この記事を書いたライター

みよたかこ

みよたかこ

人材業界で10年以上働きながら、ライターとしても活動する就職氷河期世代。翻訳書出版の経験も持つ。現在の執筆テーマは、社会人のキャリアやスキルアップ、女性の生き方など。趣味は飲酒しながらの料理。

2020年9月17日

【働き方レポート】ガイアックス社の新規事業を生み出す仕組みとは?スタートアップスタジオを解剖する

株式会社ガイアックス

日本の大企業が新規事業を生み出せないと言われて久しくなった。既存事業の停滞に悩む大企業が新規事業開発部門を作る、あるいは社外と提携などで新規事業を立ち上げようとするものの、うまくいかない事例も多い。

そのような中、株式会社ガイアックスは自らの存在を「スタートアップスタジオ」と表現し、多くの新規事業を立ち上げ軌道に乗せている。今回は、スタートアップ各社の事業責任者4人へ直接インタビューを行い、次々と新サービスを生み出すガイアックス社の仕組みに迫った。

大企業から新規事業が生まれない今の日本

新規事業開発部門をつくる会社も多いが・・・

新規事業を立ち上げ、成長させることは難しい。近年はオープンイノベーションと称して大企業がベンチャー起業と協業したり、アクセラレータープログラムを開催したりしているものの、そのほとんどは苦戦している。

これまで日本の大企業は、自社内の技術で製品を開発、製造し販売する「自前主義」で成長してきた。その結果、既存事業が落ち込み新規事業を立ち上げようとしても社内で事業アイデアが出てこないことが多くなった。社内に新サービスを考えた経験がある人がいないからだ。

さらに、日本ではスタートアップが生まれにくい。企業の廃業率は3%台、開業率は4%台と世界と比較すると格段に低い。この新陳代謝の低さが日本の経済を停滞させている一因と言われている。

このように、大企業が試行錯誤を繰り返す一方で、新サービスを次々に生み出しているのが自らを「スタートアップスタジオ」と位置付けるガイアックス社だ。

ガイアックス社の新規事業創出の仕組みとは

ガイアックス社内風景

新規事業の立役者は若手ビジネスパーソンだ

株式会社ガイアックスは1999年に創業した。個人向けホームページ作成サービスに始まり、現在は企業向けSNSコンサルティングやシェアリングエコノミーを手がける傍ら、多くの新規事業を生み出している。

最初に、スタートアップ支援組織であるGaiax STARTUP STUDIOの仕組みについて、責任者の佐々木喜徳氏に伺った。

シェアリングエコノミー事業を次々に生み出すGaiax STARTUP STUDIO

佐々木喜徳/株式会社ガイアックス技術開発部・技術基盤部本部長/スタートアップスタジオ事業部長

スタートアップスタジオ責任者の佐々木氏

ーーGaiax STARTUP STUDIOは2018年に立ち上げたそうですね。

佐々木:実はその以前から、スタートアップ創出支援は手がけていました。社内からサービスを立ち上げたいという声が上がると、子会社化したりカーブアウト(新会社として独立)させたりしていたのです。

2017年、日本で初めて発売されたスタートアップスタジオに関する書籍を読み「これって、うちのことじゃん! 」となり、その翌年Gaiax STARTUP STUDIOと命名・組織化しました。

ーーどのようなことを目指してGaiax STARTUP STUDIOを運営していますか?

佐々木:人と人をつなげてあらゆる問題を解決することです。これはガイアックス社のミッションでもあります。その中でも、Gaiax STARTUP STUDIOでは社会問題を解決していきたいと考えています。たとえば環境、格差社会、メンタルヘルス、住まいや一次産業といった分野です。

ーーGaiax STARTUP STUDIOの新規事業支援の仕組みを教えてください。

佐々木:リーンスタートアップ(※1)の仕組みを取り入れています。解決すべき課題を見つけ、課題に対する最適な解決策を見出し、顧客が満足するサービスを提供するという3つのフェーズを検証しながら追加投資をしていきます。

※1:試作品を低コスト・短期間でつくり、顧客の反応を見て検証を重ね、より良い製品・サービスにしていくマネジメント手法

ーーGaiax STARTUP STUDIOの力が最も発揮できるポイントは?

