄積し、8月で爆発したのではないか……と、見ています

リモートワークで通勤しなくていい、職場の嫌な人間関係から解放されるなど、良い面も強調されてきた在宅勤務。ですが、どんな変化もストレスはストレスです。もともと在宅勤務が多いライターすらギブアップした8月は、会社員にとってどれほど変化が多く、厳しい時期だったでしょうか。

仕事に疲れても、恋愛や趣味にうつつをぬかせない

デートをしようにも、出会えない昨今

そして、仕事に疲弊した女性が呟きがちな「彼氏ほしい」「結婚したい」という逃げ口上だって、今年は許されませんでした。なにしろ出会えないのです。

若年層が集まる東京は今年の夏、新型コロナウイルスの感染者が連日100人超え。しかも在宅勤務ですから、会社帰りにちょっと合コンへ……なんてわけにもいきません。

仕事に疲れたし、恋愛のチャンスでも探すか! と思ったところで、新型コロナウイルスの感染リスクを背負ってまでわざわざメイクして、かっちりした服に着替えて、都心部まで出て相手を探すか? と言われたら、私だって「家でメンマを肴にビール飲みたいわ」と答えます。

朝起きて、シャワーへ入ってコーヒー飲んだらおもむろにパソコンを起動して仕事開始。そのまま上半身だけシャツを着て業務。お昼はお素麺でも適当に茹でて……午後もそのままデスクワーク。終業後はベッドに寝転がりながらNetflix。

私の4月~8月は本当にこれだけで終わってしまいました。いやNetflixおもしろいけどさ、もっとこう、人生にバリエーションがほしい。と、徐々にフラストレーションが溜まりゆく数か月でもありました

たまにZoom飲みとかやってみるけど、家族に声が聞こえるとなんとなく遠慮しちゃって、思ったことも話せないし。ワイワイ混んでる居酒屋には、どうにも入りづらい。チラっと横目で見て「やっぱり入るのやめておこう……」「また次の機会でいっか……」と入店を諦め、そして次の機会は全然やってこない。

さきほど「ライターが納期を守ってくれないよ~」と泣いていましたが、何を隠そう私も原稿の進捗はまるでダメでした。人のことを偉そうに言っている場合じゃなかったんです。

こんな時だからこそ、仕事で光る人が見える

今年輝いていた人は、いま引っ張りだこになっている

そして、こんな時だからこそ目立ったのが「パフォーマンスを落とさない人」でした。ただ、予定通りにメールを貰える。その素晴らしさ、安心感ときたら。私が手を伸ばしてもできないことをやり遂げてくださるその崇高なプロ意識。

「いや、納期を守るなんて当たり前じゃん」
「コロナで疲れてるからって、クオリティは下げちゃだめでしょ」

と、みなさん思っているに違いありません。それはわかります。でも、「わかる」と「できる」は違うんです

今年は日本で、いえ世界で新型コロナウイルスと戦う人たち全員がキャリアで、仕事で傷を負う時期です。家に閉じ込められ、旅行にも思うように行けず、ストレスを抱えた家族同士を支え合う……それって、とてつもない偉業です。

そして、恋愛や余暇に逃げられないからこそ、今が踏ん張り時で、仕事で差を出せる時期なのかもしれません。今、真摯にお仕事をすること。当たり前が非常事態には、最高の成果になります。厳しい。でも、もし余力が残っているならば……一緒になんとか超えていきましょう。

トイアンナさんの連載コラム

トイアンナさんの連載コラム「キャリアの傷痕」

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