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トイアンナ

トイアンナ

ライター。外資系企業に勤めてのち、独立。恋愛とキャリアを中心に執筆しており、書籍に『モテたいわけではないのだが』『確実内定』『やっぱり結婚しなきゃ!と思ったら読む本』など。 Twitter: @10anj10/公式サイト「恋愛塾」

2021年2月24日

鬱で休むのは当たり前?キャリアに傷が残らない「シック・リーブ」とは【キャリアの傷痕】第41回

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トイアンナさんによる連載「キャリアの傷痕」第41回。この連載では「キャリアに傷がない人間なんていない。でもそこから得る“ジョイ”があるはず」という観点で分析・取材を進めていきます。第41回は「外資では当たり前のシック・リーブの考え方で、鬱をキャリアの傷にしない方法」について、トイアンナさんがお伝えします。

鬱になったらキャリアは終わりと思っていませんか?

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鬱になったら休職して、そしたらキャリアが途絶えてしまう?

うつ病になったら「終わり」だ、という発言を、何度も聞いてきました。ええ、確かにこの世の終わりのような気分になります。毎日が曇天、体は重く、やる気が出ない。家はゴミ屋敷と化し、仕事のパフォーマンスはだだ下がり……。

そして、内面では「鬱かも」と不安を抱きながらも、無理に出社する人がいます。鬱だと判明して会社を休んだら、もう出世できないと思っている人が多いからです。

地方銀行の総合職で鬱になっても無理に出社し続けた結果、鬱が悪化して入院までしてしまったある女性は語ります。

――あのときは、さすがに(自分が病気だと)分かっていました。会社で涙は止まらないし、飛び降りて死ぬことしか考えられないし。でも、会社を休めない。せっかく総合職になったのに、こんなことで台無しにするなんて、ありえないって思ってて。(悪化した果てに)入院したときは、地獄でしたね。人生終わったって、思いました。

実際、彼女は復帰してから出世コースを外され、その後は一般職にルート変更したようです。しかし、こういった待遇は「すべての会社で普通のこと」ではありません。

誰もが鬱になる、そして休める外資系企業

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外資系企業のプレッシャーは強い。けれど休む人にも平等です

たとえば、私がいた外資系企業では、鬱になるのは「よくあること」ととらえられていました。誰もが鬱になる可能性があるし、それって仕方がないよね、と考えられていたのです。日本ではありえないことかと思いますが、支社長レベルの人が鬱で休職することもあります。それでも復帰できますし、転職先では同じポジション(肩書き)の職に就くことが可能です。

そして、そんな境遇だからこそ、社員が「鬱かも」と思ったらすぐに休職するなり、有休をギリギリまで申請するなりします。悪化する前に休んでしまった方が、復帰が早いことも周りの経験則から知っているのです。

そういう病気由来の休みを、外資ではシック・リーブ(sick leave)と呼びます。

ーーあの人は? 最近オフィスで見ないけど。

――ああ、シック・リーブらしいよ。

――マジ? 最近、炎上プロジェクトばっかりやってたもんね。

――うん、ゆっくり療養したら、また戻ってきてほしいよ。

こんなふうに、骨折くらいのノリで鬱のシック・リーブは語られます。さすがに数年に1度のスパンでシック・リーブを繰り返していたら、ほかの方より出世は遅れるでしょう。そして、そこまで鬱を繰り返すなら適性がない可能性も高いので、転職される方も多いでしょう。

しかし1回の、それも数か月のシック・リーブならその年次の結果しだいで昇進すらありえます。良くも悪くも、外資は結果主義。たとえ1か月倒れても、残りの11か月で昨対比3桁成長の数字を出せば、昇格だって見えてくるのです。

鬱かも、と思っても希望を捨てないで

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自分のペースで、上を目指したっていいんだ

最近、「コロナ鬱」と言われるように、新型コロナウイルスの影響で鬱病になる方が増えているようです。私もプライベートの事情ではありますが、昨年は1ヵ月シック・リーブを経験しました。

もし、体が重い、歯磨きが面倒、眠れない、お風呂に入れないといった「それっぽい」感覚を味わったら。隠そうとする前に「大丈夫、たとえ自社では道がなくなっても、いろいろできることはあるから」と安心していただきたいのです。

外資がすべて、「ド詰め」される厳しい会社とは限りません。部署によっては定時帰りが当然のところもあります。そしてシック・リーブに優しい会社は、日本企業にもあります。自社でたとえ出世ルートが途切れても「全部だめ」ではないのです。

「もしかして」と思ったら。まずは病院に相談しましょう。そしてゆっくり休んでください。働きながら時短にしたり、休職したりもありでしょう。そして、動けるようになってから転職エージェントや先輩に相談してみてください

案外「じゃあこういう業界はどう?」と、アッサリ紹介してもらえるものです。それも無理に働きつづけるよりも、ホワイトな環境で、同じ給与水準だったりして。そういうことも、聞いてみないと分かりません。

鬱になっても、それが「シック・リーブ」としてキャリアの「中間地点」としてとらえられ、出世コースへの傷にしない方法があります。今は真っ暗に見える道も、休んで元気が出れば歩けます。そして歩いていくと、道は開けます。だから安心してください。そして軽症のうちに、病院へ相談してみてください。

トイアンナさんの連載コラム

自身の体験談や取材など、トイアンナさんが実話を元に届けるキャリアコラム。性別職種問わず、様々なキャリアの傷痕話とそこから得られるジョイを紹介します。

トイアンナの連載コラム「キャリアの傷痕」

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