佐々木:インサイト(消費者自身も気づいていない無意識の心理)を見つけるユーザーインタビュー手法に力を入れています。ユーザーがお金を払ってでも解決したい強い課題や、まだ気づいていないけれど欲しかった課題を見つけるのはとても難しいものです。

ーーインサイトが見つかり、事業のアイデアができた後の支援は?

佐々木:MVP(※2)開発をしてユーザーに試してもらう「Solution Problem fit」のフェーズでも支援を行います。最近では、ある程度ユーザーの課題が見つかったらすぐにアプリを作ってしまうことが多いです。

ソリューションが立ち上がり「これはいけるな」という段階になったら我々の手から離れ、VC(ベンチャーキャピタル)からお金を集めるなどして事業をグロースさせていきます。

※2:Minimum Viable Product の略。最小限の機能のみを実装したプロダクトのこと。これをユーザーに試してもらい、フィードバックをもらってプロダクトの改良を積み重ねる。

エンジニア人材や技術ノウハウも支援する

ーーこれまでの実績は?

佐々木:Gaiax STARTUP STUDIOから輩出した起業家は10数名です。さらに投資している会社が30社ほどあり、トータルで40~50ほどの投資先ができました。シェアリングエコノミーの普及に対して価値を出せていると考えています。

ーー佐々木さんが考える「いい起業家」とはどのような人でしょうか?

佐々木:自身に強い想いがあったり、原体験として感じている課題があったりする人です。加えて、行動量と思考量が多い人ですね。新規事業は、ほとんどのことがうまくいかないので、走りながら考えることが求められるからです。PDCAをスピード感をもって回し続けることが必要です。

ーーこれから注力したいことは何でしょうか?

佐々木:起業家の輩出です。起業家の輩出率が低いことは日本が抱える大きな課題です。資本主義は新しいビジネスに投資するからこそ発展するものですから、起業家を生まないと経済が発展しません。この課題に向き合うことは、我々の役目だと考えています。

4人の事業責任者が語る、ガイアックス社の新サービス創出の秘訣

アイデアを見つけても、事業として成長させていくことは難しい

ガイアックス社の新規事業支援の仕組みは、大きく以下の4パターンがある。

  • Gaiax STARTUP STUDIO
  • 社内の新規事業コンテスト(現在はGaiax STARTUP STUDIOに統合)
  • 既存の事業部内からの立ち上げ
  • 社員個人による副業もしくは独立を支援

ガイアックス社から生み出されたビジネスにはどのようなものがあり、どのような仕組みに支えられて事業を展開しているのか。事業責任者4名に話を伺った。

シェアグリ:大学在学中に農業ビジネスを起業。農家が悩む人不足を解決

井出飛悠人/株式会社シェアグリ代表取締役社長

代表の井出氏。大学時代から起業を志していた

株式会社シェアグリは、人手不足に悩む農家へ、農業のスキルをもった特定技能外国人を最低3か月の短期間から派遣するビジネスを展開している。2019年にGaiax STARTUP STUDIOから生まれたサービスだ。井出飛悠人代表に話を伺った。

ーー事業立ち上げの経緯を教えてください。

井出:大学3年生のとき、農業分野で起業しようと決意しました。実家が長野県佐久市にある種苗会社で、農業の問題を身近に感じていたからです。

当初は農機具を個人間でシェアするビジネスを立ち上げましたが、CtoCは一次産業の人にとってはハードルが高く事業継続には至りませんでした。しかしながら、その際の農家さんとの会話から農家さんが抱える大きな悩みは農繁期での人手不足だと気づき、違うビジネスモデルへピポットしました。

ーーどのようなビジネスモデルですか?

井出:農業のスキルを持った特定技能外国人をシェアグリが直接雇用し、農家さんの農繁期に派遣します。農家さんにとっては、人手が必要な時期に必要な人数を確保できるメリットがあります。毎年の農繁期に同じ働き手を派遣することもできますので、ゼロから育成する負担もかかりません

シェアグリ

通常は人手が足りているものの、農繁期だけ足りないと悩む農家は多い

ーー働き手となる特定技能外国人にとってのメリットは?

