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トイアンナ

トイアンナ

慶應義塾大学卒。P&Gジャパン、LVMHグループでマーケティングを担当。独立後は主にキャリアや恋愛について執筆しつつマーケターとしても活動。新著『モテたいわけではないのだが ガツガツしない男子のための恋愛入門』が2万部を突破。 ブログ:「トイアンナのぐだぐだ」 http://toianna.hatenablog.com/ Twitter: https://twitter.com/10anj10

2020年11月4日

「やりたい仕事」に目覚めたのではなく、今の仕事をやりたくないと気づいてしまったのでは?【キャリアの傷痕】第34回

トイアンナさんによる連載「キャリアの傷痕」第34回。この連載では「キャリアに傷がない人間なんていない。でもそこから得る“ジョイ”があるはず」という観点で分析・取材を進めていきます。

第34回は「やりたくない仕事に気づいてしまった」時点からのリカバリーについて、トイアンナさんがお伝えします。

やりたい仕事に目覚める30代症候群

ある日「やりたい仕事」に目覚めてしまう気持ち、わかります

「やりたい仕事」に目覚めてしまった。このままのキャリアではそれが実現できない。だから、今の会社を辞めるかどうか、悩んでる。……という相談が爆増するのが、27~33歳。新卒で入った会社に慣れてきて、そろそろ自分で仕事を回せるようになり、会社でどういうキャリアを歩むのかも見えてきて……。

「あれ、こんな人生でいいのか?」と悩める時期が、来てしまいますよね。と同時に、周りで自分が理想としている人生を見かけてしまったら、そこに手を伸ばしたくなるのは当たり前。

そうして「やりたいこと」に目覚めたときの最大の悪手は、勢いで会社を辞めることです。

勢いで「やりたい仕事」のため会社を辞める悲劇

理想へまっすぐ向かうと、イカロスの翼が燃え尽きる

ここで、一例を挙げます。ある30代前半の女性は、フリーのデザイナーになりました。彼女は美術系の学校を出たわけでもなければ、美術系のアシスタント業務に就いたこともありませんでした。

ただ、ずっとデザイン系の仕事に憧れて「そういう友達」に囲まれて過ごしてきて……。途中で、「なんで私だけ、平凡なキャリアを選んでいるんだろう?」と感じてしまったといいます。

といっても、彼女は英検準1級持ちの秘書。そこから法務や語学、税務系の資格を取ればSATC(Sex and the City) さながらのキラキラ生活はできたはずでした。ですが、隣の芝生は青く見えるもの。転職前の彼女は、自分の職業を「ただのアシスタント」とさげすむようになっていました。

フリーのデザイナーに転身してしばらくは、友人から仕事を回してもらえていた彼女。ですが、実績がないために継続案件が取れず、1年後には食うや食わずの状況となり……。彼女は失意のまま実家に戻ることとなりました。

「やりたくない仕事」に目が行き過ぎてませんか?

やりたくない仕事、はそこまで問題があるの?

ここから得られる教訓は2つ。1つ目は、「いきなり辞めないで準備しよう」。2つ目は「自分の仕事の嫌な面が目立ったときに、一度深呼吸して客観視してみましょう」という点です。

たとえば、私はライターです。
そして、ときおりこんな「病みモード」になることもあります。

――ライターは小説家や詩人に比べて、なんてクリエイティビティに劣る仕事だろう。歴史に名を残すこともなければ、新しい表現を生むわけでもない。さらに、私が5年後に食える保証もない。この仕事を続けていて本当に大丈夫なんだろうか。もしかして、会社員に戻ったほうがいいんじゃないか。

これを見た皆さんは「言わんとすることはわからんでもないが、辞めるほどでもないのに」と思いましたよね。同じことを「やりたいことが見えた」気がしたら、思い返してほしいのです。

あなたの仕事に憧れる人の話を聞こう

現職の長所が見えるよう、周りの話を聞いてみよう

今辞めたい気持ちは、本当に「やりたいこと」のためなのでしょうか。単に、自分のキャリアパスの欠点ばかり、目についている状態に陥っているんじゃないでしょうか?

もし「今の仕事はやりたくない!」という気持ちがムクムクと湧いてきてたら、まずは自分の仕事に憧れている人がいないか、周りを探してみましょう。就活生でもいいですし、転職を考えている後輩でも構いません。そして、憧れている理由を聞いてみてください。

「あれ、こんないい面もあったっけ」と思い出してからでも、転職は遅くありません。もし人間関係で病みそうなら休職してもいい。「キャリアの傷」がもしできたとしても、いつか「傷痕」にして立ち上がるために。まずは自分の仕事を客観視してみませんか。

トイアンナさんの連載コラム

トイアンナさんの連載コラム「キャリアの傷痕」

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