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トイアンナ

トイアンナ

慶應義塾大学卒。P&Gジャパン、LVMHグループでマーケティングを担当。独立後は主にキャリアや恋愛について執筆しつつマーケターとしても活動。新著『モテたいわけではないのだが ガツガツしない男子のための恋愛入門』が2万部を突破。 ブログ:「トイアンナのぐだぐだ」 http://toianna.hatenablog.com/ Twitter: https://twitter.com/10anj10

2020年11月18日

新型コロナで先輩からの指導が絶たれた。新卒2、3年目若手社員の教科書【キャリアの傷痕】第35回

トイアンナさんによる連載「キャリアの傷痕」第35回。この連載では「キャリアに傷がない人間なんていない。でもそこから得る“ジョイ”があるはず」という観点で分析・取材を進めていきます。

第35回は「新型コロナウイルスの影響で、先輩からの直接指導が受けづらくなったさまよえる2~3年目の社員が抱える不安」について、トイアンナさんがお伝えします。

在宅勤務で直接指導がもらえない2、3年目の不安

ひとりで不安を抱く新卒2年目の社員

「うちの2年目が辞めそうだ」という声が、そこかしこで聞こえます。新型コロナウイルスの影響で、一気に広まった在宅勤務。1年目の新入社員は、右も左もわからぬまま、ひとまず「これが社会か……」とオンライン業務へ順応していきます。

4年以上働く社員なら、これまでやってきた仕事の進め方をオンライン化すれば、何とか回せないこともありません。もちろん4年目以降には4年目以降の苦痛があるのですが、それは今回置いておきいきなりの在宅勤務で泣いている、2~3年目の話をしましょう。

古き良き日本企業なら。新卒入社後の数か月から最大1年は、新入社員研修に回されます。研修で学ぶことは多々あれど、現場の知識を吸収するのは配属後から。

取引先との上手な交渉のまとめ方や、資料作成のショートカット術。社内でも気をつけておくべきキーパーソンや、偉い人が通しやすい稟議書(=提案書)の特徴。こういった現場に紐づいた情報はOJT(※)の方が身に付きやすいことから、もっぱら2、3年目の配属後に覚えるべきとされがちです。

「〇〇先輩は夕方の方が機嫌がいいから、16時ごろに相談しな」

「隣の部署の△△さんは猫好きだから、まずはその話題をとっかかりに仲良くなって」

「取引先のA社はお盆にもメールしてくるような取引先が好きだから、事前にメールを用意しておいて、お盆期間の日時に予約送信しときな」

など、人事の研修では言えない生の声がOJTなら手に入ります。
ですが、新型コロナウイルスは「現場で、先輩からリアルタイムの指導を受けながら」の指導を難しくしてしまいました。

※OJT = On the Job Trainingの略。現場で業務を経験しながら学ぶこと。

失われたOJT、そして蓄積する「大事にされてない感」

私って愛されてない?不安を溜める2~3年目の社員

OJTが失われた環境で2、3年目が抱くのは「愛されてない、大事にされてない」感です。

上司や先輩から見ると、2、3年目を冷遇しているつもりはありません。むしろ、在宅勤務になった分チャットやメールで密に連絡を取ろうとしている上司も多くいます。しかし、2、3年目の社員が求めているのは「冷静なチャットやメールでの指示」ではなく、生の情報です。

「失敗してから、ミスばかり指摘される。もし対面だったら、隣の部署の〇〇さんの攻略法だって、あらかじめ訊けたのに」

「経理部の同期は上司から事前に、あのことを知らされてたんだって。営業部の上司は聞けばなんでも教えてくれるけど、そばで見ながら指導してもらえるわけじゃない。その分、経理部より不利だよ」

「チャットやメールで質問すればいい、って先輩は言うけれど、何を質問したらいいかわからなくて困っているのに」

こうして不満を蓄積させた2、3年目の社員は、次にこう考えます。
「こんな状況が続くなら、転職したい」と。

若手の離職対策には、カジュアルな定期面談を

悩みが消えてすっきりした若手社員

大量離職を防ぐためには、カジュアル面談がベストです。決まった議題がある会議ではなく、「とりあえず週に1回、1時間」何でも相談できる予定を組みましょう。面談はオフライン・オンラインいずれでも構いません。大事なのはテーマを問わず、何でも質問できる時間にすることです。

あなたが部下なら上司や先輩に相談して、時間を用意してもらってください。反対に部下の離職におびえる先輩側なら、あなたから時間を用意しましょう。

「最近お願いした○○の業務について、聞きたいことはある?」

「前、△△って相談してくれたよね。あれ、うまくいったって聞いたよ。頑張っているね」

と、定期的な面談で話題を振れば、若手社員からも「そういえば、あの件で前から疑問があったんですが……」と、本人のネックになっている問題がぽろぽろ出てきます。カジュアル面談は週に1回が2、3年目の社員には望ましいですが、ある程度業務を回せるようになったら、月2回まで減らしていいかもしれません。

在宅勤務では能動的に上司・先輩との時間を取らないと、「わからない」がそのまま放置されてしまいます。

そして先輩のみなさま。若手社員にとって「何でも聞いて」は、上級すぎる問いです。何を問えばいいのかすらわからない2、3年目として働くなら、まずはフリータイムを先輩ー後輩、上司ー部下の間で設けるところから頑張ってみてください。

トイアンナさんの連載コラム

トイアンナの連載コラム「キャリアの傷痕」

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慶應義塾大学卒。P&Gジャパン、LVMHグループでマーケティングを担当。独立後は主にキャリアや恋愛について執筆しつつマーケターとしても活動。新著『モテたいわけではないのだが ガツガツしない男子のための恋愛入門』が2万部を突破。 ブログ:「トイアンナのぐだぐだ」 http://toianna.hatenablog.com/ Twitter: https://twitter.com/10anj10

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