井出:高水準な賃金で、安定的に働く環境を得られることです。シェアグリが直接雇用して、数ヶ月ごとにさまざまな農家さんへ派遣しますので、高水準な賃金で1年じゅう働けます。

ーーガイアックス社からのサポートでありがたいことは何ですか?

井出:バックオフィスで必要なことをすべて担ってもらっています。何も知らないで起業した身からすると、これらのことを勉強する時間を割く必要がなく、事業に集中できます。ありがたいですし心強いです

ーー今後の展望をお聞かせください。

井出:「人材の産地間リレー」を実現したいです。今はJAグループのバックアップを受けながら、シェアグリのサービスを全国に広げようとしています。同じ農産物でも、産地によって収穫期は違います。県単位のJAどうしが人材を融通しあえば、人手不足の問題はもっと解消すると考えています。

今の日本は、農地は余っているものの人がいない状態です。農家さんには、人手不足を気にせずに農業に専念してほしいと考えています。ガイアックス社の上田社長に相談しながら、そしてJAにも進め方を教えていただきながら全国展開をがんばっています。

ADDress:定額で多拠点住み放題。新しい生活スタイルを普及させたい

佐別当隆志/株式会社アドレス代表取締役社長/シェアリングエコノミー協会理事/ガイアックス社員

自宅をシェアハウスにしていたこともあるというADDress代表の佐別当氏

ADDressは、個人が定額で全国各地にある同社が運営する家に住めるサービスだ。株式会社アドレスの佐別当隆志代表が、もともとは個人でやろうとしていた事業だったという。

ーーADDress立ち上げの背景をお聞かせください。

佐別当:ADDressは私個人のアイデアです。実は個人で立ち上げるつもりだったのですが、勤務先のガイアックス社が起業支援をしているので上田社長に相談したところ、ガイアックス社の支援を受けて事業を立ち上げることになりました。2018年のことです。

共同生活には大きな価値があるとずっと感じていたんです。以前はシェアハウスで暮らしていて妻ともそこで出会いましたし、ガイアックスの寮に住んでいたこともありました。自宅をシェアハウスとしていた経験もあります。この生活スタイルをもっと広めたいと考えました。

ADDress

当たり前だった「定住」の生活スタイルに一石を投じる

ーーコロナ禍で注目が集まりそうなサービスですね。

佐別当:今年の新規会員数は昨年の3~4倍に伸びています。日本全国どこにいても仕事ができる人がコロナ禍で増えたように思います。今年は新規会員の45%が会社員です。とくに、IT企業などにお勤めで成果で評価される人が多いですね。

ーーガイアックス社からはどのような支援をもらっていますか?

佐別当:バックオフィス機能を支援してもらっています。資金調達では契約書の準備、印刷、押印までやってもらって、安心できる屋台骨です。

ガイアックス社が出資していることが信用となり、出資先や提携先を紹介してもらえることもあります。

ーーJRやANAなど、大手の提携先が多いですね。どのように開拓したのですか?

佐別当:ガイアックス社の上田社長が代表理事を務める一般社団法人シェアリングエコノミー協会のつながりで開拓しました。大手との提携は創業当初から考えていたことでした。日本のどの地方でも信頼できる会社になるためには、誰もが知っている会社から出資を受けていることも重要だろうと思っていたからです。

ーー今後、どのような社会を実現したいと考えていますか?

佐別当:資本主義の延長線上にある暮らし方ではなく、「分散型の共同体」を作っていきたいと考えています。日本の地方には、人も歴史も食べ物も豊かな場所がたくさんあります。そのような土地にも住んでもらって、複数拠点を移住する暮らしを広めていきたいです。

