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伊藤璃帆子

伊藤璃帆子

芸術大学で美術、写真を学び、ITマーケティング会社を経て、独立。現在フリーでライター、編集、撮影、イラスト、フードスタイリングなどを手掛ける。

2021年5月28日

これから企業が取り組むウェルビーイングとは?パンデミックで変わった働き方の価値観

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新型コロナウイルスのパンデミックにより、働き方が大きく変化したことで企業のウェルビーイングへの取り組みも変わりつつあります。ウェルビーイングとは「肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態」とされ、従業員に対してよりよい働き方や目標設定を与える概念です。ウェルビーイングはアフターコロナ時代の経営のあり方を探る多くの企業で注目されています。今回はウェルビーイングが注目される理由や企業の取り組みの事例をご紹介します。

パンデミックで変容する社会人の幸せの形

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会社中心の生活から一変し、プライベートの時間が増えました

「自分にとっての幸せってどんなかたち?」

これは人によってさまざまで、一言で説明できる人は多くないかもしれません。新型コロナウィルスのパンデミックによって会社中心の生活が一変し、自分自身と向き合う時間が増えたことがきっかけで、「自分はどこで何のために働くのか」「これからの時代を自分らしく生きるための必要な要素は何か」といったことがより意識的になり、理想の働き方、暮らし方が変わった人は少なくないのではないでしょうか。

従業員の価値観の変容に伴い、いま企業で注目されているのが「ウェルビーイング(well-being)」です。ウェルビーイングとは日本WHO協会の訳によると、「病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態」とされている概念です。

ウェルビーイングは企業が個々の従業員の状態や理想の働き方を把握するために有効であると考えられています。

企業で取り組むべきウェルビーイング

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社員の健康管理も企業の課題

パンデミック以前から、従業員に対する健康への配慮は企業にとって重要な取り組みであると考えられてきました。政府も従業員の健康管理を経営戦略に取り入れる「健康経営」を推進していて、多くの企業で実施されています。企業が健康経営に取り組む理由は主に下記のような目的があり、企業にとって従業員に対する健康ケアはコストではなく投資と位置付けられています。

  • 人材確保
  • 離職率の低下
  • 企業イメージアップ
  • 生産性の向上

従来の健康経営に対する取り組みは、定期健康診断や有給休暇の利用促進、スポーツ施設の利用料補助いった体の健康面をサポートするものでした。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響が長引くなかで不安やストレスを抱える人の数は過去最高といわれ、企業の従業員に対する健康とストレスケアがますます重要視されています。個々の人材が仕事で力を発揮するためには、働き手自身のセルフケアはもちろん、企業が行う従業員へのメンタルヘルスのサポートも必要不可欠なのです。

そこで注目されているのがウェルビーイングに向けた取り組みです。前述のとおりウェルビーイングとは、「肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態」を指します。従業員がこのように幸せな状態で就業できるように制度を整えることは、アフターコロナ時代でもっとも重要な経営戦略のひとつであると考えられています。

ウェルビーイングの取り組み事例

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ウェルビーイングへの取り組みって具体的に何をしているの?

昨今になって注目度が増しているウェルビーイングですが、実際にはどのような取り組みがおこなわれているのでしょうか。ウェルビーイングへの取り組み事例を3つご紹介します。

ウェルビーイングの取り組み①Google

Google社による心理的安全性に着目したウェルビーイングの数値化は好例として知られています。心理的安全性とは「自然体の自分をさらけ出せること」「遠慮なく発言できる雰囲気」といった対人面の安心感を共有できる状態です。Googleの場合は「自分がチームのことをどのように感じているか」「チームメンバーはどのような状態だと感じているか」といった質問を通じてチームメンバー間の信頼関係と心理的安全性を数値化し、測定結果に基づくワークショップを開催しています。昨今は部署単位での仕事ではなくプロジェクト単位でのチーム編成で業務を遂行する企業も増えています。この流動的なチーム編成において心理的安全性はパフォーマンスを向上するために有効だと考えられています。心理的安全性は自社の働きやすさに直結する課題で、ウェルビーイングの観点で重要なポイントです。これを可視化する取り組みは業界職種問わず参考にしたい事例で、働き手にとっても自分が快適な働き方や課題の明確化につながるかもしれません。

ウェルビーイングの取り組み②PwC Japanグループ

会計監査、ディールアドバイザリー、ビジネスコンサルティング、税務、法務などを総合的に手掛けるPwC Japanグループもウェルビーイングに積極的に取り組む企業です。PwCは「成功する人々はウェルビーイング(心身の幸福)を軽視しない。成功する組織はそこで働く人々がウェルビーイングを追求できるような環境を提供する」という考えのもと、健康維持・増進活動の推進を行っています。メンタルヘルス対策としては、年に一回のストレスチェック、メンタルヘルス研修、産業医による相談窓口開設、カウンセリングサービス、職業復帰支援プログラムといった取り組みが行われています。

ウェルビーイングの取り組み③ユニリーバ・ジャパン

家庭用品を製造・販売するユニリーバ・ジャパンではウェルビーイングの向上として2016年7月から、働く場所・時間を社員が自由に選べる新しい働き方「Work from Anywhere and Anytime=WAA」を導入しています。従業員の働き方の選択肢を広げ、普段とは違う環境で新しいイノベーションやビジネスモデルの創出が期待されています。通勤によって制限を受けていた問題が解消され、従業員のモチベーションや成長につながる取り組みとして好例です。

あなたの幸せな働き方は?ウェルビーイングへの取り組みに注目しよう

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新しい働き方で人生はもっと豊かになる

ニューノーマルやテレワークといった環境の変化から「お給料がたくさんあれば幸せ」「出世できれば幸せ」という考えから「自分らしく生きて自分らしく働きたい」という意識へと変わった方は少なくないのではないでしょうか。一人ひとりの幸せの価値観が変容しているいま、企業に求められているのは個々の従業員にフィットした働き方を推奨する制度です。

世界と比較すると、日本企業のウェルビーイングへの取り組みはやや遅れ気味だといわれています。しかし、企業は大切な従業員とのエンゲージメントを高めるために企業文化の改革、環境の整備、メンタルサポートの充実を図る必要があります。そのため今後、ウェルビーイングに取り組む日本企業は増えていくと予想できます。

いま勤めている企業がある方は、自社のウェルビーイングへの取り組みに注目し、ぜひ積極的に活用していきましょう。

また、ウェルビーイングは企業だけでなく、個人で取り組むこともできます。「これからのウェルビーイングとは?働く女性が幸福のために自分でできること3つ」で紹介しているウェルビーイングの実感を高める3つの方法を参考に、まずは自分でできることからはじめてみるのもいいかもしれません。

出典:Google re:Work「効果的なチームとは何か」を知る
出典:PwC Japanグループ「ウェルビーイング(健康経営)」
出典:ユニリーバ・ジャパン「WAAについて」

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芸術大学で美術、写真を学び、ITマーケティング会社を経て、独立。現在フリーでライター、編集、撮影、イラスト、フードスタイリングなどを手掛ける。

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