TABICA:地域ごとの「当たり前の生活」を気軽に体験。伝統文化を次代に残す

細川哲星/株式会社ガイアックスTABICA事業部地方創生室室長

事業を立ち上げた細川氏。生まれ育った故郷の過疎化が起業のきっかけだ

TABICAは、日本全国の地域の暮らしを体験できるサービスだ。地方創生室長の細川哲星氏に話を伺った。

ーーTABICAは、Gaiax STARTUP STUDIOの前身の新規事業コンテストから生まれたビジネスと伺っています。立ち上げの背景をお聞かせください。

細川:私の地元である京都府南丹市で過疎化が進み、昔からのお祭りや伝統文化がなくなってきていることがきっかけです。実家はお寺なので、地域の文化を身近に感じてきました。日本にある市区町村の半分は2040年には消滅する可能性があるというニュースも目にして、地域の文化とは放っておいたらなくなるものなのだと強く感じるようになりました。

そこから、地域の人がいつもしている体験を地域外の人にも体験してもらえれば、その伝統文化は残せるだろうと考えました。

ーーサービスを成長させていく過程で難しかったことはありましたか?

細川:マーケットに受け入れられる企画を探すことです。2015年6月に正式ローンチし、企画を増やしていくと関東在住の人が農業や自然を体験したいニーズがあることがようやくわかりました。農業体験だけ参加者が増え続けていて、体験した人からも好評だったのです。

ニーズをつかんだ後、関東圏の農家さんでホスト(体験を提供する人)になってくれる人を増やすことにも苦労しました。農家さんにとってTABICAは、知らない会社のWEBサービスですから。折り畳み自転車を電車に乗せて、農家さんへ何回も通ったこともありました。

今では町案内、グルメツアー、釣りなどの企画もできました。業務委託やアルバイトも入れて20名ほどの体制で運営しています。

TABICA

その土地の暮らしを体験できる

ーーガイアックス社からはどのような支援を受けていますか?

細川:バックオフィスのサポートはもちろん、事業へのアドバイスももらえることです。上田社長は今も週1回の定例会議に参加しますし、社内の他事業部の人に相談することもあります。

ーー今後の展望をお聞かせください。

細川:今はオンラインで体験できるサービスも始め、オンラインでも交流できる手ごたえを感じています。ドローンを使って水中体験をするなど、オンラインならではの体験もあります。こどもの日に開催したオンライン親子料理教室には1万人もの参加者が集まりました。リアルとオンラインを合わせると前年を超える業績になりました。

今後は、参加者やホストのライフステージに合わせた体験ができるプラットフォームとなれるようリアルとオンラインの両方を伸ばしていきたいと考えています。今は47都道府県の体験が揃いました。次に目指すのは、すべての市区町村で体験ができるラインナップです。体制面ではTABICAの法人化、そして上場も目指したいですね。

オンライン就活:地方学生も就活しやすい環境を。コロナ禍の前からサービス展開

管大輔/株式会社ガイアックス ソリューション事業本部長

就活の地域格差をなくしたかったと語る代表の管氏

オンライン就活は、ガイアックス社の既存事業部から新たに立ち上がった事業だ。リアルで行うことが常識だった企業の採用活動へ風穴を開けることを目指す。コロナ禍での注目も集まるサービスだ。事業責任者の管大輔氏に話を伺った。

ーーオンライン就活の事業はどのように着想されたのですか?

管:担当していた事業でクライアント企業の人事や経営者と話す機会があり、そこから着想を得ました。企業の採用活動において、地方在住の学生にアプローチするには出張しなければならず、時間も費用も負担が大きいという悩みを聞いたのです。成果が出なければ、翌年は出張を止めることになります。企業も学生も機会が失われていると感じました。

テクノロジーが発達した時代においては、都市部も地方も学生の機会は均等であるべきだと思い、昨年9月頃から事業企画を進めて今年2月にサービスをリリースしました。

ーーガイアックス社の仕組みがどう役立っていますか?

管:私自身が事業に集中できる環境を与えてくれています。レベルの高いバックオフィス体制、ガイアックスグループ内でのクライアント紹介、そしてシステム面でも社内のエンジニアに協力してもらえます。エンジニア人材は採用が難しいので、とても助かっています。

オンライン就活

企業と地方学生、双方の悩みを解決する

ーーリリース直後に新型コロナウイルス感染症が流行しましたね。

管:コロナ禍で、地方学生に機会を提供したいという想いは解決されてしまいました。当初の強みだけでは強みでなくなり、もう一段サービスレベルを上げないといけないと考え、この4月からオンラインキャリアセミナーを毎日開催しています

セミナーの内容は、就活攻略法ではありません。キャリア形成や生き方のテーマが中心です。内定を取る支援ではなく、社会でも活躍できる支援をしていきたいからです。

大きな試練でしたが、コロナのおかげで思考を深めることができたと捉えています。

ーーこれからどのように事業を成長させていきたいですか?

管:企業と学生のミスマッチをもっとなくしたいと考えています。

学生の中には社会人としてやりたいことがない人も多いのが実情です。入社後に何をしたいのかを明確に答えられる学生を増やしたいと考えています。

一方で、学生が就活対策をしすぎると企業側の見極めが難しくなる問題も起きてきます。企業と学生の双方が本音で話し合える採用方法を実現できれば、ミスマッチは解消すると考えています。

ガイアックス社はなぜ新規事業を次々に生み出せるのか?

稀有な存在であるガイアックス社から学べることは何か?

多くの企業が新規事業創出に苦しむ一方、ガイアックス社はなぜこのように新サービスを常に生み出し、成長させることができているのか。4つのポイントを挙げたい。

①経営管理はお任せ。起業したら事業に集中できる

今回インタビューした4名の事業責任者が口をそろえて「ありがたい」と語ったことが、ガイアックス社からのバックオフィス機能のサポートだ。

会社経営に必要な手続きや、経理・財務面のサポートを受けられることで、事業そのものに専念できる。重要な事業立ち上げ期において、これはありがたい環境だ。

②個人の想いを尊重しながらも、相談が常にできる環境

誰かに頼まれたことを成功できるほど、新規事業立ち上げは簡単ではない。事業責任者には、上手くいかないことが続いても諦めずに立ち向かえる精神力が必要だ。その精神力を支える想いや原体験が必要であるからこそ、同社では個人のやりたいことを最大限尊重している

そのうえで、相談が常にできる環境があるのは事業責任者にとって心強い。多くの実績とノウハウの宝庫であるGaiax STARTUP STUDIOでの相談はもちろん、社内には多数いる事業立ち上げの経験者にも相談できる環境だ。

③テクノロジーによるバックアップ

現在のスタートアップの市場において、新規事業の成功にはスピードは欠かせない要素となる。いち早くMVPを作り、ユーザーに試してもらい課題を抽出し、改善を繰り返してユーザーに受け入れられるサービスを作る必要がある。

ガイアックス社によるスタートアップ支援では、ガイアックス社の開発チームやフレームワークなどをフル活用し、通常は数ヶ月かかるものを数日で完成させ、いち早くプロダクトを試すことができるという。

④新卒でも採用するのは「起業家」。走りながら考える企業風土

「実験をしてみる」ことが奨励されている

ガイアックス社は、新卒でも起業に興味がある人を積極的に採用している。「採用活動は起業家を集める意識で行なっている」とスタートアップスタジオ事業部長の佐々木氏は述べる。最近では、早い段階から起業に興味を持つ人を増やすべく中高生にも起業のエッセンスを伝える授業を行っているそうだ。

起業に興味がある社員が集まり、「まずやってみる」文化が社内に根付いているとTABICAの細川氏は語る。実は社内コミュニケーション量はさほど多くないそうだ。チャレンジすることが奨励され、走りながら考える文化が形成されていることもガイアックス社の大きな強みだ。

まとめ:新規事業を生み出す組織には「仕組み」と「文化」の両面が必要

ハード面とソフト面の両方があってこそ新規事業が成功する

ガイアックス社は、新規事業を立ち上げて成長させるための仕組みがあることはもちろん、アイデアを事業化し、成長させるためにチャレンジすることを奨励する企業文化がある。企業文化は一朝一夕にできあがるものではない。作りたい文化にふさわしい人を採用し、長い期間をかけて行動規範を根付かせる必要がある。

新規事業を常に生み出す組織には、ハード面の「仕組み」と、ソフト面の「文化」が必要である。新規事業開発部門を作ったり、アクセラレータープログラムだけ開催しても成功は難しい。チャレンジを奨励する文化があってこそ、仕組みは活きるのだ。

インタビュイープロフィール

佐々木 喜徳(ささき よしのり)
株式会社ガイアックス 技術開発部・技術基盤部 本部長/スタートアップスタジオ 事業部長

組み込みOS開発やテクニカルサポート業務の経験を活かし、個人事業主として独立。その後、フィールドエンジニアリング会社の役員を経て2007年からガイアックスに参画。スタートアップスタジオ責任者として起業家への壁打ちや投資判断を担当。また兼任して技術本部長として、ガイアックスで生まれるスタートアップの技術支援や組織のエンジニアリングの戦略に取り組んでいる。

井出 飛悠人(いで ひゆと)
株式会社シェアグリ 代表取締役社長

2018年8月大学農学部在籍中に、株式会社ガイアックスのスタートアップスタジオの元、シェアグリを起業。実家は150年続く種苗会社を営んでいることもあり、幼いころから農業が身近にあった。アップデートされない農業界に疑問を感じ、農業の目の前の課題を解決し続けるために事業を進めている。現状は農業の人手不足にフォーカスし、特定技能外国人の農繁期スポット派遣を行っている。

佐別当 隆志(さべっとう たかし)
株式会社アドレス代表取締役社長/シェアリングエコノミー協会理事/ガイアックス社員

2000年株式会社ガイアックスに入社。事業開発を経て、2016年一般社団法人シェアリングエコノミー協会を設立し事務局長に就任。2017年内閣官房IT総合戦略室よりシェアリングエコノミー伝道師を拝命。総務省、経産省のシェアリングエコノミーに関する委員を務める。定額制の多拠点コリビングサービスを展開する株式会社アドレスを設立し、代表取締役社長に就任。2020年シェアリングシティ推進協議会代表に就任。

細川 哲星(ほそかわ てっせい)
株式会社ガイアックス TABICA事業部 地方創生室 室長

2013年株式会社ガイアックスに入社。企画営業を経て、2014年ガイアックス社内でのビジネスプランコンテストにて採択されたCtoCのローカルガイドマッチングサービス「TABICA」をTABICA事業責任者として立ち上げ。2017年総務省主催「ICT地域活性化大賞2016」奨励賞を受賞し、TABICA事業部 地方創生室 室長に着任し自治体・法人とのアライアンスを担当。2018年、内閣官房シェアリングエコノミー伝道師、総務省地域情報化アドバイザーに任命される。

管 大輔(すが だいすけ)
株式会社ガイアックス ソリューション事業本部長

2013年株式会社ガイアックスに新卒入社。SNSマーケティングのコンサルタントとして従事した後、2015年に事業部長に就任。クラウドソーシングの活用、リモートワークの推進など働き方の多様化を積極的に進めた結果、2年間で離職率を40%から0%にし、売上は5倍に成長。2019年にソリューション事業本部長に就任。2020年に『オンライン就活』サービスを立ち上げ。学生に多様な生き方や働き方を伝える「オンラインキャリアセミナー」を毎日開催するなど、学生のキャリア支援を行っている。

株式会社ガイアックスについて

1999年創業。個人向けホームページ作成から始まり、現在は企業向けSNSコンサルティングサービス、シェアリングエコノミー事業の創出を行っている。2016年にはシェアリングエコノミー協会を立ち上げ、啓蒙活動も担っている。ミッションは「インターネットを通じて人と人をつなげる」。創業から一貫して人をつなげるサービスを社会に提供している。
公式HP:株式会社ガイアックス

働き方や職場の悩みはキャリアのプロに相談!
仕事のお悩み相談室(無料)

「仕事・職場…etc」読者の悩みにキャリアのプロがズバッと回答!

この記事を読んだあなたにおすすめの記事

この記事を書いたライター
みよたかこ

みよたかこ

人材業界で10年以上働きながら、ライターとしても活動する就職氷河期世代。翻訳書出版の経験も持つ。現在の執筆テーマは、社会人のキャリアやスキルアップ、女性の生き方など。趣味は飲酒しながらの料理。

TOPへ戻る